L'Anovelién

UNO=日昌晶

Author:UNO=日昌晶
日昌晶(ひよしあきら)
小説家にして作家デビュー請負人、ストーリーコミュニケーションコンサルタント
原稿執筆や講演・講義、オタクビジネス・マーケティングのコンサルティングまで幅広く活躍中!
 unokyokai@gmail.com

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「ゲーミニケーション」を知ってますか?

今年のはじめ頃から、盛んに言われるようになってきたのが
「ゲーミニケーション」という言葉ですが、みなさんは知っていましたか?
はずかしながら私は最近までスルーしていて、意味まで調べたことがありませんでした。

さて調べてみると、なかなかおもしろいようです。
簡単に言ってしまえば「いま流行りのソーシャルゲームの課金方法を他の分野で活用する」ことです。
ソーシャルゲームというのは、フリーミアム・ビジネスの最たるものでありまして
大多数の人には無料で提供できますが、一部のヘビーユーザーに対しては有料を選択してもらうことで
マネタイズ、つまり利益を生むというビジネスモデルというのはご存じのとおりです。

では、そのフリーミアムを実践する際、もっとも重要になってくるのは
一部のユーザーとはいえ無料でいいものにわざわざ料金を払う気持ちにさせるための方法なんですね。
これを巧みに実践してきたのが、ソーシャルゲームというわけです。

ソーシャルゲームというのは暇つぶし的なゲームであり、ゲーム性が高いわけでもありません。
娯楽なのでこれといって有益なことがあるわけでもなく、バーチャルなデータやサービスでしかありません。
しかしごく一部の人は、このゲームに対して月に数万円ときに十万円以上も課金しているんですね。
ほとんどの人には理解できないでしょうが、課金している人は満足して払っているんですよね。
かくいう私もトラビアンというドイツのソーシャルゲームに月に5000円ほど費やしたことがありました。
ただ2ヶ月で一緒に遊んでいたコミュニティが運営サイドに潰されたので、やめてしまいましたが……
なので、ソーシャルゲームにお金を払ってしまう心理というのは結構わかります。

ソーシャルということで競争相手がいますから、人より有利に立ちたいという心情
そして課金することで時間を短縮できたりとストレス解消してくれる満足感とかですね。
特にトラビアンの場合は戦争ゲームなので、周囲の敵より早く強くならないと
せっかく何週間もかけて作った村や軍隊を一瞬にして破壊されてしまうというシビアな世界だったので
課金しないと生き残りにくい環境だったんですよね。

そういうわけでソーシャルゲームはあの手この手でユーザーに課金させようと心理的に仕掛けてきますが
実践を通して積み重ねてきた、このテクニックをゲーム以外の分野で活用してみようというのは
ビジネスとして当然のなりゆきだったというわけです。

実際にどのようにゲーミニケーションが活用されているかは、実際に調べてみてください。
実例としてもなかなかおもしろいものが見つかると思います。
そして、このブログの主旨でもありますが、このゲーミニケーションを小説に活用できないでしょうか?
私も模索中なのですが、みなさんも考えてみると思わぬアイデアにつながるかもしれませんよ。

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聖地巡礼を見越して考える小説の舞台

最近はアニメの舞台となった場所を聖地と称して観光に訪れる人がたくさんいます。

アニメ化しなくとも小説舞台が身近な場所だったりすると地名だけでも親近感がわくし
知らない土地であっても、ふと行ってみたくなるなんてことがままありますよね。
そういう読者の感情を掻きたてるのもひとつのテクニックだと思うのです。

現代日本を舞台にしても架空の場所を想定すると自由度が高いわけですが
(架空の町なら海でも川でも山でも、いくらでも登場させられますからね)
実在する地名などを使うと、それはそれで別のたのしみかたを提供することになるわけです。

