L'Anovelién

UNO=日昌晶

Author:UNO=日昌晶
日昌晶(ひよしあきら)
小説家にして作家デビュー請負人、ストーリーコミュニケーションコンサルタント
原稿執筆や講演・講義、オタクビジネス・マーケティングのコンサルティングまで幅広く活躍中!
 unokyokai@gmail.com

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ライトノベル創作教室ラノベりあん 中二病でも書けるライトノベル教室♪

小説の楽しい書き方講座ブログ 毎週開催の創作塾と連動中!

帰ってきたぞ!我らのウルトラマンスタンプラリーに参戦す

2016年初のエントリーですが、あまり創作とは関係なく私事です。
そう、みうらじゅん先生もコンプリートしたというあのウルトラマンスタンプラリーに今年も参戦してきました!
とりあえず利用路線の駅を中心にスタンプ10個集めて記念品をもらってきましたよ。

帰ってきた!我らのウルトラマンスタンプラリー
(今回と前回のスタンプ台紙と賞品の科特隊ピンバッジ そして山手線の運転手はメトロン星人)

今年のスタンプは『ウルトラQ』がはずれて『ウルトラマンエース』と『ウルトラマンタロウ』が参戦し、ウルトラ6兄弟が揃い踏み。
そして同じ第二期シリーズとされる『ウルトラマンレオ』だけが仲間はずれに……
スタンプの種類は怪獣とウルトラマンだけではなく科特隊のビートルなどメカ系も登場してきたところが目新しいところ。
前回は有名怪獣なのに選から漏れていた怪獣もいれば、「二代目」とか「ニセ」とか付いた怪獣も多めのラインナップ。
だいたい二代目●●みたいな怪獣は初代の撮影用キグルミではなく(他の怪獣に改造されるか腐ってしまい廃棄されるため)
アトラクション用のチープなキグルミを撮影に使っていたりと質が良くないんですよね……後期シリーズは低予算なのでw
怪獣たちの造形は初代と比べるともっさり垢抜けてなくてパチモンっぽい哀愁が漂っているものが多いんですよね。
そうでなくても「ウス怪獣モチロン」とか「わんぱく星人ピッコロ」とか子供だまし的な名前の怪獣が多いのに……

そしてスタンプラリーで回る駅は羽田空港ルートの運賃の高い東京モノレール2駅が追加で1駅増えての全65駅に!
ということは、どこか1駅減っているわけですが調べてみると南柏駅がはずれてしまったようですが理由はわかりません。
あの利用客が非常に少ない超マイナー駅の尾久駅なんて去年はバルタン星人で今年はバルタン星人(二代目)ですからね。
バルタンの場合、二代目でもアトラクション用ではなく新規造形のキグルミで、より当初の設定画に近いシャープな造形ですから。
それにしても各駅の担当怪獣は一応アンケートの上、抽選で決まるそうですが、2年連続で超人気怪獣が当選しているのは
きっと尾久駅には何らかの力、ユダヤやフリーメイソンの陰謀が働いているに違いありません。
余談ですが去年の神田駅は「カンダ」にちなんで「ガンダー」でしたが今年は「ダンガー」とこだわりを見せています。

なんといっても今回、最大の注目は【10駅達成ゴール】の賞品ですよ。
無料でもらえるのはシール(全3種ブラインド)なのですが、正直なところ去年のメンコと比べてもちょっとショボい……
しかしゴールの売店でスイカを利用して500円以上の買い物をすると追加でもらえる景品はかなりよいものですよ。
前回は怪獣のアクリルスタンド(全5種類)を各500個ずつ配布という完全にウルトラマン人気の高さを読み違いしてしまったために
開始3日目にはもう転売ヤー等の暗躍もあってか、なくなってしまう悲劇が生じたわけですが今回はそこそこ潤沢です。
ゴールのお店でもらえるのは科特隊やウルトラ警備隊のマークのピンバッジ(紙製スタンド付き)です。
各駅に1000個ずつ配布してゆき、日程をずらしつつ全5種類合計5万個を配布するそうです。
特に初回は劇中でアンテナを伸ばして超小型無線機としても活躍していた科特隊バッジなのでダントツの人気でしょう!
そのためピンバッジの在庫は今週末まで持つかどうかといったところで小学生参加者には厳しいかもしれません。
もうね、ウルトラマン世代のかつての「ちびっ子たち」が朝から晩までほぼ途切れずスタンプ台に来てますからね。
ちなみに【全駅制覇ウルトラ証】プラ製カードは縦デザインから横デザインになりました。特に目新しさはないようです。

