L'Anovelién

UNO=日昌晶

Author:UNO=日昌晶
日昌晶(ひよしあきら)
小説家にして作家デビュー請負人、ストーリーコミュニケーションコンサルタント
原稿執筆や講演・講義、オタクビジネス・マーケティングのコンサルティングまで幅広く活躍中!
 unokyokai@gmail.com

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第2回 見せ場を作ろう

サトミ 「は~い、今日も○○ライトノベル教室はっじまるよ~!」
ワガハイ「よい子のみんな、こんにちは。ワガハイであ~る」
サトミ 「サトミおねえさんだよぉ」
ワガハイ「ということで今日で2回目。いやあ、単発企画じゃなくてなくてよかった、よかった」
サトミ 「そうだよねぇ、初回打ち切りはまずいよね。ギャラの問題もあるしさ」
ワガハイ「いや、そういうことじゃなくて……」

 ……閑話休題

ワガハイ「ま、とにかく今日のテーマは『見せ場』について。英語でいうならクライマックスだな」
サトミ 「おおっ、最後の決戦のことね!」
ワガハイ「いや、たしかにそういうストーリーも多いけど……それだけじゃなくて
      ラブロマンスなら恋人が死んでしまうとか、他にもいろいろあるだろ?」
サトミ 「そっか、誰かが死ぬシーンなのかぁ」
ワガハイ「それも語弊があるような……まあ”死”というのは重大なテーマだから、
      クライマックスにはよく使われるのは事実だけどさ」
サトミ 「なるほど」

ワガハイ「ところで、おねえさんは作品を書くときに、ちゃんと見せ場を考えて書いているかな?」
サトミ 「う~ん、なるようになるというか、自然とこう結末は考えてるんだけどね」
ワガハイ「だめだなぁ。ストーリーでもっとも読者が期待しているのは見せ場っていうのは
      『水戸黄門』でいえば印籠を見せるシーンだな。けっして由美かおるの入浴シーンじゃないからw」
サトミ 「わかってます(怒)」
ワガハイ「つまり物語というのは、このクライマックスに向けて、どれだけ盛りあげられるかが大切ななんだな。
      そもそもあの印籠を出すシーンまで持ってゆくために、それまでに悪人をどういう悪事をするかとか
      悪人のせいでどんな人々が苦しめられているかっていうのが決めているんだな。
      それに対して由美かおるの入浴シーンは話の本筋と関係ない視聴者サービスなんだな」
サトミ 「だから由美かおるはいいって!」
ワガハイ 「痛っ、なにも殴ることないじゃないか……ひどいな、おねえさんは」
サトミ 「いいから続けて!」
ワガハイ「そ、そうだね、その……つまり逆算して、どういう見せ場を読者に見せたいかという
      しっかりしたビジョンを決めてから、それを効果的に盛りあげてゆく導入部やエピソードを考えたり
      おさまりのいいエンディングを用意してあげるほうが効率的なんだよ、わかってくれたかな?」

サトミ 「ふ~ん、とにかく見せ場から考えろってわけね!」
ワガハイ「ま、そういうことかな。ところで、おねえさんはどんな見せ場を作りたいと思ってるの?」
サトミ 「そうだねぇ、考えてみるといろいろあるんだよ。
     たとえば、未知の宇宙生物をこんなこともあろうかと予め準備していた秘密兵器で倒したりとか
     かわいいメガネっ子のメイドさん(しかも巨乳)が青年貴族が身分の差を越えてついに結ばれちゃったりとか
     愛する恋人の仇を討つために敵地に単身乗りこむガンアクションとか
     オーソドックスに剣と魔法の世界で伝説の秘宝を探しに行くのもありかなとかぁ
     あと、やっぱりネコ耳は捨てがたいな!」
ワガハイ「ダ、ダメだって! そんなクライマックスのプリンアラモードみたいにしたら
      ひとつひとつの見せ場がぼやけちゃったり、読者が混乱しちゃうよ!
      しかも、なんか微妙に聞いたことのあるような設定も混じってるし……
      見せ場にしたいシチュエーションはよく考えて1つに絞るべきだよ。わかったかい?」

サトミ 「う~ん、ひとつか、ひとつって言われてもな。どれをこれも好きだから選べないよぉ」
ワガハイ「時間はあるんだから、ゆっくり考えて、自分が最も書きたい、
      あるいは自分の得意とするものを見せ場として選んでみるんだね」

#02 novel school

<応用クイズ>
 優れた作品の見せ場とは、常に読者が(     )ものであるべきだ。 (こたえはメルマガで!)

