L'Anovelién

UNO=日昌晶

Author:UNO=日昌晶
日昌晶(ひよしあきら)
小説家にして作家デビュー請負人、ストーリーコミュニケーションコンサルタント
原稿執筆や講演・講義、オタクビジネス・マーケティングのコンサルティングまで幅広く活躍中!
 unokyokai@gmail.com

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ライトノベル創作教室ラノベりあん 中二病でも書けるライトノベル教室♪

小説の楽しい書き方講座ブログ 毎週開催の創作塾と連動中!

決定版!あらすじの書き方の要点

創作塾の塾生にもプロットで「あらすじ」を書いてもらうことが多いのですが、一般的にも新人賞の投稿作品においては
原稿用紙換算で数枚のあらすじを添付するのが決まりとなっているので、今回は改めてあらすじの書き方の要点を考えましょう。

まず、よく指摘されるのは「あらすじ」というのは作品の冒頭から結末までを書きましょうというものです。
これは本のトビラや背表紙に書かれた「作品紹介」と勘違いして途中までや導入部までしか書かない人がいるのです。
そういう人は論外なのですが、結末までを書いたとしても、それで良いあらすじになるかというとそうではありません。
今回は、一歩進んで、どういうふうに書いたら、より読み手が理解しやすいものになるのかを考えてみましょう。

【1】均等に書かない!
まず何よりも注意しないといけないのは、素直に元になる作品の最初から最後までを圧縮してしようなどと思わないことです。
それをやってしまう人が凄く多いのですが、1冊分の文章量を原稿用紙数枚にまとめるなんて簡単にできませんし、
そんな代物を読ませて本文が魅力的なものであるとアピールするのは至難の業です!
そう、あらすじとは読み手に本文がいかにおもしろいかをアピールするためのものです。内容の解説ではありませんよ!
ですので、あらすじには書くべきところと書かないでもいい部分とに分けましょう。
ここを読んでほしい、ここがこの作品の肝なんだという部分は文章量を割いて、それほど重要でない部分は省略する。
そこの見極めとメリハリをつけることが大切なのです。もちろん、それでいてストーリーを追えることが前提ですよ。
ストーリーとして意味不明なあらすじは何の価値もありませんからね。

【2】どこが重要なのか?
では、実際にあらすじとして重要なところと、そうでないところとは何かを具体的に考えてみましょう。
一般的に最も大事なのは「主人公」がどんな人間か、そして物語の中で何を為すのかです。そこが肝心です。
いくら作者がお気に入りの脇役がいたとしても文字数制限がきついようなら割愛してください。
そして主人公について限られた文字数で書くなら肩書・経歴やら容姿については最低限度に留めおき
いったいどういう性格で、いかなる行動規範を持っているのかといったことを書いて従来作品の差異を強調しましょう。
特にライトノベルのような作品においては主人公のキャラクター性を短い文章でいかに紹介できるかが鍵となってきます。
もちろん、ここでいう主人公とはカバーイラストに大きく描かれるほうのキャラですよ。
たいていの男性向けラノベなら主人公は美少女です。その相手役となる少年はどちらかというと「語り手」です。
例として『シャーロック・ホームズ』の中で「私」と一人称で表現されるワトスン博士が作品の主人公でないのと同じです!

【3】ヤマ場に合わせて起伏をつける
単なる縮約版として均等に書かないためには、もうひとつ重要なのはストーリー内に含まれる複数のエピソードにおいても
省略できるものはバッサリと斬ってしまって、根幹となる部分のエピソードのみ抽出してストーリーを見せるのも技術です。
各エピソードにはそれぞれ役割があります。ストーリーを構成するために積みあげられるべきものとは別に
物語に深みを与えるものや、ちょっとした緊張の緩和のために遊び心をいれたもの、そしてキャラの魅力を表現するものなど
たいていは複数の要素を持っていて単一目的ではないにしても、それぞれ主目的というのがあるわけです。
そういうことを理解して書くのは基本なので、それを意識していないというのは論外なのですが、ちゃんと意識して書いてあるなら
あらすじで書くべきエピソードはストーリーを追う上で必要不可欠なものだけでよいのです。
キャラの魅力については、あらすじの冒頭で簡潔に説明してありますし、遊び心を入れる余裕はありません。
ですからあらすじを書くと、作品内で100ページ超の内容が数行あるいは完全にスルーされている箇所もあれば
ほんの数ページの箇所が全あらすじの30%を占めている部分があってもおかしくないのです。
読み手に理解してもらうのに必要な部分は可能な限り多めに、そうでないところは極力減らすのがあらすじの基本です。
初心者の場合だと、どこを削れるかということを考えるところからは始めましょう。

【4】作品のウリを明確にする
上にも書きましたが、あらすじとは小説作品という商品の宣伝材料、プレゼン資料なのですから
客観的、俯瞰的に説明するのではなく「ここを読んでくれ!」「これが俺の言いたいところだ!」というのを明確に主張しましょう。
とはいえ作者の思想を主義主張を訴えかけろというのではないので間違えないようにしてください。
たとえば「友情」がテーマであるなら、やはりこの作品において真の友情とはどういうものかを物語を説明する中で
はっきりとわかるようなかたちで書いておくと、とかく流し読みになりやすいあらすじを読む上では好都合なのです。
またはこの作品のウリはテーマとかそういうものは関係なく「迫真のバトルだ!」とか「超絶エロシーンだぜ!」というのであれば
そのシーンをそのままあらすじに書くことはできませんが、そういうところがウリなんだと理解してもらえるよう工夫しましょう。