去年の人気ぶりから今年はスタンプラリーとしてだけではなくて他にも川崎の居酒屋「怪獣酒場」などともコラボしていて、
台紙にはこのお店のスタンプ欄(ラリー対象外)などもあったりと商売っ気も出てきましたね。それはいいんですけどね。
残念なのは初日の朝から転売ヤーたち(いずれもいい年した男女)が何十冊も台紙を抱えてスタンプ押しまくってましたね……
しかし一部の駅では駅員さんが常に見張っているところもあり、あからさまに押しまくりできないようになってはいました。

そんなわけで今回は全駅制覇するかどうかは不透明ですが、ピンバッジは全種類欲しいなと思っています。

2016年新塾生募集します! 最大2名まで

2016年1月はじめての指導を終えましたが、この間、生活環境なども変わったこともあり塾生は6名から4名になりました。
脱落者が出てしまうのは残念ではありますが、やはり続けられる人と続けられない人がいるのは仕方ないことなのでしょう。
特に前々からこのブログでも書いてきているように創作において最初の難関が最大のハードルとなっています。
RPGのようにスライム退治で経験値稼ぎするわけにはいかず、最初の村を出たらすぐに魔王が待ち構えているようなものです。
ここで負け続け、どうやっても勝てる見込みがないとくじけてしまうことを責めるわけにもいきません。そのくらい難しいのです。
しかし、こんな無理ゲーを突破できる人だけがプロ作家への第一歩をしるすことができるのですね。
この最初の難関を独力で突破できる人は1割に満たないのを私の指導でどうにか半数が突破できるようがんばっています。
ただし私がいくらがんばっても本人がよりがんばらないと結果はでないんですけどね……

でも惜しいことに現在の塾生で私が満足するだけの努力をしている人はいません。
それほど塾生に過大な要求はしてはいないんですよ。
3日に1本くらいの頻度でアイデアメモ程度の簡易プロット(20~30行程度)を書き続けてほしいのと
通勤通学などを利用して1週間に(300ページ前後の薄めの文庫本なら)2冊くらいの小説を読んでほしいということくらいです。
でも現在の塾生を平均すると、簡易プロットは10日に1本、読書もやはり10日に1冊くらいしかやってませんかね。
ここがふんばりどころなので、がんばってほしいのですが、忙しさを言い訳になかなか実行には移してくれません。
経験上、基礎となる創作スキルの向上は読書量とプロット・作品数に比例します。才能の有無は関係ありません。
ただ才能ある人は勉強やスポーツと同じく無理して努力するのではなく単に好きだから続けた結果として向上してゆくのです。
才能のない人はつらいと思いつつもやり続けなければスキルの差は開くばかりですよ。

そんなつらさを覚悟してでも作家になりたいという人がいましたら、この最速!創作塾に応募してください。
上記程度の課題ノルマを続けて切磋琢磨するなら3ヶ月から半年で受賞レベルの作品を書けるスキルが身につきます。
ただし課題をこなす努力をしないのであれば、いくら指導を受けても微塵も成長しませんよ!