文:UNO 絵:みのり
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描写を極めたい!


感覚表現辞典 (中村明編 東京堂出版)

 前回は人物描写についてまとめられた人物表現辞典を紹介しましたが、今回は感覚表現について古今の有名小説から4642もの膨大な用例を引用した用例集となっています。構成については前回の人物表現辞典と同じなので、そちらの紹介記事を参照してください。

 ここで、ちょっと疑問に思うのは「感覚表現」とはなんぞや、ということじゃないでしょうか。簡単にいってしまえば、感覚表現=情景描写、心理描写と思ってくれてまちがいないです。感覚とはつまり登場人物(あるいは著者)が外界に抱く主観的な印象といったものなんですね。

 特にこの感覚表現辞典で注目してほしいのは、その多彩な比喩表現ですね。まずライトノベルや最近の作品では見られない優れた比喩の用例が秀逸です。特に「まるで~のような」といった明喩(直喩)ではなく、さらっと流す暗喩(隠喩)表現の巧みさを学ぶにはうってつけの教材になるかと思います。これ以外にも、こういう表現をしたいときに、こんなところに着目するのかというような、まるで盲点をつかれたような素晴らしい表現も多数ありますので、これもまた大いに参考になるでしょう。小説を通して読むだけでは気付かずに見過ごしてしまいがちな感覚表現が、ぎゅっと凝縮されたエッセンスとなっていますので、文章技術の学習効果はかなり高いでしょう。

 ただし人物表現辞典同様、活用のハードルは高めです。まず文章が普通に書けるレベルにある人でないと、この辞典を買っても意味がありません。この辞典は用例集ですが、そのまま用例を引用して使うというのは単なるパクリです。比喩表現だけであっても、それが独特の表現であった場合は盗作とみなされることもあるので注意が必要です。(参考:田口ランディによる剽窃事件)ですから、これら膨大な用例からインスピレーションを得て、自分なりの文章表現を新たに創りだすのが、この辞典の本来の役割だと思っています。

 では、実際にどんな項目があるのかを紹介しておきます。

光影――光、陽、月、星、灯、雷、火、眼、眩、輝、照、艶、明、暗、影
色彩――白、黒、灰、赤、桃、茶、橙、黄、緑、青、紫、変、間、多、雑
動き――人間、動物、物体、液体、気体
状態――人体(頭部)、人体(胴部)、人体(手足)、衣装、動物、自然、建築、物体、茶器、文字
音声――歌、唸、叫、泣、笑、呼、怒、呟、大、小、太、高、低、強、軟、情、喩、澄、濁、掠、雑、口調、虫、獣、鳥
音響――海、川、水、雨、雪、風、地震、風、雷、火、楽器、乗り物、機械、電話、動物、植物、衣、食、住、手、足、体、騒、雑、静
嗅覚――人、化粧、動物、植物、外気、屋内、食、飲、生活
味覚――野菜、魚介、肉、調味料、料理、果物、菓子、飲料、食品以外
触感――硬、軟、粘、粗、滑、揺、膨、弾、触、重
痛痒――痛、痒、痺
湿度――自然、体、衣服、雑
温度――冷、寒、涼、微温、火照、暖、暑、熱
感覚的把握――光、色、形、味、痛痒、温湿、触 

 まあ、ここまで細分化されて体系的にまとめらているわけですから、手当たりしだいに小説を多読するよりもずっと効率的です。きっと手元に置いておく価値は充分にあります。気になる用例については併せて引用元の作品を実際に読んでみて、前後の文脈についても把握すると、より一層勉強になりますよ。<UNO



第3回 得意分野を作ろう

サトミ 「ということで、懲りずに○○ライトノベル教室で~すぅ!」
ワガハイ「懲りるほど、まだやってないと思うんだけどな、おねえさん」
サトミ 「えへへ、気分的にね。俗に言う倦怠感ってやつ? ふっ」
ワガハイ「……さ、さて、おねえさんが飽きないうちにサクサク進行しようかな」
サトミ 「そしたら早く帰れるね!」
ワガハイ「そうか、早く家に帰って執筆活動がしたいんだね、そうか、そうだ、そうに違いないね!」
サトミ 「えっ!? まあ、空気読んで、そういうことにしとくわ。オトナだからさw」