しかしながら実在の場所を小説で使うには、最低限、その土地のことをある程度知っていないといけませんよね。
まったく道の土地だと、細かい描写ができないわけですよ。
グーグルアースや写真ではわかっていても、町の人の様子や賑わいとか、野良猫が多いとか少ないとか
そういった身近な情報が文章にあるとリアリティが増して、活き活きしてくるんですね。

行ったことのない土地を人の話や写真だけで描いてしまうと、どうしても輪郭だけで
町の一面しか捉えられず、まるで舞台のカキワリ背景のようになってしまいかねません。

そうならないためにも実際に舞台とする場所に何度も行ってみてください。
そして観光スポットばかりではない、路地なんかを歩いてみるといいですね。
よりよいのは実際に住んだことのある場所ですよね。これは自然とわかっているはずですから。

そして、もしも架空の異世界ファンタジーを書くにしてもモデルとなる場所を想定すると
存在感のある緻密な情景を描くことができますよ。
そうですね、古城が残るドイツから中欧や東欧あたりにかけての田舎町なんかが、いいんですけどね。
この場合、日本を舞台にするより、ちょっとばかり経費はかかりますが、行っただけの甲斐はありますよ。
建物の質感とか人々の暮らし、森林や山々、平原の様子といった自然、そして空気感など
あなたの文章力が高ければ高いほど有意義になってくれると思います。

もっともやってはいけないのは、特定のアニメや漫画、小説の舞台をそのまま借用してしまうことです。
オマージュというのならいいのですが、特に参考にするモデルが見つからないから流用してみましたというのは
つまらない駄作への第一歩となりかねないので、注意してくださいね。

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実はそんなにゲーム好きではない件

最近、ウォーハンマーのことだとかゲームに関していろいろ記事を書いていますが
実は日昌晶はさほどゲーム好きではありません。
特に何十時間と長時間を要するコンピューターゲームは、時間がもったいなさすぎて
多少興味があっても滅多にやることはないんですよね。

非電源のアナログゲームをよくやるのは、1プレイが短いということもありますし、
なによりもシステムが目に見えてわかりやすいことと、工夫が多彩なんですね。
コンピューターゲームはもうビジュアルとかの技術面や壮大なスケールは凄いんですが
やりとりとしてのゲームシステム自体が斬新なものは少ないですよね。

例えばRPGなんて、やりとりとしてはファミコンのドラゴンクエストから変わっていませんよね。
モンスターを倒してレベルを上げてステータスを上げ、お金を稼いで優秀な装備を手に入れる。
そして中ボスなどを倒しつつフラグを回収しながら魔王を倒せばグッドエンディング。
操作性などに新奇性はあっても基本ラインは変わりません。
これは格闘ゲームでもアドベンチャーゲームでもシューティングゲームでも同じですよね。

やRPGやAVGなんて80年代はゲーム機ではなく書籍だったのを若い人は知ってますかね?
ゲームブックと呼ばれていて『火吹き山の魔法使い』なんかが元祖的存在だったりします。
小説風の体裁なんですが無数のパラグラフに分かれていまして、パラグラフの終わりに選択肢があるんですよ。
「A:戦う→35 B:逃げる→67」なんて感じで、指定のパラグラフに飛んで読んでいくんですね。
途中でアイテムを手に入れたり、特殊能力を使ったりもできたりと今のRPGやAVGと同じことができました。
紙幅の関係で分岐を多くできないため、選択を誤ると高頻度で死亡するので、なかなかスリリングでしたね。
TRPGを独りで遊べるようにというコンセプトで開発されたのが、そんなゲームブックでして
これが当時は大ブームで「シューティングゲーム」のゲームブックなんてのもありましたよ。
そのうちゲームソフトの性能が高くなったこともあって、ゲームブックは絶滅してしまうんですけどね。

閑話休題。で、私がゲームについて興味があるのは、遊ぶことよりも仕組み、システムなんですね。
どうしてプレイヤーを楽しませられるのか、その理詰めの仕掛に興味があるのです。
小説作品は物語なので、理詰めでたのしませるというよりもフィーリングでたのしませることが多いんですが
これとはまったくちがうたのしませかたをするゲームというものに興味をもっているわけです。
なので、勝ちたいとか、あまり強くなろうという意識はないので永久の初心者なわけですが。

しかしながらシステマティックなおもしろさの演出は、小説作品にも応用できるはずです。
部分的ではありますが、推理小説のトリックなんていうのは理詰めのパズル要素がありますよね。
『シャーロック・ホームズ』という賞までとったゲームブックなんてのもありましたね。
これが滅茶苦茶難しかった。登場人物の何気ない発言や描写をすべてに注意を払い、記憶しておき
さらに附録でついてくる事件とは脈絡もなさそうな新聞冊子や地図から事件を解決せよというものなんですが
まさにキ●ガイ的な難解さで、巻末の解答編を見て唖然としてしまいました。
本当にホームズ並みの神がかった推理(こじつけ)をしないと事件の真相に近づけないんですよ。
これはコナン君でも無理なレベルでしたね。

そして理詰めのおもしろさは、なにも推理小説だけではないはずです。
少年漫画にも理詰めのおもしろさがありますよね。わかりますか?
それはルールです。バトルするにもトーナメント戦とか、武舞台から落ちたら負けとか
はたまた特殊能力自体にもできることと、できないことが決まってますよね。
バトルというのはルールがあるからおもしろいんですね。
ルール無用なら1人に対して多数で闇討ちをしかけ、しかも圧倒的な武器を使用だっていいわけです。
でも、そんなルール無用のバトルなんておもしろくもなんともないわけですよ。
スポーツのようにルールがある程度決まっていないと、対戦者の条件を平等にできないんですね。

そして、このときバトルのルールをどうするか、どうすればおもしろくなるかというのは
ゲーム感覚がないとなかなかわからないんじゃないでしょうか?
ただおもしろいから、暇つぶしにと、ゲームを消費するだけでは、この感覚は自然と身につきません。
どちらかというと自分でゲームを作ってやろう、よりおもしろいバリアントルールを考えてみようなんて
考えてしまう人のほうが創作に向いているし、ゲームのセンスが磨かれるのは当然です。
これもまた先日書いた「ゲーミニケーション」のひとつのかたちでしょう。

さて、あなたはおしつけられたゲームをそのまま遊んで消費するだけの人ですか?
それともよりおもしろくするためにルールを変えてみたり、新しいゲームを考案する人ですか?

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作家に必要なツール

かつては投資として原稿用紙とペンさえ買ってくれば、はじめられたのが小説家なわけですが
ご存じのとおり、昨今の状況はいささか異なってきました。

職業として作家をやるならば、原稿用紙とペンの代わりにパソコンが必須となりました。
たしかに従来どおりに原稿用紙でも原稿は書けますが、その先の作業が変わってきたからなんですね。

まず普通の出版社(編集部)は原稿をテキストデータでの入稿を求めてきます。
テキストデータというのは拡張子が.txtのファイルでもっともシンプルな文字データです。

なぜデータでほしがるのかというと、製版するためにDTPで作業をするわけですが
DTPでは実際に印刷するときの体裁(行数やフォント、余白など)を指定してゆくわけですね。
データならDTPにそのまま一瞬にして読みこませることができるんですね。
ところが手書き原稿だと、これを一度、データにするために原稿をPCにまた打ちこまないといけません。
そのためには1週間、2週間の期間が必要ですし、そのための人件費だって結構かかるんですよ。
そういうわけで手書き原稿は効率面からいって敬遠されるので、基本的にNGです。
こだわりの原稿用紙による手書き原稿が許されるのは、よっぽどの大御所の大先生くらいでしょう。

またデータ原稿のメリットとしては、瞬時にメールで送受信できることなんですよね。
手書き原稿だと普通は郵送、急いでいるならバイク便、短編くらいならFAXでも可能でしょうが
締切間際だったりしたときは悠長なことは言ってられないし、なによりコストもかかりません。