【5】良いあらすじが書ける作品はおもしろい作品
上でも何度か言及していますが、良いあらすじを書くには、そもそも良い作品でないといけません。
おもしろい作品のあらすじをつまらなく書くのは容易ですが、つまらない作品のあらすじをおもしろく書くのは至難です。
ちゃんと本編において物語の構造をよく把握し、それを巧いこと実践できていれば、あらすじを書く段階になっても
どこを抜き出し、どういうふうに説明したり強調すればいいのか、それほど悩まずに書けてしまうものです。
そういうふうにならないということは、そもそも本編からしてちゃんと出来ていないわけで最初から無理ゲーなのです。
腐った食材を一流シェフの腕前で料理しようと食べられないゴミしか作れないのと同じです。

ですから逆に考えて、おもしろいあらすじを書いてから本編を書くとミスしてやり直す労力も少なく最も効率的です。
そしてこれを一般にはプロットと呼んでいるわけですね。つまり上の要点を守ればプロットも書けてしまうわけです。
とはいえ良いあらすじ、プロットを書くためには小手先のテクニックよりも物語構造への深い理解が前提となります。
今まで学習してきたもの、体得してきたものを最初に試される場があらすじでありプロットなのです。
軽視せずにがんばって挑戦していってください!




一段深い設定をすると、物語の幅も拡がるという話(1)

今週の創作塾でのことで気になったのですが、どうも女性陣のプロットがいつもいつも王女様と王子様しか出てこない……
たしかにそういう傾向の作品が受賞していますし、売れてもいるのでしょうが、どうにもこうにも画一的で陳腐なんですね。

で、どういうことかと考えたのですが、ストーリーのメインディッシュは王女と王子のラブストーリーなわけですが
そうしますと、ふたりが結ばれるまでの紆余曲折の物語が描かれることになります。
そこで出てくるのが「謀反の話」か「隣国が攻めてくる話」のほぼこの2パターンしかないというのが
長年、創作指導してきた経験則だったりします……本当に驚くくらいそればかりなのです。

とはいえ、それらは王道路線ですから、それもまたいいでしょう。
しかし、指導の一環としてそれを踏まえて突っ込んだ質問すると、その先をまったく考えていないのですね。
つまり「隣国が攻めてくる目的」とか「戦後どうするつもりなのか」ということをほとんどの女性作家志望者は考えていません!
思い当たる人はよく考えてみてください。
チンギス・ハーンとかアッチラみたいな騎馬民族でも限り、そうそう安易に戦争なんてしかけませんよね。
第一、戦争は仕掛ける方も一大事です。なぜならとてつもなくお金がかかるからです。

たとえば1905年の日露戦争の借金を日本政府が返済し終わったのは、ちょっと前の1981年だったりするわけです。
兵隊は徴兵するにしたって、それに武器や防具を与え、一定期間の訓練を施さないといけないし
さらには一度、集めてしまえば部隊を解散するまで数万、数十万の人間を養うだけの食糧を用意しないといけない。
加えて農民を徴発してしまうと、農業生産力はそれだけ落ちますから国の収入も減ってしまいます。
いっぽうで古代ギリシアの重装歩兵や中世の騎士、鎌倉武士のように有産戦士階級に頼った軍隊にするにしてもです。
中世騎士も馬と甲冑を自前で用意するだけで、ちょっとした城が買えるほどの出費が必要だったんですね。
日本でも大鎧だけで現在の価値で約一千万円くらいの値段がしたとかいうくらいです。
これに加えて数人の従者を伴って戦地まで赴く旅費や交通費、飲食費などがかさみますし
さらに騎士の場合、敵の捕虜にでもなったら身分に応じた莫大な身代金を支払わないといけなくなるわけです。
農民兵にしろ騎士にしろ国王に「さあ、戦争に行ってこいや!」といわれても、そう簡単にはいかないんですね。

じゃあ、それだけの莫大な金額を費やしても戦争をする目的って何ですか?
少なくとも「なんとなく征服してみたいかな」とか個人的な怨恨程度の理由じゃないですよね。
戦争をするということは敗戦するというリスクを冒してまで遂行するだけのリターン、つまり金銭的利益があるからです。
じゃあ、その利益って何なのか考えてますかというと、たいていの人はプロットの段階で考えていないし、
ついに作品を書き終わっても、そんなことは一行も書いていないし、そもそも考えることすら思いもよらないのです。

じゃあ、実際に戦争や侵略をする理由ってなんなのか実際の歴史などを参考にして調べてみましょう。
たとえば肥沃な土地や鉱山の掠奪、通商の要衝確保、安全保障(やらないとやられる)など多岐にわたるでしょう。
時代や地域によって戦争をする理由も様々だったりします。
同じく謀反を起こすにしたって戦争と同じく理由がありますし、裏切る味方を募るにしても利益を示さないといけません。
王様がムカつくから殺してやろうとかいうのは、もうイカレポンチか原始人かということになってしまいますよ。

で、ここでまた考えて欲しいのは、あなたの作品の王女様の住む国はどういう国なのかということです。
上では戦争を起こす理由を考えてみましたが、じゃあ戦争がないときはどういう国なのかも考えておきましょう。
たいていの作家志望者の考えている国というのは、もうディズニーに出てくるようなメルヘンなおとぎの国レベルだったりします。
グリム童話みたいなストーリーなら、そういう設定でもいいでしょう。
でも、隣の国との戦争やら大臣の謀反やらが起きるようなストーリーでそれはマズい!
たしかに男性作家志望者のように設定しすぎて書き込みすぎてもよくないけれど、書かないまでも考えてないのがダメです。

そして大半の作家志望者が考えていないから、いつも同じような安直なストーリーやエピソードしか出てきません。
謀反を起こすにも国王を排除して自分が成り代わりたいだけみたいなことをいつまでもやっていては成長できません。
王を裏切るにしても自分自身や諸侯、国民に示す大義が必要だし、協力者には利益を約束しなくてはいけませんよね。
大義をどうやって示して説得するのか、また協力者を買収するための金の工面や官職の保証はどうするのか?
そして裏切りに成功した暁には前王一族にどのような処分を下し、簒奪者はどのような統治を行うのか?
細々としたところでは前王派残党掃討や、謀反の協力者ではあっても後に禍根となりそうな人物の粛清も必要です。
他にもいろいろとやらないといけないことは雑多です。

こうして、ごく当たり前に順を追って考えていくと、当然いきつくであろう疑問というものがあるはずです。
でもだいたい95%の女性作家志望者は、この程度の当たり前の疑問をスルーして物語を書こうとしてしまうため
薄っぺらいスカスカの内容、ファンタジーといえどもリアリティがない、最悪なことにワンパターンというドツボにはまっています。

世界史などから仕入れた知識として、ある程度は細かい設定や一段深く突っ込んだ設定を考えられる人というのは
その設定や疑問から今までにはない新しいアイデアを思いついたり、オリジナリティを出すことができるわけです。
これを考えられない人は、いつも同じアイデアしか出ないし、ひたすらテンプレの内容しか思いつきません。

長くなったので、この続きは次回に。
次回は、じゃあいったいどんなことを設定するとよいのかということを具体的に考えていきましょう。




一段深い設定をすると、物語の幅も拡がるという話(2)

前回の続き、特に女性向けラノベ作家志望者が陥りやすい欠点についての考え方のちょっとしたアドバイスとなります。

前回では女性作家志望者はファンタジーのプロットを考えてもらうと「謀反の宮廷陰謀」と「隣国の侵略」ばかりで
しかもこれらを深く考えていないので、たいていワンパターンであり従来作品や他のライバル投稿者の作品と差別化できないため
なかなか成長できないままになってしまっているというお話でした。詳しくは前回分のエントリーを読んでください。

それでは今回は、ならば「ファンタジー作品」を書くときに設定として頭のなかで考え、整理しておくべきことを挙げていきましょう。
とはいえ、実力のある人であれば言われなくてもやっているものです。できていなかった人は一層の精進をお願いします。

まずファンタジー世界、ここでは特に多い「西洋風ファンタジー」の俗に「中世ヨーロッパ風」と呼ばれている
一般的な世界をベースに考えてみたいと思いますが、ここで最も注意しないといけないのは女性向けファンタジーの99%以上は
実は「中世」ではなく「近世」をベースに構築された文明レベルだということをしっかりと理解しておきましょう。
具体的にはヨーロッパでいうところのルネサンスから産業革命前までの世界ということですね。

実際の中世というのは「暗黒の中世」と呼ばれるくらいで、古代ローマ帝国の高度な文明を蛮族の侵攻により失ってしまい
その蛮族たちが築いた粗野で野蛮、不潔な文化レベルと、キリスト教への苛烈な信仰により精神を支配された世界です。
王族も貴族もほとんど文字を読めませんし、とにかく暴力的なほど英雄とされてしまう気風さえありました。
疫病と飢饉が蔓延し、異教や異端宗派は皆殺しが日常ということで、日本の作品では少ないですが通常「ダークファンタジー」と
分類されるジャンルの作品に近いのが実際の中世なんですね。でも、あなたの作品はダークファンタジーではないはずです。

王侯貴族があるそこそこの教養を持ち、宮廷騎士が王宮に侍っているような世界観は、だいたい近世前半の文化レベルです。
もともとメルヘン、童話、騎士物語といったものが創作されたのが近世になってからで、そのときの世情を反映されているのです。
中国でも『水滸伝』では【宋の時代】の史実を脚色したものですが、文化や習慣は執筆された【明の時代】のものとなっています。
当時の人は時代考証ということはあまり関心もなかったので、そういうふうになっていったのです。
史実に忠実にやる必要は微塵もありませんが、そういうことを前提となる史実を知っているのか知らないかは
物語を創作するにあたってアイデアをひねる際に大きく影響してきますよ。歴史にはアイデアの種が無尽蔵に埋まっています!
ではさっそく、あらかじめ創作前に考えておくべきことを項目としてみていきましょう。

まずは基本的なところから【地理】です。
その国が沿岸にあるのか、内陸にあるのか、はたまた島国なのかといったことですね。
国の地理により経済産業や軍事、文化などは大きく変わっていきます。
さらに内陸国でも平野が多い土地と山岳地域では、産業構造や人口の数なども違ってきますよね。
フランスのように肥沃な平野の国であれば大きな人口を抱えられるので大国になりやすいわけですが
スイスのように険しい山岳地帯であれば農業が発展しにくく結果的に人口も少なくて貧しくなります。
あるいは、よい港があれば異国との貿易で発展できるわけでイタリアの都市国家のように小国でも豊かになるでしょう。
基本的に経済的に豊かな国ほど文化や文明は進歩し、貧しい国はそれほど文化は発展しにくく素朴になります。

つぎに地理と同じく【気候】も大事な要素です。
温暖な国であれば農業が盛んになりますが、ロシアのような寒冷な国では大国であっても農業に適しません。
また寒冷地法は農業で自活できないため、モンゴルやバイキングのように掠奪を生業とする部族や国家となりやすいですよね。
スイスのように時計産業が成立するまでは他国への傭兵派遣が収入を得る唯一の方法だったような国もあります。
そして傾向として快適な気候ほど宗教は多神教となり融和的な教義になりますが、砂漠や寒冷地で発生する宗教は
自然の厳しさをそのまま神格するためとリーダーの重要性が高まるので、厳しい戒律の一神教になりやすいなど
その土地の習慣や気質などにも大きく影響を及ばしていきます。
南国の人が一般的に怠惰なのは家の裏山に行けばパパイアやマンゴーがいつでもあるし、海には魚もたくさんいるから
特に仕事しなくても生きていけるからであり、そのため文明を進歩させる必要もないので原始的に留まりやすかったりします。

そのつぎに【国家体制】についても考えておきましょう。
たいていの場合、「国王」がいて、その子弟の「王子」や「王女」が主人公の物語が多いわけですが、実際その王様は何者なのか?
そこのところをしっかり考えている女性作家志望者には未だ出会ったことがありません。
まず「王政」であってもどういう王政が存在するのか知っていますか?
中華皇帝やルイ王朝のような中央集権的な絶対王政もあれば、議会が優先される英国や日本のような立憲君主制もあります。
または実権もなければ統治する土地もなく、有力諸侯の選挙で選ばれる神聖ローマ皇帝なんてものも存在していました。
あなたの作品においては文明レベルは近世となっていますので、国王が直接政治をとりしきる親政というのは現実味がありません。
中世であれば封建制により王と諸侯・騎士は契約の上に主従関係を結びましたが、基本的にゆるい関係であり
王もまた絶対的に強者ではなく、かえって他の諸侯ほうが強い場合もあったので国の統治は不安定でした。
つまり王のやりたいようにやれないわけで、配下の有力諸侯や騎士たちの言い分を聞かないと反乱を起こされてしまうのです。
よって隣国の侵攻というのがあったとき、有力諸侯が裏切ることも多く長期間の乱戦になりがちなんですね。
そういう世界観でやりたいなら百年戦争や薔薇戦争などを参考にしてみてください。

さて、上記のような古い封建制を覆したのがフランスの太陽王ルイ14世で、国家の権力を国王に集中させることに成功して
今まで地元の領地で武装していた諸侯や騎士たちを王宮に集めて近くに暮らさせ、その軍事力を削いだわけです。
日本でも徳川幕府が天下統一を果たした江戸時代になってからは参勤交代というのがありましたよね。それと似ています。
これと前後して今まで諸侯や騎士に頼った少数精鋭の軍隊から傭兵や国民兵など大兵力動員が可能になっていきます。
こうなると騎士たちの存在意義が薄れてしまったため、騎士が懐古趣味で作らせたのが今に残る騎士物語の数々です。
とはいえ最初に国民兵を導入したのはナポレオンなので、あなたの作品ではちょっと進歩しすぎかと思いますから
ここでは騎士から傭兵へと軍隊の主役が変わったくらいの雰囲気がちょうどいいのかもしれません。
一口に「傭兵」とはいえっても日本のよくあるファンタジー的な傭兵と史実の傭兵はまったく異なる存在なので注意してください。
史実の傭兵というと犯罪者やゴロツキをはじめ、数合わせで誘拐された農民や乞食も多数含まれているので
お世辞にも立派なものでありません。ただし傭兵隊長クラスだと貴族の庶子(私生児)や騎士くずれが多かったようです。

あと、このくらいのレベルの文化レベルにおいては、通常は合議制なり議会制が発展していって
王様も議会の承認なしには好き勝手な政策で国を動かすようなことはできなくなってきています。
それ以上に国家の予算や施策などの規模や複雑さから国王がひとりでどうこうできるレベルでもありません。
しかし実際に独りでやろうとしたのが後醍醐天皇の「建武の新政」で、結果的に大きな混乱を招いて失敗したと習いましたよね。
また大臣職も貴族だけではなく王の任命する大商人など民間登用も多かったので、ますます権力とカネ、軍事は国王に集中し
中世の頃とはうってかわって王と貴族たちとの権力の差は広がってゆく時代でもありました。

今回は大枠のみではありましたが、このくらいにしましょう。次回は国を動かすために必要な経済や産業について書く予定です。
国によって収入を得る方法はいろいろ異なりますし、収入のことを考えていないでの国家運営もありえません!