【塾生募集要項】
(1)募集人数:最大2名(男1名、女1名)
(2)年齢:不問(高校生以下不可)
(3)資格:いずれかの新人賞(長編小説)で1次選考通過以上の経験者、もしくはそれ以上にがんばれるという方
(4)条件:隔週火曜日の18:30~19:30までの間に渋谷で指導に参加できること、ちゃんと【課題】をこなすこと
(5)指導料:完全無料(交通費だけは負担してください)


今回は少し条件を厳しくしました。
過去には執筆経験がない人も受け入れていましたが、基礎力がたりていないので指導を理解しきれないようです。
そういう人は作品やプロットを書くための指導より、とにかく読書量を増やすのが最優先なので除外します。
小説の基礎ができていれば、2、3回どこかに投稿していれば1次くらいはひっかかるものです。
5回以上投稿してどの1次選考にも通らないなら根本的に大事なところを間違っているのでしょう。
ただし救済策として1次選考通過経験がなくとも、それ以上にがんばれると約束できるなら受け入れます。
つまり最低でも課題ノルマの1.5倍以上はやってこれると断言できるくらいのやる気を見せてくれるならですね。

また課題は最初だけまじめにやってきても、だんだんルーズになってくるので、ここで改めて明記します。
課題は下記の2つのみ。これだけは守ってください。それだけがデビューする近道です。
【1】読書は小説(ラノベは除く)を年間100冊以上を読破する。(小さい活字、分厚い本などは2冊分と各自で判断してよい)
【2】基本となる簡易プロット課題の場合、1回の指導日(14日間隔)ごとに5本以上提出する。

それでは、野心ある方の応募をお待ちしています!




私はいかにして新人賞を獲ったか(役に立たない話)

こうして小説の書き方、創作指南のブログを書いてきましたが、今まで私自身がどうやって新人賞を獲ったかについては
敢えて触れてきませんでしたが、メールで質問があったので今回はそのことについて書いてみようと思います。
ただし、ほとんどの作家志望者にはまるで参考にならないと思うからこそ今まで書いてこなかったので
こういう人もいるんだなという参考までに留めるのみにしてください。

そもそも私は俗に言うギフテッドです。つまり生まれつき遺伝的に知能指数が高いんですね。
たしか保育園の年長さんのときに検査した結果はIQ130でした。
全体平均は100で、7割の人は95~105に分布し、東大生の平均でもIQ120というのことなので、かなり高い数値です。
実際のところ、両親は私の利発さに較べて実弟はあまりぱっとしないので、バカではないにしろ頭はよくないと思っていたそうですが
フタを開けてみれば弟は東京大学を首席で卒業するほどの秀才だったというオチがありまして、弟にしては不憫な少年時代でした。
とはいえ弟は真面目と堅実を絵に書いたような性格の反面、私は生来のなまけ者だったのが結果としては大きな差となりました。
天才といってもMENSAという天才しか入会できない組織の最低基準がIQ130なので、私は天才の中では底辺にすぎません。
よって、まったく勉強しないでも合格できる大学だと早稲田どまりだったわけです。
未だに母には「毎日30分でも勉強してればハーバードでもケンブリッジでも行けたのに」と恨み言を言われますが
私は楽をすることしか考えていませんでしたから海外留学なんてまっぴらごめんです。

そんなわけで私が小説家を目指したのも単に楽をしたかったからです。夢の印税生活ってやつですね。
きっかけは知り合いであった大学の先輩が今はなき日本ファンタジーノベル大賞(新潮社)の大賞を受賞しまして
「小説なんて案外かんたんに書けるよ」とアドバイスを受けたことで、やってみる気になったんですね。
ちなみにその先輩は今ではかなりの大作家になっていまして、ドラマ化やアニメ化した作品など多数手がけています。

