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UNO=日昌晶

Author:UNO=日昌晶
日昌晶(ひよしあきら)
小説家にして作家デビュー請負人、ストーリーコミュニケーションコンサルタント
原稿執筆や講演・講義、オタクビジネス・マーケティングのコンサルティングまで幅広く活躍中!
 unokyokai@gmail.com

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ラノベ的ヒーロー・ヒロインの起源を求めて(3)

ちょっと間があいてしまいましたが、前回まではヒーローの源流を辿っていきまして
今回はヒロイン像についての考察を加えてみたいと思っています。

まずラノベ的ヒロインは、やはりヒーローと同じく読者世代と同じハイティーンであり
同世代から支持されるものでなければならないわけですが、これをアニメや漫画に起源を求めると
意外にも直系となる祖先のかたちがなかなか見つけられないという壁につきあたります。

なぜなら基本的にハイティーンの少女が主人公の作品というのは、往年の作品を振りかえると
少女漫画以外にはあまりないんですね。なかなか少年漫画には見受けられません。
たしかにコバルト文庫などは少女漫画の影響をマトモに受けていますので、
少女漫画を直系の祖先であると断言できますが、少年向けとは関係性が希薄であり別系統なのです。

ところが現在の少年向けライトノベルではヒーローよりもヒロインが隆盛を極めています。
その雛形となるヒロインはどこからやってきたのかということを考えなければいけません。
彼女たちはどこで誕生したのかとうことを突き止めていくことにしました。

そこで目をつけたのが「萌え」というファクターです。
生物の進化系統を調べるには、化石なら特徴的な骨を比較してゆきますが
ラノベ的ヒロインについては、その最たる特徴である「萌え」に注目して掘りさげてみます。
ラノベ的に萌える特徴として挙げられるのは、ツンデレなど独特の記号分類もあるわけですが
その源流には非現実的な少女像の具現化にあると思うのです。
つまり男子の幻想にのみ生きる「守ってあげたくなる存在」であることが萌えなのだと。
守ってあげたいというのは方便でありまして、もっとありていに言うならば
どんなダメダメな男子でも「自分の自由にできる存在」であることこそが萌えなのです。
ツンデレというのも、やはりダメダメであっても「デレ」てくれる。
つまりダメな自分をありのままに許容してくれる存在を求めているわけです。
そういうと母性のようでもありますが、純然たる母親のごとき母性とは異なっていまして
母性は守ってもらうという図式になりがちですが、萌の場合は自分が守るという意識があるため
相手には女性の持つイメージのひとつとしての「か弱さ」「はかなさ」をも求めているのです。
よって母性とともにか弱さを象徴する処女性をも併せ持つ存在こそが「萌え」となるのです。

これは豊穣を司る象徴として多数の乳房を持つ姿であらわされたりしながらも
処女性をも司るアテナやアルテミスといったギリシア神話の女神たちを彷彿とさせるものであり、
このような特徴こそが「萌え」の起源ではないかと思うのです。
この特徴はキリスト教においても、聖なる母であり、処女懐胎を成した聖母マリアとも共通します。
であるならば、すでに人類は神話の時代から世界的に「萌え」を志向していたことになります。
しかしながら童貞の宗教と言われるキリスト教では聖母マリアは神聖な存在とされたがゆえに
歴史上の聖女になぞられたことはあっても、恋愛対象とはならないよう注意深く扱われてきたのに対して
日本のようなアニミズムを背景とする多神教においてカミとは唯一絶対の創造主ではなく
強大なカミもいるが、中には人よりも弱いカミや零落して力を失ったカミの存在も認めているがために
ついには恋愛対象とまでなっていったのではないでしょうか。
またピグマリオンコンプレックスも微妙に関係するかもしれません。

そう考えてゆくと「萌え」を具備するラノベのヒロインとは民俗学的にカミとみなせるのではないでしょうか?
一部の層においてヒロインは信仰にも似たファン(ときに信者とさえ呼ばれる)が存在しているわけですし
もともと「アイドル」という語句は「偶像」を意味するわけですから、
ヒロインのフィギュアがこれほど氾濫していることを鑑みれば、当たらずとも遠からずと言えるでしょう。
もう断言して今しましょう。ラノベのヒロインとは現在のカミそのものです。
母性と処女性という矛盾を兼ね備えた現実女性ではあり得ない現代の女神たちなのです。

では、次回より、もっと具体的にヒロインの誕生を追っていきましょう。
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