ワガハイ「ところで、おねえさんは、どんな作品を書いてるのかな?」
サトミ 「書いてるというか、その、壮大な構想が次から次に溢れてきてさ、まとめるのに時間が、ね?」
ワガハイ「つまり、まだ手つかずなわけね」
サトミ 「ちゃんとやってます! 頭のなかで!」
ワガハイ「前回は見せ場についてお勉強したよね。それくらいは決まってる?」
サトミ 「だから、そのやりたいことがやっぱり多すぎて……」
ワガハイ「う~ん、これは重症だな。ねえ、だったら、おねえさんが得意なことって何?」
サトミ 「得意なこと? 料理とか掃除とか、かな?」
ワガハイ「いや、そういう微妙なウソはいいから」
サトミ 「ウソじゃないもん! ほんとだもんっ! ぐすん……」
ワガハイ「ああ、わかった、わかったから! そんなうるうるした瞳でワガハイを見るなっ!」
サトミ 「だったらギャラあげてくれる?」
ワガハイ「それはプロデューサーに相談してくれるかな?」
サトミ 「あ、あげてくれないの……うぅ……」
ワガハイ「わかりました。わかりましたよ! あとでプロデューサーと相談しておきます」
サトミ 「約束だからね!」
ワガハイ「……じゃ、じゃあさ、おねえさんの得意分野は家事全般だということにして――」
サトミ 「あんっ? ということにしてぇっ?」
ワガハイ「もとい、家事全般なので!」
サトミ 「よろしい」
ワガハイ「その得意なことを自分の作品にもそれを活かしてみようというのが今回の課題なのであ~る!」

サトミ 「でもさ、料理とか掃除って、ライトノベルにネタとして使えるの? あんまりそんな小説見たことないけど」
ワガハイ「今までなかったからこそ、個性が発揮できるんだよ!
      たとえばアニメが得意と言ったって、ライトノベル作家や志望者だって普通に詳しい人がごまんといるだろ。
      それで自分の武器にするには相当なレベルを要求されてしまう」
サトミ 「まあ、そうよね。生半可な知識じゃ太刀打ちできそうもないわ……」
ワガハイ「でもマイナーなジャンルやニッチなことなら、ほとんどの人がなんにも知らないんだから
      ちょっとよく知ってるだけでも、かなり武器になると思うんだな。しかもその分野で一流なら文句なしさ!
      漫画には多いぞ。絵はもうちょっとでも、その専門分野の豊富な知識を活かしてヒットすしてるのが」
サトミ 「そうか、『ナニワ金融道』とか『美味しんぼ』とかね。青年漫画誌に多いよね」
ワガハイ「まだライトノベルでは専門知識を活かした作品は少ないから狙い目ってのもある」
サトミ 「なるほど!」

ワガハイ「だから、おねえさんも、その得意だという料理や掃除を作品に活かしてみることだね」
サトミ 「で、でもさ……美味しんぼみたいに究極に料理に詳しいってわけじゃないし……」
ワガハイ「なら掃除でもいいよ。それに何もそれを作品の軸にすることもない。
      ちょっとしたエピソードに織りこむことで作品にリアリティや親近感、深みなんかが出るよ!
      これも立派な得意分野の活かし方だね」
サトミ 「そういう方法もあるのか」
ワガハイ「でも注意しないといけないのは、あまり自分の趣味に走りすぎないこと!
      独りよがりに知識をひけらかすように書いても読者はついてこれないからね」
サトミ 「ときどき、あるよね、そういう作品。そんなウンチク語ってないでストーリー進行させろってwww」

ワガハイ「それと得意なことは趣味的なことじゃなくてもいいんだ。実体験でもいいし、文章に関してでもいい。
      自分は情景描写が得意だとか、コミカルな会話には自信があるとか。
      とにかく自分の最も得意とすることが何かって、あまり自覚していないことがあるからね。
      これを機会に考えなおして、得意なことを箇条書きにしてノートに書き出して整理してみると
      意外な得意なことが新しく見つかったり、つぎの作品のアイデアを思いつくかもね!」

#03 novel school

<応用クイズ>
 本当に得意なこととは、他の大多数人よりも、それについて(     )ことである。 (こたえはメルマガで!)

文:UNO 絵:みのり

スポーツ小説に試合はいらない

 スポーツ漫画は今も昔も人気があるのに、人気スポーツ小説というのはライトノベルだけでなく一般小説でも数少ないんだよね。そもそも動的で視覚的なスポーツを文章で描ききるのは難しいからね。たぶん、そこらへんが最大のネックなんだろうけど。

 最近のスポーツ小説で最大のヒットとなったのは、あさのあつこ著『バッテリー』だろう。この中学野球を描いた作品はスポーツ小説に対する今後の方向性を示すエポックメイキングな作品となるんじゃないかなと思っている。それはなぜか?