一段深い設定をすると、物語の幅も拡がるという話(3)

さてさて、このシリーズも長くなりましたが、あと2回で終わらせたいと思います。

前々回は主に【軍事】などについて、前回は【地理】【気候】【国家体制】の4項目について考えてみようというものでした。
今回の第3回目は【産業】【経済】【流通】を、次回は【技術】【文化】【宗教】の6項目について簡単に触れておきましょうか。
ここらの設定はこだわるともうキリがないので、ここではできるだけ簡潔に述べるようにしたいと思います。

まず【産業】についてですね。一般的な女性向け作品における西洋ファンタジーであるなら、
だいたいどの国も主な産業は「農業」および「牧畜」が基盤となるでしょう。
あまり深く考えなければ小麦が主な穀物なんでしょうか。牧畜なら牛、豚、鶏、羊、山羊、馬などの家畜がいるのでしょう。
ただし現代の感覚よりも収穫の効率はずっと悪いことを考慮しておいてください。
つまり基本的に食べ物は今の感覚よりもずっと”高価”です。
たとえばずっと値段の変わらないタマゴ(鶏卵)は大量生産が可能になり効率化されることで値上げされていないだけなので
江戸時代くらいになっても農家が片手間に飼育している地鶏から採取できるタマゴは数が少なく今なら1個500円くらいでしょうか。
基本的には昔はどの食物も無農薬有機栽培なのですから現在の価値観とすると最高級品の値段を想像するといいでしょう。
また農業にとって最重要の治水、灌漑は大規模な土木工事を伴い莫大な費用も要するので
それを指揮統括するには君主の権力と財力がないと不可能であり、安定した大国であるほど農業技術が進歩していきます。

農業以外だと大工や石工、鍛冶屋など専門技術職はいますが工業生産品というのはほとんどありません。
雑貨などは農家の片手間の副業として作られていることが多く、同一規格で大量生産できません。
そして国家財政を潤すものとしては鉱山経営などが盛んに開発されていました。
金山、銀山など国家や領主が直接経営すれば、年貢や税とはちがいまる儲けなので利益も高いので魅力的です。
あとは海外貿易ですがこれは後述の【流通】のときに。


【経済】は複雑で難しのですが、最低限考えるべきは、どのように人々は生活を営んでいくのかということを考えましょう。
ヨーロッパの場合、通貨が早くから導入されてきましたが、主な効果は銀貨と銅貨になります。
金貨や金塊というようなものは貴族でもない限り使用しませんでしたし、物々交換もまだ多かったでしょう。
また為替や手形というものはまだ普及していないくらいのほうがわかりやすいかもしれませんね。
ただ注意が必要なのは経済というのは自給自足的な生活では発達しないものです。
簡単に言ってしまえば、余っているものを売り、足りないものを買うことで経済がまわります。
貿易などが発展すればするほど、そして職業が専門化、分業化すればするほど経済は複雑になっていきます。
なので同じ国内であっても都市と隔絶した寒村などは経済に関する考え方も違ってきます。

そこで生産された経済商品を動かすのが【流通】です。
そして今も昔も流通の主役は海路、つまり船による輸送です。
地中海のような内海ならガレー船、大西洋のような外洋なら大型帆船が海運と海軍の主力となります。
ガレー船というのは古代からあるタイプの船で帆走もできますが基本は50~200人くらいの漕ぎ手がオールで漕ぐ船です。
人を多く載せるため人だけでなく食料や水もあって荷物の積載量はあまり多くないですが無風、逆風でも進めるし早いのが特徴で
イタリアの都市国家が商船兼軍艦として好んで使っていたタイプです。
漕ぎ手は若手商人でオールを漕ぐ代わりに一定量の手荷物を船に持ち込めてそれを渡航先で売買することができ
またイスラム勢力や海賊に襲われたときは全員が兵士となって戦うため、海軍力としても最高峰でした。
逆にイスラムのガレー船の漕ぎ手は鎖につながれた奴隷なのでイタリアの船と戦うとまず勝ち目はなかったようです。
またガレー船は長距離の移動が難しいため中継地点である島々の確保と防衛は貿易立国としての至上命題でした。
大型帆船は基本的には新大陸発見とか大航海時代が前提となって開発されたものなので文明度としても
遠洋航海が可能な文明レベルとして設定した場合に用いるべきでしょう。

陸路については古代ローマでは石で舗装された街道を網羅して迅速に大部隊を行軍させられるよう整備していましたが
中世にはメンテナンスも行われず、近世に至っても当時のような舗装道路はほとんどなくなり路面はあまりよくありません。
商品は馬車もしくは荷駄によって運びますが、船と較べると積載量もスピードも格段に劣ります。
ですので内陸部の都市よりも港に近い都市のほうが大いに賑わい発展します。
その際たるものが異国との貿易であり、香辛料や美術品など稀少価値から高値で売買されるので国も富み栄えます。
ですから内陸の町ならば河川を有効に使って流通に用いたり、人工的に運河を作ることになります。
古代中国では昔から都は内陸部にあることもあり隋(7世紀)に総延長2500キロの運河を開削しました。
このような大規模工事もまた統一王朝の権力があってこそのもので、小国が分立しているような情勢では不可能です。

あと大前提として冷蔵・冷凍技術などはないので新鮮なものを遠くに運ぶということは不可能です。
生産地以外では生鮮食品などはありません。食料品といっても、ほぼすべて保存食に加工した食品となります。
牛乳を飲むよりもチーズやバターを食べる機会が圧倒的に多いでしょうし、生肉よりもハムやべコーンが主体となります。
もちろんサラダなんてものは古代ローマ人がいなくなってからは20世紀の終わりになるまで一般には食されませんでした。
野菜などもほとんどが酢漬けや塩漬けなどしたものしか口にできなかったし、しようとも思わなかったのです。

今回はこのへんで終わりです。
今回の項目もそうですが、すべての項目にわたって、上は国家規模から下は庶民の日々の暮らしまで
ひとつの設定が決まるだけで、全体に渡り大きな影響をおよぼしてきます。
完璧にシミュレーションしろとまでは言いませんが、あらゆる設定が複雑に絡み合い影響を及ぼすことだけは憶えておきましょう。
そして、そのシミュレーションをする際にパターンとして役に立つのが実際の”歴史”です。
年号や歴史的重大事件を覚えるような歴史の勉強ではなく、その次代を生きていた人々(王侯貴族も農民も)が
どんな暮らしをしていたのか、食べていたもの、年中行事や祭祀、その他風習や風俗などに思いを馳せてほしいものです。

