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UNO=日昌晶

Author:UNO=日昌晶
日昌晶(ひよしあきら)
小説家にして作家デビュー請負人、ストーリーコミュニケーションコンサルタント
原稿執筆や講演・講義、オタクビジネス・マーケティングのコンサルティングまで幅広く活躍中!
 unokyokai@gmail.com

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トイ・ストーリー3にみる物語構造

世界興行収入ではアニメーション歴代1位を獲得した『トイ・ストーリー3』はもう観ましたか?
エンタメ系作家志望なら物語構造を勉強するためにも、ぜひ観ておくとよい作品ですよ。
今回は、あまりネタバレしない程度に、その物語構造のテクニックについて書いていきます。

今回のトイ・ストーリー3では2つの観客をターゲットにしています。
それは「現役でオモチャと遊んでいる子供」と「オモチャを卒業した大人」です。
3は2の10年後という設定なので、宿命として「オモチャとのわかれ」がテーマになっているわけですが
これはあくまでも大人向けのテーマであって、子供たちにはオモチャには命があるというファンタジーと
ハラハラドキドキの大冒険を楽しんでもらうように構成されているんですね。

実際、サブキャラから背景の一部としてちらっと登場するだけのオモチャやゲームの
おそらく6~7割ほどが映画公開よりもずっと以前から販売されている定番オモチャであり、
アメリカ人の大人にとっても懐かしさをを感じさせるものとなっていたり
主役のウッディやバズなどオリジナルのオモチャも映画公開に合わせて商品化されているので
子供たちにとっても、思わず欲しくなってしまうものとなっているんですね。

そういうギミックを仕掛つつ、物語も壮大な冒険物語となっているんですね。
そこには作家志望初心者の人には特に参考にしてほしいことが、たくさんつまっています!
どこに注目してほしいかというと、主人公たちがピンチになるところです。

ネタバレになるのであまり詳しくは書かないことにしますが、冒頭部分でいうならば
オモチャの持ち主であるアンディが大学進学のために家を出るにあたり、
オモチャたちは一緒に大学に連れていってもらえるか、それとも屋根裏にしまわれるか
最悪の場合、ゴミとして捨てられてしまうかという重大局面から物語がはじまります。
これはピンチですよね。人間でいうなら裁判の判決シーンからはじまるようなものです。
しかも観客としては、どちらにしろオモチャたちにとって幸福な選択はありえないことがわかりきっています。
だからこそ観ていてハラハラドキドキするわけです。
初心者のプロットを読むと、まずこういう冒頭から主人公がピンチになるってことはないですよね。
たいていどうでもいい人物紹介を兼ねたようなダラダラとした導入部からはじまるので
作品を読むにも緊張感に欠けてしまい、どうしても集中力が続かないことが多くなります。

しかもトイ・ストーリーの場合、このピンチがこれでもかと何度も何度も押しよせてきます。
どうにかピンチを切り抜けて、ほっとしたのも束の間、さらなるピンチが迫ってきて
息もつかせぬジェットコースター的な展開はアドベンチャー映画の真骨頂となっています。

そして、このピンチになるときの状況を特に見てもらいたいんですね。
初心者が考えるピンチというのは、主人公であろうと、一般人であろうと
必ず同じような展開で陥るようなパターンが非常に多いんです。
たとえば「大勢の敵に囲まれてしまう」とかですよね。
はっきりいって、そういう展開って読者的にはつまらないんですよ。

主人公には個性や性格があって、それぞれ長所と短所があるはずですよね。
ピンチに陥るなら、そこを巧く使ってピンチに陥ってほしいわけです。
情に厚い主人公が敵に情けをかけたためにピンチになるとかですよね。
つまり、もしも情に厚くない主人公ならピンチにはならない。
その主人公”だから”ピンチになってほしいわけです。

誰でもピンチになるような状況に主人公を追いつめるようなやり方ばかりではなく
主人公の性格や行動パターンによってある選択をした結果としてピンチになるほうが
読んでいても楽しいし、いろんなパターンを用意することができるんですね。
頭ではわかっている人も多いんですが、実際にプロットとして考えてもらうと
実践できていない人が目立つんですよね。

そして主人公をピンチに陥らせるにも、その後の展開を考慮してヌルい場合が多いんですよ。
「これのどこがピンチなの?」っていうものは、ただの作家サイドの都合にすぎません。
読者としては、もっともっと主人公はどん底まで落ちて、そこから見事、復活してほしいわけです。
ところが主人公がどん底まで落ちちゃうと、作者としてはどうやって主人公を
復活させていいか困ってしまうので、どうしてもピンチも中途半端になってしまうんでしょう。

でも、そんなことは絶対にやってはいけません!
作者がその後の展開に当惑してしまうくらいで、ちょうどいいんです!
そこまで主人公も作家も追いつめて、そこからどうクライマックスにもっていくかが
作家の腕の見せどころなんですから、それを避けていては作家の資格はありません。

だから、もっともっと主人公を痛めつけて、作者はそれ以上に悩みぬいてください。
より悩んだシチュエーションほど、そのシーンはおもしろくなる要素が含まれています。
はっきり言って、作者がたいして悩まず解決策を導ける程度のピンチなんて
読者にも展開がバレバレですから、ピンチでもなんでもないし、おもしろくもありません!

あなたの主人公はどこまで追いつめられていますか?
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