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UNO=日昌晶

Author:UNO=日昌晶
日昌晶(ひよしあきら)
小説家にして作家デビュー請負人、ストーリーコミュニケーションコンサルタント
原稿執筆や講演・講義、オタクビジネス・マーケティングのコンサルティングまで幅広く活躍中!
 unokyokai@gmail.com

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架空異世界の祭礼に関する考察(1)

いつもの創作のための講座ではなくて、実際に物語を書くうえで参考になることを書いてみます。

今回とりあげるのは「お祭り」です。
ええ、今週末、地元の秋祭りがあるので、ふと思いついただけですw

異世界ファンタジーを描くときには、できるだけ世界観は緻密に設定したほうが
架空世界にリアリティを与えるので、とても重要なものですね。
特にその異世界で市井の人々の日常生活に関する風習や習俗といった民俗学的な設定というのは
社会制度や科学文明、軍事制度といった派手な設定ばかりに目がいってしまって
なかなかそこまで考えているプロ作家も多くないというのが現状です。
だからこそ、そういったところにもきちんと設定が練られていれば、あなたの武器になってくれますよ。

今回は民俗学では、もっともメジャーな祭礼についてです。
宗教行事というのは、どんな世界でも行われていますが、実際にどんな祭りが行われているのか
知らない人も多いのではないかと思いますので、今回は異世界での”祭り”を設定するときに
役に立ちそうな知識を概略として説明していきましょう。

まず世界的に見て、祭りの時期は四季ごとにあり、春分、夏至、秋分、冬至を前後する期間に
行われることが多いのです。太陽の運行に関わるので、神秘的な意味合いもあるんですね。
それでは、それぞれの季節の祭りの特徴について見てみましょうか。

【春分祭】 正月 カーニバル(謝肉祭) イースター(復活祭) 節分 花見

四季のある地域では長く厳しい冬が終わり、春の到来を喜ぶ祭りが行われます。
冬の「死」「静」から春の「生」「動」の季節への転換を祝うのです。
アジア圏では「新年」と設定されてきたので、特に盛大に祝うことになります。
現在でも中華圏では春分に近い旧正月を中心に祝っていますよね。
日本でも新しい年の「歳神」を迎えるための盛大な祭りとされていました。
しかし日本では太陽暦の採用で新年の時期がずれてしまい、
この時期は現在では年越しの「追儺」から派生した「節分」のような地味な行事しかありませんが
代わりに遅れて「花見」として宗教とは無関係な宴が全国的に催されることで代替されています。

しかしながら冬は作物が育たず、秋に備蓄した食べ物を食べてきたわけですから
時期的に気温は暖かくはなっても最も食糧が乏しい時期でもあります。
作物の生産能力と食糧保存技術なくしては、この時期に祭りをすることはできません。
実際に20世紀まで朝鮮や中国では「春窮」といって毎年1年のうちで最も多くの餓死者をだしていました。

またカトリック圏では四旬節という断食(節食)の時期であり、四旬節にはいる前にカーニバルでバカ騒ぎして
四旬節が明けてのイースターはクリスマス以上に大切な宗教行事となっています。


【夏至祭】 お盆 夏祭り 七夕

アジア圏では特にアニミズム的な祖霊供養のための祭りが夏の時期に集中します。
「七夕」も本来は祖霊供養の行事だったものが、今のような形に変化したものです。
先祖の霊が戻ってくる時期は、本来「お盆」と「正月」だったのですが、
仏教との習合の影響で、しだいに夏の「お盆」だけになっていきました。
テレビなどで心霊特集や怪談話が夏に多いのも、この祖霊信仰によります。

欧米圏全体で見ると、夏の時期に大々的な祭りは特にありませんが
北欧など夏の短い高緯度地方では、短い夏を謳歌するために、
日本の花見のように、あまり宗教性のない宴として最も盛りあがっています。

宮沢賢治の童話『銀河鉄道の夜』に登場する「星祭り」(銀河のお祭り、ケンタウル祭とも)も
詳細や由来はいっさい不明ですが、夏至の時期に行われる祭りとして描かれています。
ちなみに北欧フィンランド人作家のトーベ・ヤンソンの『ムーミン』でも
夏至祭りはムーミン谷の住人にとって1年で最も大切で盛大なお祭りとされていますよね。


秋分祭と冬至祭については、また次回。
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