ラブコメを書くために必要なエッセンス
前回エントリーの補足記事です。
ライトノベルで需要の高いのがラブコメ要素で、ラブコメそものものではなくてもラブコメ要素がない作品はまずありません。
そこで今回はラブコメ要素を入れるためには最低限なにを入れておけばいいのかについて簡単に示してみます。
特に断りがない限り少年向けについての言及ですが、性別を反対にすれば少女向けとしてもほぼ通用します。
まず一番肝心なのが【ヒロイン】の存在です。
ここでヒロインはどういう性格なのかという一番重要な設定は置いておいて、立ち位置的なところを考察してみると
ほとんどの場合に共通するところが、ひとつあります。
それは「周囲の男たちからはとかく敬遠されがちな存在」であることです。
設定的にはいろいろあると思いますが、人を寄せつけない雰囲気というのもあれば、やんごとなき家系のせいであったり
性格が破綻しているとか、はたまた父親がおそろしく恐いとか、実は男だったりとか、まあいろいろとあると思います。
しかし基本的には主人公少年も含めて美少女なのに惜しい存在のため恋愛対象にはしにくいわけですね。
前回、例に挙げた作品でも『きまぐれオレンジ☆ロード』の鮎川まどかは同級生から不良と思われていたりと孤独癖があるし
『めぞん一刻』でも音無響子は亡き夫に未練たらたらの未亡人ということで、ちょっと口説きにくい感じです。
『みゆき』だと血のつながらない妹ということで主人公少年のみ道義的に恋愛対象にしにくい感じですが
他の男たちにとっても親密すぎる兄妹の世界に入り込めないところがったりして同様の効果を出しています。
要は美少女なのに恋敵となるライバルは意外と少ないのが特徴です。
他にはモテモテ設定であっても取り巻きはいるがそれ以上踏みこんでくる男はいないとかそういうケースもありまして
物理的な距離感よりも心理的な距離感のとっつきにくさが重要視されるところもよく考慮してください。
つぎに【主人公少年/青年】については、基本的にラブコメのストーリーを展開するためには
たいてい2人以上の女性との関係でシーソーのように揺れ動かさないといけないため【優柔不断】でなければいけません。
決断力がある主人公だと迷わず即断で相思相愛のヒロインと付き合っておしまいですからね。
(その気のないヒロインに猛アタックするタイプのラブコメもありますが数はあまり多くないですよね)
そして優柔不断というのは、よく言えば「やさしい性格」「誰にでもよい顔をする性格」ということになりまして
主人公というのは「やさしさ」だけが取り柄みたいな感じに収まることが多いです。
これは主人公と読者を重ねあわせるため、たいていの読者は特に秀でたところがないですから、そういうふうになります。
ですが「やさしいだけで何の取り柄もない」みたいな主人公を活躍させるのはなかなか難しく純粋なラブコメでないと難しいので
昨今の複雑化したラブコメにおいては取り柄として”超自然的”な特技を持たせるのが一般的なものとなっています。
なぜ超自然的かというと、特に何ら取り柄もない読者にとっては憧れの対象だし、もしも自分だったらと想像しやすいんですね。
おそらくこの手の設定は『きまぐれオレンジ☆ロード』の主人公である春日恭介から始まったように思われます。
彼は超能力者一家ということでテレポーテーション他いろいろな超能力が使えることにより、いろいろと役に立ったり
かえってトラブルを巻き起こしたりするという展開で今までにないラブコメを演出しました。
ただし超自然的な設定をとりいれるとリアルさは失われてしまうので、そこは自分の作品にふさわしいかどうか判断してください。
そしてヒロインと主人公の関係性ですが、ことさら男性向け作品では男性上位の関係性を求めます。
(この点に関しては女性向けであっても性別が逆転して女性上位とならず、そのまま男性上位になるのが基本です。)
普通に考えたら超美少女と凡夫ではヒエラルキーが高いのはヒロインの方ですが、それではいけません。
何らかの仕掛けによって一部分であっても男性上位にしないとウケないのが男性向けの恋愛観なのですね。
たとえば今では創作として認知されている『電車男』でもヒロインのエルメスは電車内でおっさんに絡まれて弱り果てるところに
勇気出しておっさんを撃退するオタクの主人公という展開で、弱い女と強い男という構図を一時的であっても生み出していて
結局のところヒロインもまたその自分を守ってくれた強さに惹かれるというふうになっていますよね。
また同じく実話っぽい創作で有名になった『ゲーセンであった不思議な子』でもヒロインは友だちがいないとか難病とか
何かと男性の方が上であることを示す設定を巧妙に配置していたりします。
だいたい女性に全くモテない男が性犯罪を犯すとき、幼女や女児を狙うのは大人では童貞の自分が下位になってしまうので
どうにかして自分が優位に立てる存在へと攻撃対象が向くからで、これはおそらく男の本能的なものかもしれません。
以上3点はほとんどのラブコメもしくはラブコメ的シチュエーションには必須の要素となっているので
設定を考える際にはテンプレートとして忘れずに骨格となるように配置してください。
あえてケレン味をだすためにテンプレから外れるのもアリですが、基本を理科したうえではずしてくださいね。
ライトノベルで需要の高いのがラブコメ要素で、ラブコメそものものではなくてもラブコメ要素がない作品はまずありません。
そこで今回はラブコメ要素を入れるためには最低限なにを入れておけばいいのかについて簡単に示してみます。
特に断りがない限り少年向けについての言及ですが、性別を反対にすれば少女向けとしてもほぼ通用します。
まず一番肝心なのが【ヒロイン】の存在です。
ここでヒロインはどういう性格なのかという一番重要な設定は置いておいて、立ち位置的なところを考察してみると
ほとんどの場合に共通するところが、ひとつあります。
それは「周囲の男たちからはとかく敬遠されがちな存在」であることです。
設定的にはいろいろあると思いますが、人を寄せつけない雰囲気というのもあれば、やんごとなき家系のせいであったり
性格が破綻しているとか、はたまた父親がおそろしく恐いとか、実は男だったりとか、まあいろいろとあると思います。
しかし基本的には主人公少年も含めて美少女なのに惜しい存在のため恋愛対象にはしにくいわけですね。
前回、例に挙げた作品でも『きまぐれオレンジ☆ロード』の鮎川まどかは同級生から不良と思われていたりと孤独癖があるし
『めぞん一刻』でも音無響子は亡き夫に未練たらたらの未亡人ということで、ちょっと口説きにくい感じです。
『みゆき』だと血のつながらない妹ということで主人公少年のみ道義的に恋愛対象にしにくい感じですが
他の男たちにとっても親密すぎる兄妹の世界に入り込めないところがったりして同様の効果を出しています。
要は美少女なのに恋敵となるライバルは意外と少ないのが特徴です。
他にはモテモテ設定であっても取り巻きはいるがそれ以上踏みこんでくる男はいないとかそういうケースもありまして
物理的な距離感よりも心理的な距離感のとっつきにくさが重要視されるところもよく考慮してください。
つぎに【主人公少年/青年】については、基本的にラブコメのストーリーを展開するためには
たいてい2人以上の女性との関係でシーソーのように揺れ動かさないといけないため【優柔不断】でなければいけません。
決断力がある主人公だと迷わず即断で相思相愛のヒロインと付き合っておしまいですからね。
(その気のないヒロインに猛アタックするタイプのラブコメもありますが数はあまり多くないですよね)
そして優柔不断というのは、よく言えば「やさしい性格」「誰にでもよい顔をする性格」ということになりまして
主人公というのは「やさしさ」だけが取り柄みたいな感じに収まることが多いです。
これは主人公と読者を重ねあわせるため、たいていの読者は特に秀でたところがないですから、そういうふうになります。
ですが「やさしいだけで何の取り柄もない」みたいな主人公を活躍させるのはなかなか難しく純粋なラブコメでないと難しいので
昨今の複雑化したラブコメにおいては取り柄として”超自然的”な特技を持たせるのが一般的なものとなっています。
なぜ超自然的かというと、特に何ら取り柄もない読者にとっては憧れの対象だし、もしも自分だったらと想像しやすいんですね。
おそらくこの手の設定は『きまぐれオレンジ☆ロード』の主人公である春日恭介から始まったように思われます。
彼は超能力者一家ということでテレポーテーション他いろいろな超能力が使えることにより、いろいろと役に立ったり
かえってトラブルを巻き起こしたりするという展開で今までにないラブコメを演出しました。
ただし超自然的な設定をとりいれるとリアルさは失われてしまうので、そこは自分の作品にふさわしいかどうか判断してください。
そしてヒロインと主人公の関係性ですが、ことさら男性向け作品では男性上位の関係性を求めます。
(この点に関しては女性向けであっても性別が逆転して女性上位とならず、そのまま男性上位になるのが基本です。)
普通に考えたら超美少女と凡夫ではヒエラルキーが高いのはヒロインの方ですが、それではいけません。
何らかの仕掛けによって一部分であっても男性上位にしないとウケないのが男性向けの恋愛観なのですね。
たとえば今では創作として認知されている『電車男』でもヒロインのエルメスは電車内でおっさんに絡まれて弱り果てるところに
勇気出しておっさんを撃退するオタクの主人公という展開で、弱い女と強い男という構図を一時的であっても生み出していて
結局のところヒロインもまたその自分を守ってくれた強さに惹かれるというふうになっていますよね。
また同じく実話っぽい創作で有名になった『ゲーセンであった不思議な子』でもヒロインは友だちがいないとか難病とか
何かと男性の方が上であることを示す設定を巧妙に配置していたりします。
だいたい女性に全くモテない男が性犯罪を犯すとき、幼女や女児を狙うのは大人では童貞の自分が下位になってしまうので
どうにかして自分が優位に立てる存在へと攻撃対象が向くからで、これはおそらく男の本能的なものかもしれません。
以上3点はほとんどのラブコメもしくはラブコメ的シチュエーションには必須の要素となっているので
設定を考える際にはテンプレートとして忘れずに骨格となるように配置してください。
あえてケレン味をだすためにテンプレから外れるのもアリですが、基本を理科したうえではずしてくださいね。
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