 この『バッテリー』という作品、全6巻を通して、ほとんど野球の試合を描いていない。数少ない試合シーンも中断したり、わざと描写しないまま終わらせてしまっている。そもそも扱われている試合も部活の紅白戦や無許可の練習試合だけで、公式戦については皆無と徹底している。試合中心でストーリーが進行する従来の野球漫画では考えられない構成だ。ラブコメの『タッチ』でさえ試合シーンはかなり多いのに。

 動的で視覚的な試合シーンをあえてバッサリと切り捨てて、読者の想像に任せることにして、作品では試合に至るまでの人間関係や心理描写に踏みこんでゆくことで、活字の得意分野に持ちこんでゆく。これは巧い方法だと思うし、スポーツ以外にも応用できるんじゃないかな。

 ちなみにライトノベルのイラストもヤマ場のシーンは、あえて挿絵にしていないことが多いって気付いてました? いちばんいいシーンは読者の想像に任せて、よりイメージを膨らませてもらえるようにしているんですよ!<UNO

風化してゆく小説

 もし自分の作品を後々まで長く読んでもらいたいと思うのなら、できるだけ風化防止策をとっておくべきだろう。100年とか200年とか長い期間じゃなくても、人気作になれば十年間くらいは連載が続いたりすることもままあること。それだけに第1巻が時代錯誤で風化してしまっていると読者も興が醒めてしまいかねないよね。

 そもそも時代の最先端を描いた小説の多くは短命だ。今や都知事の石原慎太郎氏の芥川賞受賞作にして、太陽族なる流行まで生みだした超大ベストセラー小説『太陽の季節』を今や誰が読み継いでいるだろうか? 同じく元長野県知事の田中康夫氏の『なんとなく、クリスタル』を熱狂的に支持する者が今もいるだろうか? 当時最先端の世相や風俗を描いた小説は見事なまでに風化しきってしまい、もう顧みる者はもうほとんどいない。

 まあ、30年も前の作品なら時代性を加味して割りきって読めるんだけど、5年くらい前とか微妙なんだよね。ときどき痛々しく思えることがないか? コラムニスト泉麻人さんも書いていたけど、5年前にヒットした曲をドライブ中などに聴くことがあると、その曲が大ヒットしていればしているほど、どうも日本人は妙な恥ずかしさを感じてしまうという。これは小説も同じ。執筆当時、流行していたものを取り扱って、しばらく経つと当然のごとく時代遅れになってしまう。ポケットベルが中心になって登場する作品なんて読むと、こそばゆく感じてしまうのは自分だけじゃないはず。

 ライトノベルにおいては、異世界や近未来、時代物、パラレルワールドとかなら、まあいいんだけど、現代物ならこのあたりをしっかりと認識しておく必要があるわけだ。原則として流行やブーム、ヒットしている物や事はもちろんのこと、最新技術なんかも極力扱わないこと。芸能人の名前とか商品名など固有名詞もそう。インターネットとか日進月歩のコンピュータ技術は登場させないわけにはいかないかもしれないけど見極めが難しいところだね。

 逆に15年前から存在していて、今も残っているものなら使ってもたいがい大丈夫かな。それでも歴史ある野球チームだって、いつ消滅するかわからない時代だから固有名詞は使わないほうがいいだろうね。「携帯電話」とか「メール」とか漠然としたあつかいなら全然問題ないんだろうけど、携帯電話のスペックやらサービスに関する言及はやめたほうがいい。だって、ほんの10年も前はモノクロ液晶画面が当たり前だったことを考えると、現在一般的な3インチ超カラー液晶画面が5年後にどうなっているかなんてわからない。デコメールとかケータイ小説とかも生き残っているかどうか……

 そう考えるとアニメ『サザエさん』はすごいと思う。東芝という家電メーカーがスポンサーなのに磯野家の家電製品は世帯普及率が80%を越えるくらいにならないと登場しないそうだ。これはサザエさん一家が庶民だという設定だからだそうだが、未だに平屋の日本家屋に住んでいる庶民なんてそうそういないだろうw しかし、もしマスオさんが10年前の旧式携帯を持っていたらどうか? きっと40年前には平均的だったであろう平屋家屋に住んでいるほうがずっと違和感をおぼえないにちがいない。そう、サザエさんくらい発表時点で少し先端より遅れているくらいのほうが風化を防止できるわけだ。
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