そして最初に目指したのがコバルト文庫の新人賞でした。べつに少女小説が好きだったわけではありません。
この時点で少女小説も少女漫画もほとんど読んだこともありません。少女漫画原作のアニメを見たことがある程度でした。
しかし選んだ理由は簡単で、当時のコバルト小説はページの下半分はメモ帳になりそうなほど空白だらけだったんですね。
つまり同じ賞金なら文字数が少なければそれだけ労力少なくして済むので効率がよかろうと、それだけの理由でした。
しかし早々に挫折しましました。少女の初々しい恋を書いていると、どうにも恥ずかしくてたまらなくなってしまったのです。
それでも在学中に二度ほど少女漫画原作募集に投稿しました。1本が原稿用紙で40枚くらいですかね。
これで私は右も左もわからなかった小説の書き方というか体裁というんですかね「?」や「!」の後には一字空けるとか、
会話文と地の文の違いとかそういった基本の基本を実地で身につけました。
ここに至るまで今と違ってネットは発達してなかったので図書館で手に入る小説のハウツー本を借りて読んでみましたが
たいてい純文学を書くための内容でほとんどものの役には立ちませんでした。
ただ1冊だけ少女小説の作家さんが書いたハウツー本の巻末にあったオマケだけは本当に役に立ちましたね。
上記のような一字アケみたいな書式についてや、原稿は簡易書留で送るのがよいとか実益的な内容が豊富だったからです。

そして大学4年のときに少年向け小説、つまりライトノベルに転向することにしました。
やはり私は男なので、男の子向けのほうが書きやすいだろうという判断です。
それに当時は甘い考えで一般小説よりは簡単でハードルも低いだろうという打算もありました。
とはいえ私はこの時点でほとんどラノベを読んだことがありません。
高校時代に5冊くらい読んだきりで、高校・大学時代はリアルが楽しすぎてアニメや漫画からも遠ざかっていました。
そこで資料として本屋に行って、いま売れてそうなラノベを2冊買いました。
どちらも異世界ファンタジーもので、1冊はわりとシリアスな作品、もう1冊はコメディ要素の強い作品です。
そしてこの2冊を一通り読んで、だいたいこんな感じで魔法とかドラゴンとか出てくる話を書けばいいのかと理解しました。
特に異世界ファンタジーが好きだったわけでもなく、どちらかというと毛嫌いしていたジャンルだったのですが
世間では流行ってそうだからというのが異世界ファンタジーものを書こうと思った最大の理由でした。

で、今までない異世界ファンタジーを書こうと思いまして、参考にしたのが映画『戦国自衛隊』でした。
映画では戦国時代でしたが、異世界ファンタジーなら面白そうかなと安易な思いつきです。
そして現実世界と異世界がゲートでつながった世界観を考え、そこに自衛隊などが派遣されるというコンセプトを考えました。
またヒロインのひとりは特色を出すべく、常にうまい棒など実在の駄菓子を食べているという設定にしたりとギミックもとりいれたりと
アイデアについては特に悩むまでもなくいくらでも湧いて出てきましたね。
そういえば、異世界に自衛隊が行く小説や駄菓子が大好きなヒロインの漫画などがアニメ化されていますが
どうやら私は時代を先取りしすぎていたのかもしれません……そこそこ売れはしたのですがw
とはいえ、そんな作品を約1年かけて執筆しました。
しかし前にも述べたように私はなまけ者ですから明日できることを今日するわけがないのです!
今も克明に憶えていますが、この作品のラスト1/6(原稿用紙50枚分)は締切当日にギリギリで書き上げています。
午後3時過ぎにようやく完成させ、4時までに印刷、封筒に入れ、小さな郵便局はもう終わっていたので本局まで持って行きました。
後日、担当さんに作品にスピード感があってよろしいとほめてもらいましたが、そりゃあ大急ぎで書き上げたのですから当然です。