編集者も作家の悪筆に悩まされることもないというのもありますね。
校正ツールもあるので、チェックするのも楽になりました。
こうしてみるとデータ原稿は手書き原稿に較べるとメリットしかないんですね。
唯一のデメリットは書きかけの原稿がアクシデントで消失しやすいことくらいでしょうか。
しかし、これは作家側のデメリットであって、編集者側のデメリットではないんですよね。
作家だって手書きよりタイプのほうが早いし、辞書を調べなくても難しい漢字が書けますしね。

そういうわけですから、もう少数派となってきたでしょうが作家になりたいならば
先行投資としてパソコンは用意してください。なにもネット環境まで必要とはいいません。
PCはなくとも携帯電話はあるでしょうからSDカードに原稿データを移してメールで送信も可能ですし。
あと投稿するなら、紙に原稿をプリントアウトするためのプリンターも必要ですが購入の必要はありません。
コピーサービス業者にはデータをプリントアウトするサービスもありますし、
プリンターを持っている友達や学校のプリンターを借用するという手もあるでしょう。
それから一太郎とかWORDのワープロソフトとかは必要ありません。
OpenOfficeなどのフリーソフトで充分ですし、そもそもプロはワープロはあまり使いません。
シンプルなテキストエディター(メモ帳など)で書く人がほとんどですから。

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最終的に記憶に残るのはキャラなんだ

今回のキーはタイトルのとおりです。

結局のところ、物語において読者の記憶に残るのは登場人物なんですよね。
登場人物が記憶に残らないのにストーリーだけ記憶に残るってことは、まずないわけです。
特にライトノベルでは、その傾向は顕著だったりします。

下世話な話、ビジネス展開をするにもストーリーではなかなか儲からないんですよね。
キャラクターなら、それこそフィギュアをはじめとしたグッズ展開が容易なわけです。
だからこそキャラの魅力を全面的に押しだしたストーリーがないも同然のエピソードを羅列した作品が
かえって人気を博したりすることも、ままあるわけですよね。

とはいえ、だったらエピソードの羅列が一貫したストーリーより優秀かというと
そういう優劣の問題ではないのですが、必ずしもストーリーは必要ないという証左にはなります。
ですからストーリーとキャラクター、どちらに力をいれるべきかというのは自明なのですが
どうもアマチュア作品はここを誤解しているのか、ストーリー重視、キャラおざなりなものが多いんですね。
実はストーリーを考えるより、キャラを考えるほうが難しいんですよね。

より正確にはごまかしがきかないと言いますかね。
ストーリーはおもしろいか、つまらないかかの境界線が曖昧なところがあって、ごまかしがききやすいんですが
キャラは魅力があるかどうかというのは明確なので、優劣がつきやすいんです。
だからといって、そこから逃げているようでは、いつまでもいい作品は書けません。
ぜひ正面からとりくんで、魅力的なキャラを作りあげてください。

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成長する人、しない人

これは作家などクリエイター職全般についてのことになりますが、
ほうっておいても成長してゆく人というのがいるいっぽうで、遅々として成長しない人もいます。
この両者にどこがちがうかというのを経験上、判断するならば、つぎのことが言えます。

仕事以外に興味や趣味の多い人ほど成長も早いし、勝手に伸びてゆく傾向があります。
逆に専門以外にあまり興味がない、関心がないという人はなかなか伸びません。

ライトノベルでいえば、そうですね、多趣味なことも必要ではありますが
文芸全般に興味のある人と、ラノベしか興味のない人では完全に成長速度がちがいます。
文芸全般に興味のある人の成長速度が10なら、ラノベしか興味のない人は1にも満たないかもしれません。
つまり、こちらで1を教えたら10以上を学びとれる人と、1/10も習得できない人にわかれるのですね。
大袈裟ではなくて、そのくらい大きく開きがあります。

