L'Anovelién

UNO=日昌晶

Author:UNO=日昌晶
日昌晶(ひよしあきら)
小説家にして作家デビュー請負人、ストーリーコミュニケーションコンサルタント
原稿執筆や講演・講義、オタクビジネス・マーケティングのコンサルティングまで幅広く活躍中!
 unokyokai@gmail.com

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ライトノベル創作教室ラノベりあん 中二病でも書けるライトノベル教室♪

小説の楽しい書き方講座ブログ 毎週開催の創作塾と連動中!

ラノベ創作塾日誌~本当に自分の書きたいこと、わかってますか?

今回も最速!ラノベ創作塾の経過報告です。

先週と今週と王道、ベタについて塾生がどういう認識をしているのかなどについて探りを入れつつ、
どういう方向性を目指したいかといったところを模索して、それに適した指導をめざしていきました。

課題としては、ベタでいいから自分のやりたいことを明確にして、それをプロットなりキャラ設定にまとめて
それを提出してくれということでしたが……最初から意図をちゃんと理解してくれる塾生はいませんでした。
だからこそどう直すべきかを指導して再提出してもらったんですが、それでもうまくいかない人はいかないようです。

こちらとしては塾生であるあなたが「本当にやりたいこと、書きたいこと」を示してほしい。
そこを太字にするなりして自覚して書いていってくれということを何度も言っていたわけですが、
太字になっている部分をについて私が「これが本当に書きたいこと?」と質問しますと
「いえ、ちがいます」と回答されちゃうんですよね……
「じゃあ、どこにやりたいことが書いてあるの?」と質問し直すと、ここには書いてませんとか言われてしまうと
私としても閉口せざるをえないという事態になってしまい、指導が停滞してしまうことになります。

なぜこんな情けない事態になってしまうのか?
すごく大事な点なんですが「本人がわかってない」という致命的な理由なんだなとわかってきました。
実は「この作品で、作者であるあなたは何を書きたいの? どういうクライマックス、ヤマ場のシーンを読者に読ませたいの?」と
抽象的な質問をしても、どうも理解しかねるようで塾生たちはぽかんとしてしまうか
トンチンカンな返答をするかになってしまうわけです。
こちらで「あなたが本当にやりたいことはXXXXXじゃないの?」と誘導尋問してあげると
「はい、そんな感じです」みたいな返答が得られるわけですが、たぶん言われるまで本人はわかってなかったというか
ぼんやりと認識していただけで、自分のやりたいことを言葉として表現する力をまだ身につけていないんですね。

「自分のやりたいこと」を明確にするというのは基礎中の基礎なのですが、実はかなり高度な表現力を必要とします。
なので出来る人は言われなくても自然にできてしまうけど、出来てない人はなかなか理解するのも難しいようです。
事を進めるときには創作や執筆に限らず、自分が何を目指すべきかという目的と指針は必ず必要です。
とはいえ普段の日常生活においては、たいてい目的というのはわかりきっていたり他から押しつけられたりするので
自分で目的を考えるという経験は意外と少ないんですよね。でも創作はそれこそが最も大事なことのひとつなのです。

たとえば「ラブコメやりたい」とか「主人公の成長物語を書きたいです」ということが、
やりたいことを明確にすることだと誤解されてしまうのですが、これは「推理小説が書きたい」程度の
「ジャンルを絞った」だけでの話で「自分のやりたいこと」ではないということをわかってほしいです。
「どういう主人公たちで、どんなラブコメがやりたいのか」あるいは「主人公がどんな成長をする物語」なのか
少なくともそのあたりまではっきりさせないでは方向性が揺らいでしまって後々ブレブレになってしまうわけです。

塾生にも「どんなラブコメ」とか「成長って何?」とか質問してみると、たいていは考えてません。
なんとか言い繕うように漠然とした返答しかかえってこないんですね。
たとえば「美少女との恋愛をからめたラブコメ」とか「成長とは大人になること」なんて返答をされてしまうと
たいていの男性向けラブコメのヒロインは美少女だし、成長すればたいてい大人になりますよね。
で、突っこんで「どんな美少女?」、「大人になるってどういうこと?」と質問すれば、そこまで考えてませんと……

