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UNO=日昌晶

Author:UNO=日昌晶
日昌晶(ひよしあきら)
小説家にして作家デビュー請負人、ストーリーコミュニケーションコンサルタント
原稿執筆や講演・講義、オタクビジネス・マーケティングのコンサルティングまで幅広く活躍中!
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青少年健全育成条例と太陽の季節

きょうは青少年健全育成条例で物議をかもしている石原慎太郎都知事の出世作を紹介したいと思います。

『太陽の季節』(1955年) 第1回文学界新人賞・第34回芥川賞受賞作

高校生・津川竜哉はボクシングに熱中しながら仲間と酒・バクチ・女・喧嘩の自堕落な生活をしている。
ある夜盛り場で知り合った少女英子と肉体関係を結び、英子は次第に竜哉に惹かれていくが、
竜哉は英子に付き纏われるのに嫌気がさし、英子に関心を示した兄道久に彼女を5千円で売りつける。
それを知った英子は怒って道久に金を送り付け、3人の間で金の遣り取り(契約)が繰り返される。
ところが英子が竜哉の子を身籠ったことがわかり、英子は妊娠中絶手術を受ける。
手術は失敗し英子は腹膜炎を併発し死に、葬式で竜哉は英子の自分に対する命懸けの復讐を感じ、
遺影に香炉を投げつけ、初めて涙を見せた。

太陽の季節

この『太陽の季節』は賛否両論をうけながらも100万部超のベストセラーとなり翌年映画化されました。
映画の主演は後に夫婦となった長門裕之と南田洋子のふたり。
そして主人公の友人役で石原裕次郎が兄の晋太郎のゴリ押しで映画デビューしています。
まあ、この作品はもともと裕次郎たち無軌道な若者たち(後に「太陽族」と呼ばれる)がモデルで
元ネタも裕次郎の友人の実話を元にしているので、うってつけの配役だったわけですが。
つづく太陽族映画第2弾『狂った果実』では長門裕之の弟津川雅彦と裕次郎がコネで主演してますが
後々の活躍ぶりをみると、あまり否定的にはなれません。

この作品が品性下劣だとしてもっとも問題視されたのが俗にいう「障子破り」でした。
若い人はまったく知らないでしょうが、55年前も前にこんなシーンを描いたのは画期的だったんですね。
当時、話題紛糾となった「障子破り」シーン抜粋はこちらです。

 夏に入る前、葉山にあったサマーハウスの準備にやってきた英子が、ついでに逗子の竜哉の家を訪れた時、彼は英子をヨットに誘った。夕方舟から上った彼女が、もう東京に帰るのは面倒だから今夜は葉山に泊ると言うので、彼は英子を自宅に連れ戻すと一緒に食事を取り風呂をすすめた。湯上りの彼女を庭に建てられた自分の離れに案内し、
「僕もやっぱり風呂に入って来らあ。悪いけど一寸待ってて。どうせ今夜は良いんだろ」
 (中略)
 風呂から出て体一杯に水を浴びながら竜哉は、この時始めて英子に対する心を決めた。裸の上半身にタオルをかけ、離れに上ると彼は障子の外から声を掛けた。
「英子さん」
 部屋の英子がこちらを向いた気配に、彼は勃起した陰茎を外から障子に突きたてた。障子は乾いた音をたてて破れ、それを見た英子は読んでいた本を力一杯障子にぶつけたのだ。本は見事、的に当って畳に落ちた。 その瞬間、竜哉は体中が引き締まるような快感を感じた。彼は今、リングで感じるあのギラギラした、抵抗される人間の喜びを味わったのだ。
 彼はそのまま障子を明けて中に入った。


この『太陽の季節』に登場する無秩序な行動をとる若者や、作品に影響を受けたとして犯罪行為をする若者、
同映画作品と似たようなファッションをする若者は「太陽族」と呼ばれるようになり
当時、逗子や湘南など海辺には「晋太郎カット」(石原慎太郎の髪型をマネた髪型が流行)の男であふれたとか。
これら一連の太陽族映画により「映倫」が組織され、年齢制限の「18禁」も一般化したんですね。
若かりし頃の都知事は18禁規制の先駆者的な存在だったんですよ。

太陽族は金持ちの放蕩息子、とりまきの女子ですから今でいう超リア充です。
オタクとは対局に位置している人種ですよね。
でも作者である石原慎太郎は、太陽族ではなくて、かなり真面目な一橋大学の学生であって
放蕩の限りを尽くしていたのは弟の石原裕次郎のほうでした。
後の大映画スターですから若い頃からモテモテの裕次郎は慶應高校の塾生だった頃からホステスと付きあったり
悪い遊び仲間たちと遊びほうけていて、早くに亡くなった父親の遺産もすっかり使いきってしまったので
学生ながら家長である晋太郎がどうにか生計を立てるべくめざしたのが作家だったということです。

もちろん『太陽の季節』やその後の太陽族映画によって強姦などの性犯罪が助長されたのだとしても
小説と実写映画のみで漫画家もアニメ化もされていないので、条例の規制対象外となっています。



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