より広く読むことで創作スキルが上達するという点もありますが、今回注目してほしいのはチャンネルです。
クリエイターは創造しゆくのが仕事になりますが、まったくの無から有を生みだすことはできないんですね。
なにかしら元にするもの、きっかけとなるものが必要になってくるわけですが
その元ネタをより多く持っていれば、持っているだけ有利だというのは説明はいらないでしょう。

元ネタを仕入れる情報源が1チャンネルの人と100チャンネル、10000チャンネルある人では
作品のクオリティがちがってくるわけですが、成長が遅い、停滞している人というのは
自覚しているのか、していないのかわかりませんが、チャンネルを多くする努力をしません。

たしかに1つのチャンネルを突きつめて深めることで作品のクオリティを上げることもできますが
実際のところ、大概のことは比較対象となる情報がなければ、突きつめようがないものばかりなんですね。
「比較対象をもつ=多チャンネル化」ですから、結局は同じ壁にぶつかるわけです。
たいていチャンネルの少ない人は興味ある分野においても比較検討できないので浅い理解で止まっています。

あなたは多チャンネル人間だと思っていますか?
成長する人というのは努力してチャンネルを増やしているのではありません。
自分が楽しいと思うことをやった結果として、自然とチャンネルが多くなってゆきます。

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あなたの作品を読ませたい人はいますか?

自分の作品を読んでほしいと思う人はいますか?

どこの誰だからわからない不特定多数の読者ではなく、あなたの身近な人、憧れの人、好きな人……

もしそういう人がいるなら、あなたはさいわいです。
なぜなら、あなたはなにを書くべきか、はっきりとわかっているでしょう。

もしもまだいないなら、はやく見つけてください。
誰のために書くのか、書きたいのか。

あなたは自分のためだけに書くべきではありません。

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第2回日昌晶掌篇文学賞 8月期選考結果発表

もう11月だというのに選考が遅れに遅れてすみませんでした。
今週中に8、9、10月の結果発表を行いたいと思いますが、だが、しかし!
8月の結果は不本意ながら、残念な結果となってしまった……。

【金賞(8月期月間賞)】

該当作なし


【銀賞】

該当作なし


【佳作】
『シーブ・イッサヒル・アメル』摩璃唖
『屍売り』ドン・ルイス
(以上2作品、投稿順)

『シーブ・イッサヒル・アメル』は、いかにもなファンタジー的なお話で雰囲気がよかったです。
あとはもう少し心理描写に力をいれてもらえると、その上を狙えたのではないかと思います。

『屍売り』は、着想は期待させるものが多かったのですが、いかんせん読者に伝わりにくかったですね。
文章量的に複雑な設定などは書ききれないので、イメージ先行の展開に陥らずに
もう少し読者にわかりやすくストレートに書くとよかったですね。
もっと

《総評》
金賞、銀賞なしというのは今回が初なので、佳作を繰り上げてもよかったのですが
それは他の月との公正な選考基準に反するので、心を鬼にして受賞なしとさせてもらいました。
佳作にも惜しいところで手の届かないところがあり、佳作に漏れた作品にも惜しい作品が多かったですが
いまひとつ全体的にメリハリがないというか、短いながらまとまりがついていない作品が多かったですね。
それと毎月やっていて、応募作もかなりの作品数にのぼったため、ステレオタイプ的なかぶってきました。
これからはアイデアだけでなく、先人たちとの知恵比べになってくるということで
さらに苦しくなるとは思いますが、今後ともがんばってください。