と、ここまで嘆き節になってしまいましたが、じゃあ、どうすれば改善できるかを最後に教えましょう。
今まで生徒を数百人教えてきて感じたのは、できない人ほど「深く考えない」ということです。
どういうことかというとキャラ設定で「困ってる人をほっておけない」と書くことで満足してしまうような人ですね。
少なくともこう書くなら、もう1段、できれば2段深く突っこんで書けるかどうかで実力がわかります。
「困ってる人をほっておけない」というなら「どうほっておけないのか」というところまで考えるのです。
同じ「ほっとけない」にしても「やさしく寄り添って見守ってゆくタイプ」もあれば「強引に介入してひっかきまわすタイプ」もあります。
で、この両者のちがいは全く正反対のキャラ設定であり、ストーリーを根本的に変えてしまう可能性があります。
なのに「ほっとけない」だけで終わらせてしまうというのでは、キャラもストーリーもどうとでも受け取れるわけですから
私がよく使う言葉として「これでは何も書いてないのと同じ」ということになります。
たとえるなら「どんな顔?」と質問されて「目が2つ、その中央に鼻があって、鼻の下に口があって……」みたいな
当たり前で特定するのにほとんど情報をもたらさないようなことを書いているようなものなんですね。
そこで「もっと深く、突っこんで説明して」と要求すると「鼻の下2~3センチに口があり、眉毛の長さは1センチ……」
といったトンチンカンな返答をしてしまう人が予想以上に多いんですよね。
こういう喩え話を聞けば、そんなアホはいないよと思うかもしれませんが
性格設定なんかを書いてもらうと10人中8から9人は似たような愚をおかしているので必ず我が身を振りかえってください。

とにかくキャラ設定のときは、とってつけた記号的な設定にとどまらず、より深く人間性を追求するところまでよく考えてください。
そして自分では深く人間性を追求したと思っていても、実は全く追求してないことが大半であることも理解しておきましょう。
ここまでできるようになったほんの一握りの人だけが小説を書く第一歩を踏みだしたことになるのです。
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ラノベ創作塾日誌~現在までの進度について

世間では夏休みに突入します。
作家志望の学生にとっては、一気に執筆をすすめたい季節ですね。
しかし最速!ラノベ創作塾には(とりあえず)夏休みはありません。毎週水曜夜に渋谷センター街で開催しています。

今回は体調不良で遠藤さんが欠席となり、塾生は3人でした。
今週提出してもらう指導のたたき台となる課題は進度の差によって3人とも別々でした。
赤川くんには、ベタでもいいので自分のやりたい作品のプロットの改稿とシーン描写の追加。
石田くんには、自分が本当におもしろいと感じた作品の読書感想文。
上野くんには、シーン描写の改稿とベタでもいいので自分のやりたい作品のプロットの改稿。

シーン描写にといては後回しとなりまして、改稿プロットについて今後の方針やどうすればいいのかを
指導するだけで時間が来てしまったので、次週に回すということになりました。
そうですね、進度はゆっくりではありますが、理解度も増して進んでいっているように思います。
赤川くんについては、ベタ設定の「最大公約数」的な設定については、だいたい把握している感じですかね。
ただベタにしても最大公約数では、特長がなく、印象も薄くなってしまうのでベタなりにも、その作品の特長となる部分、
つまりとんがった部分を次回以降見つけていってもらうことになりそうです。
上野くんについてはプロットについての練り方についてのアドバイスが中心でした。
どうしても小説には不向きな設定だったり、キャラが立たなかったり、設定に矛盾が生じてしまうなど
考えているうちに思考の迷宮にハマってしまっているようなので、その出口を探す方法がメインでしたね。
着想についてはインスピレーションが大切ですが、それを物語にするには理系的なロジックな展開が必要なんですね。
わかる人にはわかると思いますが、物語を構築するのは数学の証明問題にちょっと似ています。
問題は石田くんなのですが……既存ラノベの読書感想文という形式にして自分や読者がおもしろい感じているものを
言葉にしてぶつけてもらおうという意図だったわけですが、提出された課題はどう見ても評論文……。
作品に対して一歩退いてしまっているんですよね。作品に対するパッションを求めているわけですが、どうも難しいようです。
もともと石田くんがおもしろいと思っているポイントというのは、一般読者にとってはかなりどうてもいいところであり
一般読者がおもしろいと思うポイントというのは、石田くんはまったくもってスルーなんですね。
前にも書きましたが、どう作品をたのしもうがそれは個人の自由であります。
しかし商業作品をめざすのであれば、多数の読者がおもしろいと思うポイントをおさえていなければなりません。
これに加えて心情に対する表現力が乏しいこともあり、これまで進展はほぼゼロという結果となっています。
今後、自分の思いを殺してでも、より多くの読者と同じ目線を獲得できなければ、残念ながらこれ以上の成長は期待できません。

そんな塾生を指導している私としても教え方をより工夫してゆかなければなりません。
才能のある人というのは、そんなに教えなくても勝手にどんどん成長してゆくので楽なのですが
顕著な才能はない凡人には努力がなにより必要で、その努力の方向さえ正しければ
いずれ目標に到達するということを前提に指導してきたわけですが、その正しい方向を示すにも
その方向指示を理解してもらえないと先に進めないんですよね。
そしてやっぱり4人とも努力がまだまだたりません。
執筆活動以外で忙しいのはわかりますが、課題をこなす量も決定的に不足しています。
このままの努力量での進度だと1次通過レベルに達するのに3~5年くらいかかるでしょう。
そして2次通過には10年以上はかかるでしょうし、最終選考に残るのが早いか寿命が尽きるのが早いかの競争になりそうです。
もし1年ないし2年でデビューまでいきたいなら、今の20倍の努力は必要です。

そうでなくてもライバルの中には才能に恵まれていれば初投稿で受賞する人なんてザラな世界ですので
これを努力だけで補って戦わなければならないのですから大変なんです。
実際、私なんかもライトノベルなんてほとんど読んだこともないのに書店で2冊ほど買ってきて読んでみて
だいたいこんなものかなと書いてみた初の長編小説がちゃっかり受賞してしまった経緯があります。
(私も含めそういう人はデビュー後に苦労することになるわけですが、それはおいときます)
そういう人はどういうふうに書いているかというと、今指導しているような基本は教えられなくても既に身についてます。
子供の頃からアニメや漫画、映画、ドラマをみてきているから、どういうふうに物語を作ればいいのか
説明されなくても経験則としてわかっているんですよ。たとえるなら囲碁将棋でいう定跡(定石)みたいなものです。
こういうシチューションにこんな登場人物が遭遇したら、たいていこういう行動をとるみたいな定番となる例が考えなくても
ほぼ自動的に過去の作品から容易に数パターンほど想像することができるんですね。
だから、これに流行を加味してオリジナリティを付加するだけで自分の作品を作ることができます。
そういうわけだから他の人もそういうものだとばかり思っていたわけですが、実はちがったみたいなのです。
私が講師をはじめてわかったのは、実はそういう人はかなり少数派であって、私よりもずっと多くの作品に触れていても
物語がどういうふうに出来ているかについては何も学んでこないこと。ただおもしろがって消費しているだけなのです。
とはいえ学んでこなかったものは仕方ないので、改めて教えてゆくしかないわけです。
しかし幼少から長年かけて実生活と深く結びつきながら学ぶべきものが、そう簡単に身につくわけはありません。
だからこそ人一倍努力して欲しいのですが……さて、今後の塾生たちのがんばりに期待しています。

ラノベ創作塾日誌~王道(ベタ)を身につけろ!

あっというまに7月も終わりそうですが、最速!ラノベ創作塾は続いています。

塾生には最近、ベタや王道について考えてもらう機会を増やしています。
当初はだいたい理解してもらってるかなという前提で、そのうえで魅力的なキャラを作ろうということで指導していたわけですが
実のところ全員がそこまで達していないということで、まずは基礎固めということでやっていっています。
とはいえ課題について話していてベタや王道というものをちょっと誤解しているのかなというところもありました。
ベタとか王道路線というのは、実際にはすでに手垢のついたオーソドックスなもの、それでいて今も安定した人気がある。
そこまでは、みんな理解しているとは思うのですが、どうも勘違いしているポイントとしては
「ベタでいいから考えてみて」というのを「よくある設定のツギハギ」だと思ってしまってるようなんですね。
そのため前回も書いたように出来る作品は他の作品でよく見かける最大公約数的な設定になってしまうわけです。
そうではないんですね。あくまで王道とかベタというのは、囲碁将棋でいうところの定跡、定石のようなもので
ある意味、先人の経験と研究によって辿りついたものであって適当な寄せ集め設定ではないんですね。
そこをなんとか理解てもらわないと、バカにされがちなベタ設定ですら書けるものでもなくなってしまいます。

そして特にベタで重要なのは、設定的なものではなくシチュエーションです。
ベタというと舞台設定やキャラの属性なんかをイメージする人も多いようですが、実際にはあまり応用が効きません。
ベタでもっとも応用が効き、効果があるのはシチュエーションなんですね。
またかよと読者は思いつつも、こういうシーンを心待ちにしているものです。その典型例が時代劇ですよね。
やっぱり最後の斬りあいの殺陣はワンパターンなのですが、ないと締まらないわけですし、
たいてい縦に入る直前には善人や弱者が悪者に無残に殺されてしまうのもまたお約束です。
そう、ベタの中でも必ずいれなければならないのが「お約束」になるわけです。

さて、次の課題ではもう一度、新規プロットを書いてもらうことになっていますが
こういったベタを踏まえて、読者を楽しませるようなものになっているかどうかが試されることになります。
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