そんなこんなで投稿してしまうと、その作品のことなどすっかり忘れて次回作のことに思いを巡らせていました。
なまけ者の私は筆は遅いのですが、アイデアだけならいくらでも出てきたんですね。
そして結果に頓着しないので途中の選考結果とか発表になっていても無頓着で、途中経過を知りたいとすら思っておらず
半ば書いたことさえ忘れかけていたときに、出版社から受賞しましたと連絡をもらって驚いたわけです。
あまりに忘れかけている私に電話口の編集さんは「あなたが書いたんですよね?」と念を押されたくらいです。
正直、あまりデビューするのに苦労はしていません。初めて書いた長編小説を送ってみたら受賞しただけです。
しかしラノベはおろかアニメや漫画にさえ興味がなかったがために後々苦労をすることになるんですけどねw

私はよくブログでも天才と凡人の差を書いていますが、ド底辺の天才でもこんな感じで受賞作が書けてしまうのです。
しかし私は作家としては無名もいいところ、『聖闘士星矢』でいえばヤラレ役のザコ青銅聖闘士です。
つまりヒット作を連発している黄金聖闘士や白銀聖闘士はどんだけ凄いのかということです。
そして、あなたたちは作家を目指す以上は黄金聖闘士と戦うことを念頭に置かないといけないんですね。
おそらく才能がないであろう作家志望者が超人みたいな並み居る強敵と肩を並べるにはどれだけの努力が必要か?

生半可な努力では近づくことも許されない世界だということを覚悟してください。




プロットを考える手順を間違っていませんか?【有料指導にて】

金曜日に有料指導をしてきましたが、今回はプロットの書き方というか手順について教えてほしいということで
プロットの評価云々ではなく、どうやって書いていけばいいのかといったものを手順を追って説明してみました。

長年教えてきて特に思うのは、自分の作品が評価されない、あるいは巧く書けないというのは
遡れはほぼ間違いなくプロットを考える手順の段階からして間違っているといっても過言ではありません。
では、どうして間違えてしまうかというと、理由はしごく明快です。

水は低きに流るのたとえの通り、人は難しいことを後回しにして先に簡単なほうからやろうとしがちなんですね。
プロットを考えるときも同じで簡単に思いつくところから設定を考えていってしまうのです。
ところが誰でも考えつくような簡単なところというのは、逆にいえばプロット的にどうでもいいところなんですよ。
考えるのが難しいところこそがプロットの「核」であり最も大事な部分なわけです。
それに考えるのを後回しにしたからといって避けられるものではなく最終的には必要になります!

そして、どうでもいい部分を先に考えた後に大事な部分を考えようとすると失敗する確率が高いんですね。
たいてい楽なところから設定を決めていくと、大事なところは忘れ去られてまったく存在していないか
あったとしても既に他の設定に縛られて自由度が大きく制限されているので、こぢんまりとしたものになってしまいます。
まあ結果として完成した作品なりプロットなりが良いものであれば途中経過なんてどうやって書こうと自由ですよ。
でも自由にやってみて失敗し続けているならば、効率的でわかりやすい方法をやってみるのがベターだと思いませんか?

だからといって簡単になるわけではないですけどね。成功確率は高くなりますが難易度は変わりませんよ。
どちらかというと難しいことを真っ先に考えることになるので体感的に難しく思えてくるでしょう。
慣れてきてコツを掴めば、もうトータル的に大事なところもその他の部分もほぼ同時進行で考えられるようになります。
そうするそれぞれの設定が相互にうまい具合に絡みあって、非常に奥行きのあるプロットになってくれます。

有料指導ということで、このあたりのことをこれ以上詳しく書くのはやめておきますが注意すべき点は示しておきます。
仕事でも勉強でもそうなんですが、成功の秘訣は「ダンドリ8割」と「コツ2割」です。
脳内で巧いことプロットのダンドリができるかどうかがいいプロットを作る鍵となっていることを意識しながら書いてみてください。




おぞましかろうと読者の求める作品を!