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第2回日昌晶掌篇文学賞 9月期選考結果発表

さあ、連続して9月期の発表となります。

【金賞(9月期月間賞)】

該当作なし

【銀賞】
『エルフ耳』 KAIN

ファンタジーによく登場してくるエルフをモチーフにしつつファンタジー要素のない青春の一コマというのは
なかなかおもしろい組み合わせかなと思いました。アーチェリーというのも微妙にかぶっていてよいですね。
ただ一点、金賞とまでは至らなかったのは、主人公が普通の子すぎてしまったことです。
エルフ耳にコンプレックスを持つ少女は、それだけで感じ方や考え方は自然と普通の子とはちがうでしょうし
作品として、主人公ならではの性格を前面にだすべきなんですね。
その点を改善してもらえればよりよいものになるでしょう。

【佳作】
『世界でいちばん長い物語』 雷都
『さけ』 ピロシキお兄さん
(以上2作品、投稿順)

『世界でいちばん長い物語』は、タイトルのほうが本文より長いというか、1文字だけの作品でした。
アイデア勝負ということで評価させてもらいました。

『さけ』は、情感がよく、まとまってもいました。
惜しむらくは、もう少し読者に親切に書いてもらうとよかったかと思います。
あとはかなり高等テクニックになりますが情景に心理描写を加えてくると、もっと味がでたでしょう。


《総評》
9月期は12作品の応募だったので、母数が少なかったためか、金賞はなしとなりました。
そのぶん佳作から漏れてしまう作品の傾向がよくわかってきたのですが、
叙情的なのはいいのですがストーリー性がほとんどなく抽象的な表現に終始してしまっているタイプと
もうひとつはオチがないというか、尻切れトンボでぷっつりと終わってしまっていて
最終的になにが言いたかったのか作者のメッセージ性が伝わってこないタイプの2つが多いですね。
この2つのタイプの作品に共通して言えることは、読者の立場に立って書かれていないということです。
どうしても作者の都合や気持ちだけで書いてしまって、ひとりよがりになってしまっているので
自分の作品を読んで読者がどう感じるか、おもしろく思ってもらえるかを考えて
読みかえしてみて、ぜひ推敲してみてください。それだけでも飛躍的によくなると思います。

《受賞作品全文掲載》
『エルフ耳』 KAIN

 アーチェリーの高校総体予選が始まる前。
 手首に巻いた真白なスカーフはそのままに、肩まである髪を私はポニーテールのように右手で纏めた。覗きこんだ鏡に、両耳が露わになった自分がいる。
 こうした方が集中力は高まる。だけど、この耳を人前では晒したくなかった。
 お伽話のエルフみたいに尖っている自分の耳が、私は大嫌いだった。
 似ているのは耳だけじゃない。色白の肌、色素の薄い茶色の瞳、その他全部。もちろん胸も、ない。
 うさ耳やねこ耳は持て囃される。だけどこの先、エルフ耳はないと思う。

「エル先輩、時間です」
 エルフに因むニックネーム――実はこれも嫌い――で私を呼ぶ後輩の声に慌てて髪を下し、私は弓を携えて試合会場へ向かった。あとひとつで総体への出場が決まる。

 会場に啓子先輩の姿を見つけて、私の胸は高鳴った。今年の春に卒業した、皆の憧れの先輩だ。約束どおり応援に来てくれたのだ。

 去年の夏。総体への出場は私のミスで逃してしまった。泣きじゃくる私を優しく慰めてくれたのは先輩だった。
 そして卒業式。先輩は自分の着ていたセーラー服の真白なスカーフを私にくれた。
 隅には「総体ぜったい出場」の刺繍。
「エルは耳のこと気にしてるけど、私はキュンとして可愛いと思うな」
 私の髪を撫でながら言ってくれた。
 ちょっとだけエルフでもいいかな、と思った瞬間だった。

 的の前に立つ。先輩のスカーフで髪を縛る。露わになった耳に、恥ずかしさで震えそうになる。けれどそれを乗り切るとどうなるか、私にはわかっていた。

 刺繍の下に並んだ、啓子のKとエルのLの二つの文字。
 先輩は髪を優しく撫でた後、歌うようにABC……と続けた。
「アルファベットだといつも隣同士でしょ? だから試合中はいつも――」

