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UNO=日昌晶

Author:UNO=日昌晶
日昌晶(ひよしあきら)
小説家にして作家デビュー請負人、ストーリーコミュニケーションコンサルタント
原稿執筆や講演・講義、オタクビジネス・マーケティングのコンサルティングまで幅広く活躍中!
 unokyokai@gmail.com

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処女作のたましい百までも

ことわざに「三つ子のたましい百までも」というのがありますが、
作家に関していうならば、三つ子ではなく処女作であるんじゃないかなと思うのです。
ちょっとライトノベルではシリーズ化して見分けるのが困難なんですが
純文系の作品などで同じ作家の一冊で完結する作品を読み比べてみてください。
そうすると、けっこう同じようなガジェットやシチュエーションが頻繁にでてくるんですよ。

特にわかりやすいのはアニメ化もした『四畳半神話体系』の森見登美彦さんの作品ですかね。
第15回日本ファンタジーノベル大賞受賞作の『太陽の塔』を読めば、
その後の作品に登場するほとんど彼の作品のモチーフがすでに見られるんですね。
京大周辺が舞台となり、うだつのあがらない京大生の青年が主人公、ヒロインは黒髪の乙女などなど。
彼の作品の場合、意識的にすべての作品の世界観を連結させているという側面もありますが
作品の完成度については、もちろん後の作品のほうが優れているわけですが
着想としては処女作にすべて見いだせるものだったんですね。

他にも『悪の教典』を読んだ後に『黒い家』を読んだときも、かなり同じモチーフが登場してきました。
精神を病んだ殺人鬼、床下に死体、階段での死闘などなど、数えきれなかったですね。
もちろん小説だけではなくて絵画なんかにもこの現象はより頻繁に見られますよね。
ピカソなんかはちょっと画風の変化が多彩なので見分けにくいのですが、
シュールレアリスムで有名なダリの作品なんか、わかりやすいですよね。
チーズのようにとろけるオブジェとY字の支柱、アリの群、タマゴ、体中にひきだしのある女……
ダリの画集を見れば一目瞭然、手を変え品を代えつつも同じモチーフが反復して繰りかえされています。

なぜこういうふうに同じモチーフが重なるかというと、それは同じ人間の感性だからなんですね。
絵画とはちがって、小説の場合は、あまり同じモチーフを用いるのは推奨されませんが
それでもやはり同じ人間が思考する以上は無意識的にダブってくるんでしょうね。
これは作家のひきだしの数にもよるのですが、同じモチーフが何度も出てくるのは
けっして悪いことばかりではありません。それが作風の一環だとみなされうるからです。

そして、なによりも同じモチーフを好んで書くからには、その作家はそのことに対して
並々ならぬ思い入れがあるわけです。だからこそ思いの丈のつまった処女作に詰めこまれるのです。
ひるがえって、あなたの処女作はどうでしょうか?
まだ長編といえども評価されない習作どまりで、処女作とは言えそうになくても
そのなかにはあなたの「思い」がモチーフとなって入っているはずです。

それをぜひ見つけてください。そして、もっと大事に扱って成長させてあげてください。
見つけ方は簡単です。あなたが2作品以上、作品を書きあげていれば、そこに共通するものを
抜きだしてみるだけでよいのです。それは平凡すぎるものかもしれないし、奇抜なものかもしれません。
なにがあまたの「思い」なのか、わかりませんが、それはあなたのセンスが結晶化したものです。

そして、受賞するような処女作には、そんな結晶化したセンスがこれでもかと詰まっているものです。
あなたのセンスの結晶はなんですか? そして作品の中でぎゅうぎゅうに詰まっていますか?
作家は処女作を超えることはできないとはよく言いますが、その理由はここにあります。
だから、この結晶は作家であるあなたに生涯ついてまわるものとなるのですから本当にたいせつにしてください。

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