昨今、どんなラノベ作品が売れているのかを考察してみると、その傾向は実にシンプルです。
ラノベ志望者ならよくわかっていると思いますが、基本は主人公が魅力的な異性にモテモテな設定であり
読者が主人公への共感を通してモテモテライフを楽しめるかどうかといったことになります。
もしくは女の子だけ、男の子だけといった箱庭的な環境を外から眺めることに楽しみを見いだすタイプでしょう。

この傾向は実に強くなっていまして、実によく似たテンプレ作品が量産されています。
じゃあ、そのテンプレをなぞらえてさえいれば、どんな作品でもウケるかというと、そういうわけでもありません。
テンプレまみれであろうと、そこに一定水準以上のクオリティと多少なりともオリジナリティがないといけません。
でもほとんどの作家志望者はこのクオリティに達していません。なぜなら何がテンプレなのかわからないんですね。
テンプレじゃないと思ってテンプレを書いてしまっているような人がかなりの割合でいます。
そのためテンプレをしっかり認識している人なら、そのレールから外れないようにすることができますが
何がテンプレなのかよくわかっていない人がテンプレっぽいものを書いても肝心なところでレールから逸れてしまい
確実に読者がたのしめるポイントから離れてしまうので、結果的にまったくおもしろくない作品になってしまうんですね。

またオリジナリティを追求しておもしろい作品を書こうとしても、今のラノベはそれが認められるマーケット環境にありません。
過去にも似た例があり、『ウルトラセブン』で今でこそ名作だ傑作だと言われる『盗まれたウルトラ・アイ』といったエピソードは
予算不足のため怪獣のキグルミが登場しないため、毎週、怪獣の登場を楽しみにしていた子供たちを大いに落胆させ
このあたりから視聴率の下落傾向が如実に現れてくるようになるんですね。
あの当時のウルトラマンに求められていたのは、怪獣とウルトラマンの格闘であり、スーパーメカの活躍でした。
しかし予算不足とマンネリ化が進み、スタッフのやる気もなくなってしまったウルトラシリーズは
イギリス作品の『サンダーバード』や水木しげるの妖怪ブームの台頭をゆるしてしまいました。
そして後年、ウルトラシリーズを復活させた火付け役は、なんとくたくたになったヒーローショー用の怪獣キグルミを
プロレスのようにおもしろおかしい実況付きでボコボコ戦わせるだけの超低予算5分番組『ウルトラファイト』だったのです。
斬新なSF設定とか緻密なストーリー、深い人間ドラマなんて、そんなものくそ食らえだったわけです。

今のラノベに求められている作品の幅というのは過去と比較すると非常に狭いものとなってきています。
それだけライトノベル読者層というのが固定化してしまったということでしょう。
読む人はたくさん読むし、読まない人はまったく読まないといったふうに二極化が進んでいるわけです。
だからいくら自分がこういう作品を書きたいという強い思いがあっても、それが大多数の読者層に合わないものだと
なかなか評価されにくいものとなっているようです。
こんなアホらしい作品なんて気持悪くて書いてられるかと思うのは自由ですが、商業ベースで作品を出したいなら
いかに折り合いをつけて書くかにかかっています。そして、そういう意識を持つことのできる人の成長は早いです。
反対に成長しにくいのは、アホらしいものをアホらしいものと思えずに書くことしかできない人です。

正直なところ、ストーリー構成やキャラ造形がしっかりできるくらいの実力のある人にとってライトノベルではものたりません。
極端に言えば、児童書や絵本を書くのもあくまで大人(しかも高齢が多い)であり、子供に書けるものではありません。
読者と同じ水準では読者の求めるものは書けません。それだけは確実です。
アホらしいものなら、どうすればアホらしくなく見えるようにするかとか、いっそ突き抜けてアホを極めるとか
そういう工夫をすることができるかどうかが、作品のクオリティを高める鍵となっています。

とはいえ、ラノベを書きたいと思っている人はラノベが大好きだから書きたいのでしょう。それはいいことです。
でも純粋にラノベ好きのままではラノベ作家にはなれないというジレンマがあるのです。
本当にラノベ作家になれるほどのレベルに達したとき、すでにラノベは満たされない自分になっているのです。




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