 ――先輩が隣にいてくれる、そんな気がした。
 だんだん集中力が高まっていく。何も聞こえなくなっていくエルフ耳。スカーフと同じに気持ちが真白に洗われてゆく。
 私は矢をつがえ、弓を引いた。

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主人公に読者を共感させる

今になって小説版『機動戦士ガンダム』全3巻を読んでみたのですが、
噂どおりアニメ版とは大きくちがっていましたね。

ストーリー的には作者がやりたかったことをぶちこんだのが小説版だったようなのですが
う~ん、やっぱり視聴率不審で打ち切りになることで物語が引き締まったように思うので
改めてよかったなというのが素直な感想です。

いまさらネタバレもないでしょうから書いてしまいますが、
ニュータイプに覚醒したことでシャア大佐とキシリア少将にホワイトベースクルーまで共闘して
サイド3にいるギレン総帥を討つとか、なんかしっくりこないんですねよね。
しかもアムロはクライマックス寸前に活躍シーンもない脇役にガンダムを撃破されて戦士しちゃうし……

それにしても主人公のアムロ・レイの描写が現在のやり方からするとひどいんですよ。
シャアの侵攻で家族を失った隣の家のフラ・ボウに好きとか告白しておいて
軍人ではないフラウがルナ2に残ることになると、今度はセイラ・マスに言い寄る始末。
まんまとセイラに筆下ろししてもらって童貞を卒業したアムロはすっかり精子脳に覚醒。
ガンダムのコックピットからモニター越しに一目見ただけのララァに欲情してしまうわ
ララァのつぎに登場するジオンのニュータイプのクスコ・アル(小説オリジナル)をベッドに誘うも
すんなりOKされてしまい、逆にびびって逃げてしまうとか、それでいてセイラとはやりまくりの日々。
そしてあっさり撃墜されて死ぬと幽体離脱して最期に会いに行くのはフラウ・ボウのところとかね……

まあ、ブライトはミライを部屋につれこんでるわ、カイはお守りと称する女性の恥毛を見せびらかすとか
もう連邦の風紀は乱れきっているのが、この小説版ガンダムなんですよね。
ちなみにカイ・シデンはお守りを持っていたので、ホワイトベースのパイロットでは唯一生き残ります。
アムロはセイラからお守りをもらおうとするも拒否されたので、あえなく戦場に散ると。お守り効果絶大!
なぜか最終シーンは海辺でセイラが全裸で泳ぐシーンで終わるというのも意表をつかれましたけどね。

そんな作品なわけですが、いやね、この当時の主人公の捉え方というのが、
まだ前時代的だったんだなと思うわけなのです。
アムロという主人公は小説の読者である中高生の理想のかたちで描かれているんですね。
ちょっとちがうかたちはちがいますが「モテモテのヤリまくり」なわけです。
今も昔も中高生なら憧れないはずがない設定なわけで、アムロになれるものなら代わってもらいたいはずです。
しかし、今の感性で考えると、まったく共感しないんですよね、この精子脳アムロには。
共感するより、イヤなやつ、友達になりたくないやつになってしまっているわけです。

しかし当時はこういうタイプの主人公が主流だったんですね。
アムロは過渡期のキャラなので、多少とも読者の等身大的な鬱屈した性格だったりしますが
これより溯ると、完全無欠のヒーロータイプなんですよね。
アメコミでも悩めるヒーローが登場するのは、ガンダム以降の日本アニメの影響を受けた80年代以降で
それ以前は日米とも、そういう人物になりたいと憧れはするけど、友達にはしたくない、
そういう主人公像ばかりだったのですね。

では、今はどうかというと……みなさんはどう考えていますか?
より読者に共感してもらい、かつ同時に憧れてもらうためには、主人公造形をどのようにすればいいですか?
そのアプローチを意識的に自分の作品に導入してますか?
あえてここでは正解を書かないので、各自で考えて実践してみてください。

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