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UNO=日昌晶

Author:UNO=日昌晶
日昌晶(ひよしあきら)
小説家にして作家デビュー請負人、ストーリーコミュニケーションコンサルタント
原稿執筆や講演・講義、オタクビジネス・マーケティングのコンサルティングまで幅広く活躍中!
 unokyokai@gmail.com

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世界ゾンビ大戦を体験せよ

ブラッド・ピット主演で制作中のゾンビ映画の原作小説『WORLD WAR Z』を読了しました。
今回おすすめする、この小説のスタイルは普通とはちょっとちがうんですね。
作品そのものが、ある架空の設定の元に書かれた本という設定になっているんです。

10年前、中国の奥地で発生した謎の疫病は世界中に蔓延し、全世界はゾンビに覆いつくされた。
この本の作者は国連職員として、ゾンビと人類の戦いを生き抜いた全世界の人々にインタビューしたものを
一冊の本にまとめて発表した体裁となっているんです。凝ってますね。

この作品のスタイルは「オーラル・ヒストリー」と呼ばれるものだそうです。
作者のマックス・ブルックス自らが語るところによると、個人の体験から第二次世界大戦全体を
ノンフィクションで描いたスタッズ・ターケルの『よい戦争』に影響を受けたとのことです。
指導者や英雄の視点から描くのではなく、あくまで一般人の目線で歴史の全貌を語ろうと
模索するスタイルがオーラル・ヒストリーというものなんですね。

ですから、この作品ではアメリカを中心として、中国、ロシア、ヨーロッパ、ついでに日本において
いかに人類がパニックに陥り、絶望し、そして立ち上がっていったかが、
インタビューを受けた人物の口をとおした、彼らを主人公とした体験記として語られます。
偽ゾンビワクチンを売って大儲けした男、逃げ惑うだけだった少年、緒戦で大敗を喫した米軍兵、
副大統領もいれば、『沈黙の艦隊』を彷彿とさせる中国海軍艦長、巨大燭台で子供を守り抜いた老尼僧など
人種も社会的地位も経歴もバラバラな人物がつぎつぎに登場してきては、忌まわしい体験を語ってゆくことで
恐るべきG、あるいはザック、屍食鬼(グール)、グンタイアリ、さまざまな名で呼ばれる敵との戦いが
さらにゾンビよりも怖ろしい人間同士の醜い戦いが、しだいに全貌を明らかにててゆくんですね。

あまりネタバレしてしまうと、おもしろくないので多くは語りませんが
この作者、本当によく調べていると思います。ネイティブにはちょっと首を傾げる箇所もありますがw
日本人でインタビューを受けるのは2名で、そのうちのひとりは引きこもりのオタクです。
作者はどこで調べたのか、アイヌや在日朝鮮人、被爆者への差別、暴走族、キティちゃん、神道、
なんと浜田と松本まで登場してきます。
さらに人口過密な日本列島は防衛不可能と放棄して移住しようと提案する人物の名は小松博士。
まずまちがいなく『日本沈没』の小松左京からとったんでしょうね。
どうでもいいですが作者のブルックスさんは楳図かずおファンらしいですw
ぜひ日本刀片手にダイハードみたいな大活躍のオタク少年、近藤辰巳くんの活躍にご期待ください!

そうそう、浜野アキオさんの翻訳も秀逸なんです。
急造の対ゾンビ兵器用として急造された武器は、その名も「ロボトミーくん」ですよ!
ただ英語を音写すれば「ロボトマイザー」となるところですが、このセンスは素晴らしいですよねw
ちなみに実際にロボトミーくんを作ってる奇特なアメリカ人もいます。
「LOBO WWZ」で画像検索すれば、ロボトミーくんがどんな武器か見られますよ。

ライトノベルはキャラクター小説であり、いかに主人公を引き立てるかという演出なのですが
この小説では100人近い主人公が次々に変わってゆくのが特徴なのでラノベとは対局になりますので
近い作品としては『ブギーポップ』シリーズや『バトルロワイヤル』が挙げられますが
それともまたちがうスタイルですから、そのままライトノベルで使える手法かというと
ちょっと使えないとは思いますが、こういう演出表現もあるんだなと参考にしてもらえたらと思います。

映画は2012年公開予定らしいですが、映画の脚本はどうなるんでしょうね。
原作に忠実な演出としてドキュメンタリー的な細切れのエピソードを羅列してゆくのか
もしくは、いくつかのエピソードを抜き出し合体させて1本のストーリーものにしてしまうのか
……ブラピが主役に決定しているので後者っぽいかな。
なので『ダ・ヴィンチ・コード』同様、ほぼまちがいなく原作小説のほうがおもしろいと思います。

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