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UNO=日昌晶

Author:UNO=日昌晶
日昌晶(ひよしあきら)
小説家にして作家デビュー請負人、ストーリーコミュニケーションコンサルタント
原稿執筆や講演・講義、オタクビジネス・マーケティングのコンサルティングまで幅広く活躍中!
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リライトを比較してみる

ただいま江戸川乱歩の『黒い魔女』(1957)を読んでいます。
ピンとくる人もいれば、そんな作品あったっけと思う人もいるでしょう。
そうです、『黒い魔女』は学校の図書館には必ずあった少年探偵シリーズの第39作であるとともに
江戸川乱歩の代表作でもある『黒蜥蜴』(1934)の少年少女向けリライト作品なのです。
実際にリライトしたのは乱歩本人ではなく氷川瓏でしたけど。

少年探偵シリーズは26作までが小学生のために乱歩が書き下ろした探偵小説で
名探偵明智小五郎と小林少年率いる少年探偵団と怪盗二十面相(一時期は四十面相とも)との
手に汗にぎる知恵くらべや冒険活劇が描かれていて、妖怪にロボットに宇宙人なども登場します。
たいてい変なものは小林少年たちを驚かせるためだけの二十面相の変装なんですけどね。

27作以降はというと、もともと乱歩が一般向けに執筆した作品を子供向けに書き直した作品です。
そのためエログロ表現を削除したり、他の探偵もすべて明智に、探偵助手を小林少年にと変換したりして
それなりの体裁を整えて書かれているわけです。『黒い魔女』もそんな一冊でした。

『黒蜥蜴』は乱歩作品を読んだことがなくても名前だけは知っている人が多いのでは?
舞台版では女賊黒蜥蜴こと緑川夫人役は若い頃から美輪明宏の当たり役として有名でしたからね。
今回、私が『黒い魔女』を読もうと思ったのは『黒蜥蜴』を読んでみたときに
これをどう少年向きにリライトしたのか、とても興味があったからです。

だって『黒蜥蜴』の冒頭は絶世の美女である黒蜥蜴が全裸で踊るところからはじまりますからね。
このシーンで黒蜥蜴の腕に黒いトカゲの刺青があること印象づけられるわけなのです。
ところが、やはり『黒い魔女』では、ばっさりカットでした……
刺青というのもアウトらしく、トカゲのブローチになってました。なんとも微妙です。
ほかにも黒蜥蜴はなにかと全裸になってみせるのですが、そこらへんもカットでしたね。
もともとサービスシーンみたいなもので、文章量を減らすためにもカットされたのでしょう。
それとテーマでもある明智と黒蜥蜴の恋愛感情なども薄められてしまっていました。
よって見せどころであった黒蜥蜴最期のシーンも大きく改変されてしまっています。これは惜しい。

それなのに美男美女を剥製にしてしまう怪奇趣味なんかはカットされていないんですよね。
このあたりの当時の基準がわからないのですが、また興味深いところです。
エロというか性愛に厳しく、暴力や猟奇には甘い編集方針だったようです。
基本的には日本というか少年漫画の編集方針と同じなんですね。

このつぎは『黒蜥蜴』を舞台化するにあたって三島由紀夫が書いた戯曲版を読んでみようと思っています。
こちらは子供向けの『黒い魔女』とは反対に明智と黒蜥蜴の恋愛を拡げて描いているそうなので
そこのところの違いも比較してみたいと思っています。

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