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UNO=日昌晶

Author:UNO=日昌晶
日昌晶(ひよしあきら)
小説家にして作家デビュー請負人、ストーリーコミュニケーションコンサルタント
原稿執筆や講演・講義、オタクビジネス・マーケティングのコンサルティングまで幅広く活躍中!
 unokyokai@gmail.com

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身近にいるおもしろい人を脇役にしてみようか

あなたの身のまわりにおもしろい人、変わり者、不思議ちゃん、そんな人々はいないですか?
もしそういう人たちと接する機会があるのなら、あなたは作家として幸運です!
そのおもしろい人たちを参考にモデルとしてキャラを作ってみると、なかなかいい味をだしてくれることが多いんですね。

なぜならリアルで存在する人物なので、細部にリアリティが出てきますしキャラ設定が破綻しにくいんですね。
しかもよくあるステレオタイプキャラではなく、かなりオリジナリティのある個性的なキャラに仕上げやすかったりもします。
漫画なのではよく担当さんがモデルとなったキャラなどが登場したりしてますよね。

そういうおもしろい素材を見つけたとき、どうすればよいのか、その注意点を今回は書いておきましょう。

【1】あまりにもそっくり同じにしない、個人を特定できない程度にフェイクなどを入れておく
あとで訴訟沙汰になったりとめんどうなことも多いので、やはり似すぎるとか実名とかは避けたほうが無難です。
過去には出版差し止め、賠償金沙汰になった作品もあります。漫画は内輪ネタなので訴えにくいだけです。

【2】キャラはカリカチュアライズしなければならない
他のキャラでもそうですが、リアルな人間というのは非常に複雑で、ときに矛盾した存在であることもしばしばです。
ですが小説作品といったものの中では、そういう矛盾点が少しでもあると、それは致命的な設定破綻となります。
リアルとフィクションでは同じものでも感じ方が違ってくるんですね。
極端な例でいえば「成功率0.0001%」はリアルでは絶対に失敗しますが、フィクションではほぼ成功そ意味していますよね。
ですので、できるだけシンプルに読者にキャラの性格や考え方が伝わるように、多少極端な設定にしてデフォルメするのです。
ときおり町中で顔の特長を誇張した似顔絵を描いて売ってるのを見かけたことがありませんか?
ああいったことをキャラの性格設定でしないとメリハリがつかず、なんら特長のないキャラになってしまうのです。

【3】主役にはあまり向かない
しょせん実在の人物というのはどんなにはじけた破天荒な人でも、やはりフィクションの中ではそれほどでもないんですね。
ですから無理に主人公にしたててしまおうとすると、どうしても無理が生じてしまい作品も小ぢんまりとしがちです。
なので、実在の人物をモデルとしたキャラは脇役くらいのほうがベストポジションだったりする可能性が高いです。

もしあなたのまわりに、そんな小説のネタになりそうな変人奇人なんていないぞというのであれば、
さらに交友を拡げてみたほうが創作のためにも人生を豊かにするためにも有効なので、ぜひ挑戦してみてください!

相当ヤバい本『ルポ 中年童貞』を読んでみる



中村淳彦著『ルポ 中年童貞』という本を読んでみました。
この本を元にしたネットコミックから本書のことを知って手にとったわけですが、これが相当ヤバいのです。
かつて『中年童貞』という著者自らが中年童貞の本も読んではいましたが、今回は第三者視点から中年童貞に取材して
彼らがどういう生態や思考なのか、そしてどうして童貞であり続けるのかといったことがいくつかの実例をもって描かれています。
ちなみに日本全国の推定中年童貞(30歳以上未経験男性)は長野県民に匹敵する209万人もいるそうですよ!

この本の中でアイドルオタ、アニオタ、ネトウヨ、介護職員、AV男優といった中年童貞たちが次々に登場してきます。
名古屋大学院卒ながら挫折の末にAV男優になるもAV女優に嫌われ続け童貞のまま自殺した鈴鹿イチロー氏も衝撃的ですが
モテないために自らホモだと自己暗示をかけてハッテン場に繰りだし男とセックスして孤独を癒やしているという男性は圧巻です。
残念ながらハッテン場による一度限りの肉体関係であり、本人も真性のゲイではないのは自覚していることもあってか
男性同士のカップルにはならず、満たされない思いを抱えて苦悩している様はダンテの『神曲』もかくやという地獄絵図です。
この本の中で唯一、脱童貞という希望の光が射しているのがネトウヨの中年童貞さんというのも面白かったですが
他の人たちは自覚している者は諦めの境地、無自覚なものは女性に嫌われ続けるという負の連鎖にあがいているのです。

そして著者がこの本を書こうと思ったきっかけとなる介護職の中年童貞のエピソードで、当の中年童貞そのものの話よりも
介護職というのが今や工場労働者などよりも底辺層の受け皿、吹き溜まりとなってしまっているがために
そのおぞましいまでに性格的に破綻した人々により風俗業界などよりもよほど昏迷しているという実情を知ったことです。
たしかにまじめに働いている人も多いのですが、漢字もろくに書けない無教養かつコミュケーション不能な人さえも
雇わざるを得ない職場環境においては絶え間ない混乱とトラブルを巻き起こしているというのです。
このへんは著者自身がライターの副業で介護職で働いた経験もあるので多く紙幅が割かれているところもでもあります。

そして、どうして中年童貞になったかという結論は、圧倒的に「底辺層」だからだということを喝破しています。
一部に有名大卒のインテリ層もいるにはいるが中年童貞の大多数は確実に底辺層という事実です。
かつて学校では運動も勉強もできず、容姿も優れなかった少年たちが大人になったときに待ち受ける残酷な運命……
さらにごく普通の子供時代を送れなかったことでコミュニケーション能力も未発達のまま大人になってしまっている事実。
しかし彼らはあまりに残酷な現実から意識的ないし無意識的に逃避することで目を背け、
自らの置かれた状況を絶えず他人や社会のせいにしたり、常に誰かに対して苛立ったり、愚痴や悪口を言っている。
その無能さゆえに一度として達成感を味わったことがないため、向上心もなく無気力な性格にもなりがちになっている。

性的というよりも精神年齢が低いまま大人になったがゆえに融通がきかず正論や理想論に固執する頑固な性格が醸成され
やがて練習を含めた恋愛を経験ができる年齢を超えてしまったとき、その純化した彼らの理想は歪んだまま膨張してしまい
「アイドル並みの容姿をした20代で処女としかセックスしない」とか「風俗は汚い」といった理論武装を始めるにいたり
ついに自らの首を締めているとも気づかないまま清い童貞と処女のセックスを信仰する童貞をこじらせてゆくのだというのです。

残念ながらこの本において救われるのは、インテリ系中年童貞が何かをきっかけ(ネトウヨさんの場合は読書会だった)
に奇跡的に自己を見つめなおし改善しようと自覚しないかぎり何も変わらないんじゃないかと書かれています。
だいたい30歳前後のノーリターンポイントを超過してしまったら最後、もう普通の恋愛をするのは不可能となってしまい
暗に底辺層の中年童貞には美しき女神はおろか蜘蛛の糸さえないであろうことが示唆されていました。

でも、このような無能な人たちというのは別に今の世だから急に現れたわけではなく、昔はもっと多かったはずです!
しかるに昔の男女はほぼ全員(同性愛者さえも含め)が結婚して、たいてい子供を残しているんですね。
それはまさに「夜這い」や「お見合い」といった古来からの風習によりうまいこと回っていたからだと結論されています。
つまり地域社会がダメ男でもそれなりにサポートすることによってかろうじて成立していたシステムが
キリスト教的な西洋文化の流入により忌避され、すべて自己責任となったとき普通に生きる能力のない者が淘汰されてしまったと。
キリスト教はよく「童貞の宗教」だと言われますが、まさに多数の童貞を生み出す宗教なのかもしれません。

さてライトノベルというジャンルもまた今では完全に中年童貞たちの逃避のためのシェルターにもなっています。
それ自体は需要があるからであり、ビジネスとして良いことでもないし悪いことでもないでしょうが、
それを悪意に満ちて弱者たちを食い物にするのは倫理的にもけっして許されるべきものではありません。
童貞を脱する勇気を与え、意識改革させる、そんな作品があってもいいんじゃないかと思いますが、たぶん売れないんでしょうね。
人は見たいものだけを見るし、甘やかしてくれる口当たりのよい言葉になびいてしまいますから……
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