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UNO=日昌晶

Author:UNO=日昌晶
日昌晶(ひよしあきら)
小説家にして作家デビュー請負人、ストーリーコミュニケーションコンサルタント
原稿執筆や講演・講義、オタクビジネス・マーケティングのコンサルティングまで幅広く活躍中!
 unokyokai@gmail.com

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水嶋ヒロ KAGEROUのあらすじを読む

Amazonレビューでは、これで一冊の本ができるのではないかと絶賛おもしろレビューが
投稿されまくっている水嶋ヒロこと齋藤智裕の『KAGEROU』ですが、みなさんはすでに読んでみましたか?



この時点で、すでに68万部に達すると報道されつつも、都内の書店では週末までに売り切らないと
Twitterの口コミでさばけなくなるだろうと、ここ数日に勝負をかけている模様です。
ふつうの返本できる再販制ではない、返本できない書店責任販売制ですので
書店で在庫を余らせれば少しくらい売れても赤字になってしまうシステムなんですね。
以前、同様のハリー・ポッター5巻で痛い目にあった書店も多かったとか……

そんな旬のKAGEORUってどんな作品なのか興味あるけど、定価で買うまでもないし
かといってBOOK OFFの100円コーナーに山積みされるまで待てない人のために
私があらすじを読んで、そのあらすじを創作者視点で書いてみたいと思います。

まず文章は平易で読みやすく、単行本1冊ですが通常の文庫本体裁なら中編程度の文章量です。
全編を通してオヤジギャグが炸裂する(主人公が中年男だから)かなり軽いコメディタッチで
命と死という重いテーマを描いて、読者に希望を与えたいという作者の願いがあるようです。
基本的には映画化を前提として作られている、椎名桜子さん以来の売り方ですね。
なにも、この売り出し方は水嶋ヒロさんがはじめてではないんですよ。

※椎名桜子
少女モデルとして活躍後、「名前・椎名桜子 職業・作家 ただ今処女作執筆中」なる
衝撃的キャッチコピーにて大々的に宣伝、売り出された美人小説家(当時22歳)。
職業は作家なのに、まだ処女作執筆中というのは矛盾ではなく、小説が完成する前から
出版社が小説家としてデビューさせることを決定していただけ。
1988年、処女作『家族輪舞曲(ロンド)』を出版、翌年、自身初監督として映画化。
現在、作家業は引退して結婚して幸せに暮らしている。双子の妹は椎名桂子(ジャーナリスト)。

ストーリーのほうはというと、事前情報から藤子不二雄A先生の『笑うせぇるすまん』まんな
じゃないのかという話もありましたが、さほど似たところはないようですね。
かいつまんで説明すると、500万円の借金苦に自殺しようとした中年のヤスオは
寸前のところでマイケル・ジャクソンばりの黒服イケメン、キョウヤにある提案を持ちかけられる。
キョウヤは違法臓器売買組織に属していて、ヤスオの体を2000万で買いたいという。
どうせ死ぬならと、お金を両親に送ることで契約したヤスオは移植のための検査の合間に
移植を待つ心臓病の美少女茜と出会い心を通わせることになる。
途中、つげ義春の『ねじ式』のような手回しハンドルを動かしていないと止まる人工心臓をつけたまま
茜と病院を抜け出したりと、なかなかシュールな展開も見せてくれるようだ。
ヤスオの心臓は茜に移植されているが、ヤスオは茜を傷つけないようにと騙していたと嘘をついて別れる。
契約に従って心臓以外の臓器も摘出するために病院に戻るヤスオだったが、
時を同じくして黒服キョウヤが脳出血で死亡してしまう……
全身をバラされて死んだと思ったヤスオだったが意外にも目を醒ますことになる。
そして鏡を見ると自分の姿として映っていたのはイケメンの顔!
(ヤスオの脳が移植されたらしい)イケメン(元キョウヤ)は、茜の元を訪れて
心臓の音を聞かせてほしいと言うのだった。

作品のあらすじはこんな感じに書いてありました。
なにぶん、あらすじのあらすじなので細かいところはちがっているかもしれませんが
複数のあらすじを参考にしたので、ほぼ合っていることでしょう。

クライマックスで黒服イケメンのキョウヤがいきなり脳出血で死亡するというのは
作中ではどう処理されているのかわかりませんが、かなりご都合主義の展開らしく
これだとライトノベルの新人賞でも2次選考で蹴られるでしょうね。
しかも、このキョウヤ、喪黒福蔵とは大違いで、かなりイイヤツらしいです。
作品として考えた場合、キョウヤの身代わりになるような死に方をしてまで
主人公のヤスオが生き残ってしまって、美少女と結ばれるみたいな余韻で終わらせていいのか、
ちょっと疑問に思ったりもします。

生と死、そして自殺、臓器移植の倫理観など、かなり重いテーマやネタをふりながら
急転直下のご都合主義と全編に渡る軽い文体とオヤジギャグはどうなんでしょうね。
私としては魅力が相乗効果ではなく相殺されてしまうミスマッチなんじゃないかと思います。

なにより作品のマーケティングとして、中年オヤジが主人公というのはいただけないです。
水嶋ヒロのファンなど若い女性層と文芸書が好きな30歳以上の女性層がメイン読者でしょう。
加えてこの過熱報道で普段は本を読まない女性層(主婦層)もたくさん手にしているでしょうが
どちらにしろ中年男性はあまり買って読まないのは明白です。
読者は主人公に共感したいわけですから、ヤスオの設定は完全にミスですね。
基本に忠実なら「ハイティーンの少女」あるいは「30歳代の働く女性」でしょうか。
十代少女にしてしまうと、まるっきりケータイ小説になってしまいそうですがw
もし中年男性を主人公にするならニーズ的になぜか女子大生の若い彼女がいるタフガイですよねw

なにはともあれ、出版社としては売れた者勝ちですし、齋藤智裕さんにとっては2作目が勝負でしょうね。

機会があれば、ほとぼりが冷めたころに図書館で借りて読んでみたいと思います。

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