たとえばアメリカ人(英国人)はベーコン風味のコーヒーとかベーコンの香水があるくらいベーコン好きなのは有名ですが
すでに11世紀には十字軍でエルサレムに向うイギリス騎士たちに自分たちの船を利用してもらうため
とあるイタリア商人が考えたキャッチコピーとして「聖地までの船旅の食事にはベーコンが付きます!」という記録があり
その当時からアングロサクソンは無類のベーコン好きだったというような逸話まで膨大な歴史には無尽蔵に秘められているのです。

所有ボードゲーム・カードゲーム リスト

それほど多いわけではないけれど、個人的な整理の意味でもリストを作成してみました。
マニアックなテーマが好きなためチャンスに恵まれず未プレイのゲームが意外に多いです……
こうしてみるとミニチュアゲームのも含めるとゾンビ駒は400体以上ありますね! どんだけ好きなんだかw

【クトゥルフ系】
・マンション・オブ・マッドネス
  拡張版:野生の叫び声
  拡張版:禁断の錬金術
・マンチキン クトゥルフ(カード)・・・未プレイ
・クトゥルフの呼び声FLUXX(カード)・・・未プレイ

マンション・オブ・マッドネスはクトゥルフTRPGをそのままボードゲーム化したようなゲーム。
拡張版もあるのでプレイヤーキャラクターは12名、神話的生物大小が盛りだくさんだくさんのフィギュアが附属。
マンチキンはズルい、インチキ野郎のTRPGプレイヤーをテーマにカードゲーム化したもので、そのクトゥルフ版。
米本国では拡張版が3種類ほどあるけど日本語化されたのは基本セットのみ。
FLUXXはルールも勝利条件もめまぐるしく変わるパーティーゲームで、そのクトゥルフ版でさらに渾沌としてます。


【ゾンビ系】
・ゾンビーズ!!!(旧版)
・カード・オブ・ザ・デッド(旧版)・・・未プレイ
・逃げゾンビ

ゾンビーズは1版で現在は2版が現行版。拡張版もやたらたくさん存在する人気ゲームなんだけどゲームとしては……
ゾンビ映画の主人公になりきってゾンビ100体がうろつく街に昂奮できるかが楽しめる鍵。
所有のカード・オブ・ザ・デッドは初期の旧版で、新版はカードの種類も多く派手なゲーム性になっている模様。
日本製なのにカードの記述は全部英語という雰囲気重視がつかいにくいw
逃げゾンビはダイスゲームで、アメリカの田舎町の住民をピックアップしつつ脱出するゲーム。
なぜか感染者と一緒に町を脱出すると高ポイントというパンデミックな仕様。


【ドイツゲーム系】
・ローゼン・ケーニッヒ(2人用)
・バトルライン((2人用/カード)
・アグリコラ 牧場の動物たち(2人用)・・・未プレイ
・カルカソンヌ
・パンデミック:新たなる試練
・人狼ゲーム(雑誌附録カード)

ローゼン・ケーニッヒは薔薇戦争をモチーフとした陣取りゲームで運と戦略のバランスがよい。
バトルラインは2人用ゲームとしては最高峰だけど、ジレンマを抱えることになるのでプレーがつらい。
パンデミックは協力ゲームとしは依然として最高レベルのゲーム。
人狼は一時流行していた会話ゲーム。なぜかボードゲーム好きな人とはあまりかぶらない。


【UNO系】
・UNOカードゲーム
・UNO H2O
・UNO スタッコ
・UNOスラム
・UNOダイス
・UNOアタック
・UNOスピン
・UNOタイルズ(ボード)
・妖怪カードゲーム(うにょうにょ)
・スプークス・・・UNO系ゲームでは一番おすすめ!

日本ウノ協会の会長ということでUNOゲームは比較的多め。
でも世界的に発売されている派生ゲームは追い切れないくらい多いが、たいていつまらないのが難点……
おすすめはジェンガのようなUNOスタッコ、新感覚のUNOダイス、射出枚数を制御できればUNOアタック。
最もつまらないと感じたのは日本未発売のUNOタイルズというUNOのボードゲームw
他にも水木妖怪のカードが斬新なうにょうにょも絶妙。一番強いカードはあのメガネで出っ歯のあの人間キャラだ!
最もおすすめなのはお化け屋敷からの脱出をテーマにしたスプークスで、これはおもしろいけど入手難。


【チェス系】
・チェスセット(2人用)
・3人対戦チェス・・・未プレイ
・クイックチェス(2人用)
・チック・タック・チェス(2人用)
・ナイトメア・チェス1((2人用/カード)・・・未プレイ
・ナイトメア・チェス2((2人用/カード)・・・未プレイ

チェスセットは100円のミニサイズから数万円の高級品まで所有。
3人用チェスだけどボードのマスが方形ですらないのでかなり難しそう。
チック・タック・チェスはチェスのルールで3目ならべをするお手軽ゲーム。
ナイトメア・チェスはカードを使ってチェスに特殊な動きを加えるという趣向。


【ドミノ系】
・ダブル6ドミノ
・ダブル9ドミノ
・メキシカン・トレイン(ダブル12ドミノ)

