L'Anovelién

UNO=日昌晶

Author:UNO=日昌晶
日昌晶(ひよしあきら)
小説家にして作家デビュー請負人、ストーリーコミュニケーションコンサルタント
原稿執筆や講演・講義、オタクビジネス・マーケティングのコンサルティングまで幅広く活躍中!
 unokyokai@gmail.com

SEARCH

CONTENTS
LATEST
LINK
BOOKS

RSS
COUNTER

ライトノベル創作教室ラノベりあん 中二病でも書けるライトノベル教室♪

小説の楽しい書き方講座ブログ 毎週開催の創作塾と連動中!

ラノベ的ヒーロー・ヒロインの起源を求めて(5)

ついに佳境に入りました、、ラノベ的ヒロインの起源ですが、今回は80年代を代表する
週刊少年サンデーの2本柱『うる星やつら』と『タッチ』からラノベ的ヒロインの源流を求めてきます。

前回は『ねらわれた学園』の薬師丸ひろ子に起源を求めてみたわけですが
小説作品的には1973年刊なわけですが、大林監督版の映画公開は1981年7月です。
そして今回、俎上にあげる『うる星やつら』の初掲載は1979年、週刊連載開始が1980年で
『タッチ』については1981年連載開始となっていて、ほぼ同時期だったことがわかります。

特に『うる星やつら』については当初は純然たるスラップスティックなギャグ路線だったのが
主人公ラムと諸星あたるを中心とするなんでもありのドタバタ調ラブコメへと移行することで
今にもつづく絶大な人気を獲得し、当時のオタク文化に多大なる影響を及ぼしたのは言うまでもありません。
ライトノベルにおけるラブコメおよびコメディは、まさに『うる星やつら』の直系の子孫
あるいは亜流とも言うべきほど、現在のラノベの特質がほぼすべて『うる星やつら』に時点で出きっているんですね。

では、なぜラムがラノベ的ヒロインの起源でないとするのかというと、
作者の高橋留美子が女性であったがゆえに、ラムの描き方、視点が女性目線になっているからなんですね。
ラムはダメ男のあたるに対して一途に惚れるわけですが、彼女は無条件にあたるを認めることはしません。
ラムは最初から最後まで「うちだけを見て!」というメッセージを送り続け、
それに抵抗するあたるに対しては無慈悲なまでに電撃制裁を加えているんですね。
たしかに浮気に対して逆上するヒロインが主人公少年を虐待する展開はラノベにも多いわけですが
そのときのヒロインの表情を見てみると如実に違うんですね。
一部のエピソードを除いてラムは多くの場合、怒りのままに制裁を加えますが、
ラノベ作品でのヒロインの多くは浮気されたことに悲しんで涙を浮かべたり
嫉妬して怒っている自分を気恥ずかしく思って顔を真っ赤にしたりすることがあるはずです。
このちがいは何かというと、前者は女のシビアな視点であり、後者は男の都合のいい解釈による視点だからです。
ささいなちがいではありますが、これは決定的なことなんですね。
ラノベ的ヒロインは男性の都合にいい矛盾した非現実的な存在でなければならないわけですから
そこにリアルな女が見え隠れしていては、マズいわけです。
ゆえにほぼ全てのラノベ的な要素を含んでいた『うる星やつら』であっても、
そのヒロインであるラムが必ずしもラノベ的ヒロインの元祖とするには微妙に食い違ってくるのです。

一方で『タッチ』のヒロイン朝倉南は、ラムよりカバーするファン層は広かったわけですが
当初は従来の少年漫画に見られる主人公少年の”相手役”としてのポジションにあるヒロインでした。
しかし南ちゃん人気が先行したこともあり、確固たるヒロインの新しいポジションを確立するわけです。
相手役であるがゆえにダメ男(当初はそう見えた)達也に対して想いを抱くというパターンは
非現実的な「どこまでも男に都合のいい女性」であり「また全てを受け入れてくれる女性」
しかも「しっかりもの」でもあるラノベ的ヒロインの特徴を有していると考えます。

ところが、ここにも問題点があります。
つまりタッチはあくまで双子の上杉達也を主軸とするラブコメ要素のある野球漫画なわけです。
よって当初は野球部のマネージャーなりと、どうしても少年主人公のサポート的な位置づけに終始してしまい
ラノベ的ヒロインのような少年主人公を追いやるほどの強烈なインパクトのある自主性がないんですね。
とはいえ、後半で朝倉南が新体操部に入るあたりで、達也の相手役というポジションから脱却し
ヒロイン朝倉南そのものとして自主性をもって活躍することになるわけです。
しかし、それはすでに薬師丸ひろ子登場以降のことなのです。

よって双方を鑑みると、やはりラノベ的ヒロインの元祖的存在は、異論は多いとは思いますが
『ねらわれた学園』の薬師丸ひろ子にあったと言わざるをえないのですね。

長々と書き続けてきましたが、今回でひとまず書きたいことは書ききったので
このシリーズは終了したいと思います。
またなにか新しく思いつきましたら、そのときは随時また書いてゆこうと思っています。
関連記事

コメント

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://lanovelien.blog121.fc2.com/tb.php/102-f0ba7353

HOME
広告: