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UNO=日昌晶

Author:UNO=日昌晶
日昌晶(ひよしあきら)
小説家にして作家デビュー請負人、ストーリーコミュニケーションコンサルタント
原稿執筆や講演・講義、オタクビジネス・マーケティングのコンサルティングまで幅広く活躍中!
 unokyokai@gmail.com

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本物の騎士の声を聞け


鉄腕ゲッツ行状記―ある盗賊騎士の回想録 (ゲッツ・フォン ベルリヒンゲン著)

 ライトノベルといえば、中世ヨーロッパ風の異世界ファンタジーが定番。そして、そんな作品の主人公といえば、やっぱり騎士が圧倒的ですよね! とはいえファンタジー小説以外の騎士がどんなだったかを知っている人は意外と少ないんです。『アーサー王と円卓の騎士』といった代表的な騎士物語さえ読んだことがない人も多いのでは? いわんや実在した騎士について知っている人はほとんどいないと言っていいでしょう。

 しかし、ここに一冊の本があります。”鉄腕ゲッツ”と勇名を馳せた鋼鉄の義手を持った騎士ゲッツ・フォン ベルリヒンゲン(1480-1562)その人が記した貴重な記録です。日本人には馴染みは薄いですが、地元ドイツでは知らぬ人のいない英雄です! あの文豪ゲーテさえも戯曲『ゲッツ・フォン・ベルリヒンゲン』(1773年)としてゲッツの活躍を書き残しているくらいですから。

 ゲーテの戯曲中のゲッツは重税に苦しむ農民たちが蜂起したドイツ農民戦争の指揮官として庶民の味方、民衆の英雄として描かれる一方、盗賊騎士として悪名を轟かせた鉄腕ゲッツとは、いったいどんな人物だったのか? 戦場では傭兵部隊の台頭により昔ながらの騎士の地位が失われ没落しつつあった時代にゲッツはどう生き抜き、どう語っているのか?

 この本はゲッツ本人の回顧録です。作家の手による手記ではないので、多少読みにくさはありますが、そこには騎士としての”生の声”が残されています。ヨーロッパでは貴族や騎士の多くが文盲であった時代が長かったため、騎士自身の遺した記録はまずありません。なので私たちの知る騎士のイメージはフィクションの騎士です。そのため誰かの創作したファンタジーで語られるニセモノの騎士などではなく、歴史上実在した本物の騎士とはどんな生き様だったのかを知るには、この本がほとんど唯一無二です。

 異世界ファンタジーを志す人なら、読んでみて損はないでしょう。あわせてゲーテの戯曲に登場するゲッツの姿とも比較してみるのも、どうやって英雄伝説が生まれてゆくのかの過程がわかって、とても興味深いです。余談ですが、漫画『ベルセルク』のガッツのモデルになったのも、名前といい、精巧なギミックを備えた鉄の義手といい、おそらくこのゲッツでしょう。 <UNO

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コメント

from saayaakaa
そうです。ベルセルクの作者が、ここからネーミングしたとインタビューに答えて言っていましたよ(^^)
それにしても「鉄の義手」だなんて、実在したとは思えない出来すぎのギミックですよねぇ。
『現実』の懐の広さにはめまいすら覚えます。

from 111
ゲッツって、悪質な強盗や脅迫をした、盗賊騎士として有名ですけど

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