本来の用途である倒さないドミノで基本的なルールはUNOに近いもの。
基本的にダブル12のドミノがあれば、それ以下のドミノは必要ないけど所有。
一応、英語だけどドミノルール集もあるので100種類くらいのゲームが遊べる。
多人数で盛り上がるならメキシカン・トレインがおすすめ。非電源ゲームだけど電子音が鳴る付属品あり。


【その他】
・トランプ
・花札
・バックギャモン(2人用)
・チェッカー(2人用)
・ゲーム10(リバーシ、キツネとガチョウなど古典ゲーム10種)
・マンチキン(カード)・・・未プレイ
・迷宮牧場の決闘(カード)
・キングス・コート(カード)・・・未プレイ
・どうぶつしょうぎ((2人用/菓子オマケ)
・スピンスタジアムジュニア

ありふれたものからマニアックなものまで。
ゲームとしてはバックギャモン(日本名:盤双六)がおすすめ。


※その他にも数種もれあり



小説を書くことを料理にたとえるならば……

本来なら「一段深い設定をすると、物語の幅も拡がるという話」の4回目を記事にする予定でしたが
創作塾のほうで足踏みしてしまっている塾生が多いこともあって、今回はそのことについて書いていきましょう。

どうも作家志望者は灯台下暗しで自分の立ち位置がわかりにくいということもあるので
キリストの伝道じゃありませんが、たとえ話にしてしてみましょう。

作品を書いてもらうということは、新人賞に送るにしても、創作塾の課題として提出するにしても
自分で店を構えてお客(読者)相手に料理(小説)を提供することと同じです。
その際、その客はとにかく「金に糸目をつけず最高の料理」を注文してきます。

そこでコック(作家志望者)には、まず食材を求めに買い物に行ってもらうわけです。
そうすると、4割の人は生ゴミや腐ったものを買ってきてしまいます。
5割の人はレトルト食品を買ってきます。
なんとか1割くらいの人が普通に肉や野菜を買ってくることができます。
ただし客の要望である予算度外視でいいというのに、高級食材を買ってくる人はまずいません……

そこで、まず私は「おつかい」の仕方を教えるわけです。
そうすると7割くらいの人が、たまに腐りかけや賞味期限切れの食品を買ってはきますが
なんとかおつかいをこなして、食べられる食品(創作アイデア)を選んで買ってくることができるようになります。
残念ながら3割の人は最後まで「腐った食品」と「新鮮な食品」の区別できません……

さて食材は買ってこれても今度は調理することができないんですね。
買ってきたままの野菜や肉をまるごと水を張った鍋にぶちこんで煮れば、おいしいカレーになると思っているようなものです。
カレー粉に必要なスパイスの基本的な種類やその分量なんてまるでわかりません。
ましてオリジナルのスパイスの調合なんてさっぱり頭にないことなのです。
無理に調合なんてさせると、また生ゴミを混ぜかねません。

そこで「豚肉はよく火を通す」とか「ニンジンは生では食べない」とかごく普通に知っているはずの基本から
逐一教えていかないといけないわけですが、そういうことを教えていると
「豚レバ刺しとかスティックサラダあるでしょ。だからそうとは言いれないのでは」と言ってきたりするんですよね……
たしかにそうですが、もしあなたがレストランに行って野菜が生煮えでゴリゴリするカレーを出されて文句を言ったら
店員に「野菜は生でも食べられますから問題ありません」と説明されて納得できるかということです。
例外はあっても基本はゆるがないからこそ基本なのです。例外を挙げたからといって全てを正当化できるわけではありません。

そして買い物をするにしても何を作るか決めないで、適当に買い物かごに放りこんでくるものだから
サンマとリンゴを買ってきて、後からオムライスを作ろうとしたりするんですね。
しかも「サンマもリンゴも美味しいんだから、どうにか美味しいオムライスは作れないものか」と真剣に悩むのです。

さすがにこんなひどい料理をする人はいないのですが、こと小説創作においてはこの程度の人が大多数です。
見る人が見れば、なんでこんな愚かなことをしているのかということを平気でやってきます。
ですから料理でいえばボンカレーを温める程度ではだめですが、バーモントカレーを箱の裏に書かれた作り方どおりに調理して
ちょっとしたオリジナルの隠し味を加えて、ひと味変えたカレーを提供できるレベルで新人賞投稿作品の上位1%までいけます。
ほとんどの人が箱の裏に書かれた基本の作り方さえ、ろくに読まずにカレーを作ろうとしているのです。
まあ、小説の基本的な作り方をマスターするにはカレーの作り方よりもずっと複雑ではありますが基本の考え方は同じです。

カレーを作るくらいならどうにかなると思いませんか?
そのくらいの気軽な気持ちと、不断の努力でがんばっていってください!




一段深い設定をすると、物語の幅も拡がるという話(4)

ついにこのシリーズの最終回です。
今回、触れてみるのは残り3つの【技術】【文化】【宗教】となります。

まずは【技術】について。
西洋風ファンタジーの場合、中世っぽい雰囲気ながら実質は近世という文明を築いているというのが前提としては
だいたいにおいては「産業革命」以前の文明レベルということを念頭に置いておくべきでしょうね。
そのくらいのことはよくわかっていることでしょう。
ただし最近では産業革命での奇形的な進化を遂げたスチームパンク要素のある作品も増えていますというか
欧米の西洋風ファンタジーではほぼスチームパンク風味はほぼ必ずあり、蒸気機関のおもしろ機械類が登場しています。
あと銃砲の有無については好みでしょうが、あったとしても青銅砲に前装式滑腔銃(マスケット、火縄銃)あたりでしょうか。
爆弾のたぐいはについては、すでに古代から「ギリシア火」のような焼夷弾や中世の「てつはう」などの手榴弾もありました。

建築、冶金、木工といったものはほぼ揃っているといっていいでしょう。
コンクリート的建築も既に古代ローマ時代には確立されていました。ただし鉄筋コンクリートは19世紀になってからです。
今では安価なアルミニウムもボーキサイトから精製するのに大量の電力が必要なため19世紀終わりまで超高価な貴金属であり
アルミニウムのネックレスは黄金のネックレスよりも羨望の眼差しだったりした時代もあるわけです。
木工についてはやはり日本のように森林資源の豊富な地域で発展していきます。
しかし古代文明発祥地ではたいてい植林をしていかないので建築と燃料利用のために周辺地域の森林資源は枯渇し
砂漠化していることなども合わせて考えてみると、いろいろアイデアが出てきたりもするでしょう。

また現代人にとって忘れがちなのが医療の一部である「公衆衛生」の概念が一般化したのはここ最近のことです。
「飲料水と汚水を区別する」や「病気予防に手洗い」という真っ当な事実が一般に認識されたのは
やはり19世紀に入ってからのことで、それ以前の人々にはその程度のことも理解されていませんでした。

つぎに【文化】ということになりますが、これは多岐にわたるので説明しにくいのですが、
文化というのがどのように作られるのかということを想像し、シミュレーションして自分なりの世界観での分化を築いてください。
文化はその地域の自然風土や人々の生活、文明レベル、宗教観、歴史などの要素が複雑に絡みあって生じるものです。
一般に平和な時代、安定した政治下において文化は発展して花開いてゆきます。日本の江戸時代もそうですね。
戦乱の時代には日々の糧を得ることや生き残りを賭けた戦いに明け暮れるので文化の発展は遅れがちです。
ただし戦争が多ければ兵器利用のために科学技術は躍進していきます。

最後に【宗教】です。
日本人は宗教観が原始アニミズムの段階で止まってしまっている独特の神道に基づいた認識をしていて
これをもとに仏教やキリスト教を見ているので、ちょっと面倒なんですよね。
ちなみに日本人は「無宗教」という誤解がありますが、無宗教ではありません。
縁起をかつぐ、幽霊を怖がる、星座占いを気にするだけでも、それなりに宗教観を持っていることになります。
宗教を大別すると「多神教」と「唯一神教」の二派に分かれます。
多神教は神道やインドのヒンドゥー教などであり、一神教はアブラハムの宗教ことユダヤ教、キリスト教、イスラム教です。
多神教は基本的に生活習慣や儀式に関するしきたりはあっても、教義が曖昧なことが多いです。
これは征服していった複数の民族の神々を習合してしまって全体の整合性が破綻してしまっていることにも一因があります。
この点、一神教は征服した民族や敵対する民族の神々はすべて悪魔にしてしまうので破綻しにくいんですね。
ユダヤ、キリスト、イスラム3教共通の神であるヤハウェは元々はシナイ半島の弱小山神の一柱だったと言います。
この地方には他により有力な神々(バル-、ベル-など「王」を冠する名の悪魔が多いのもこのため)がいましたが
古代ローマ帝国でキリスト教が国教に定められ、世界展開したことにより今では弱小神だったものが唯一の神となっています。

設定として考えるなら、多神教が信奉されるのは基本的に自然が温暖で豊穣であり、教義もゆるいものが多い。
ただし生け贄(人や動物など)など原始的な儀式が残りやすいのも多神教のひとつの特徴です。
それぞれ願い事によって人間は都合よく神を複数使いこなすことが多く、神話での神も妙に人間くさいものです。
最高神は男神であっても、実質的な信仰の中心は大地の豊穣を司る大地母神に多くの信仰を集めるでしょう。

対して一神教が信仰されるのは砂漠や荒れ地など自然が厳しい地域であることが多く、
さらに厳しい生活の中、一族の生き残りのためにリーダーである家長の権限が強い家父長制だったりもします。
ですから女神ではなく唯一神は男神でなくてはなりません。教義もしきたりも厳しくルール違反を絶対に許しません。
これは社会生活でもルール違反を認めることで容易に全滅してしまいかねない過酷な実生活に裏付けられます。
このような厳格な戒律により宗教によって人々は秩序と契約を重んじる文化が生まれます。
ただし副作用として異端、異教、異民族に対して非常に厳しい態度や迫害、殺戮を正当化する教義が強調されます。

以上4回にわたって書いてきましたが、自分だけのファンタジー世界を考えるにしても歴史や地理、民俗学など
最低限の知識がないと、既存作品から上澄みだけをなぞった凡庸な世界しか想像できません。
そもそも『ロード・オブ・ザ・リング』の作者からして言語学者として異世界の各種族の言語をイチから構築するという
とんでもないマニアックな観点で作られた経緯があるわけで、実はファンタジー作品は奥が深いんですね。
私もこだわったときには、異世界のある惑星の大きさから自転周期や重力についてまで計算して作ったこともありましたが
まあ、そこまでやるのは完全にやりすぎなのでやめておいたほうがいいでしょう。
とはいえ現代日本の学校が舞台の作品より必要な知識は非常に雑多になるので、自分なりに知識を深めていってください。
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