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UNO=日昌晶

Author:UNO=日昌晶
日昌晶(ひよしあきら)
小説家にして作家デビュー請負人、ストーリーコミュニケーションコンサルタント
原稿執筆や講演・講義、オタクビジネス・マーケティングのコンサルティングまで幅広く活躍中!
 unokyokai@gmail.com

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夜這いの民俗学(第1回)

先日のモテラノベの記事で「夜這い」という単語を使ったのですが、
よく考えるとその実態については、ほとんど知らないことに気付いてしまい
ちょっと調べてみようかということで、関連書籍を漁っていますが、これがまたおもしろかったので
ラノベりあんでも記事にしようと思いたったわけです。

現代日本人が常識として考えている恋愛観とはまったく埒外の感性で暮らしていた人々がいたのです。
それも今から60年前くらいまでは、夜這いの風習がしぶとく残っていたわけですから
つまりまだまだ元気に暮らしている経験者もいるんですよね。感慨深いですよね。
以下はメモ書き程度にまとめたものの一部です。


【0】はじめに
夜這いとは不可思議な風習である。現代人の結婚観や恋愛観とはまったく別の次元の感性により行われていたことに注目した。現代日本人の恋愛観や結婚観は近世以降の武家の感性と明治以降の欧米的なキリスト教倫理観に大きく転換されたものであって、日本人古来のもっていたものとは大きくかけ離れていたのだ。そんな打算なく快楽を追求する原始の姿は見ていて清々しくさえある。

【1】歴史
夜這い文化は古代農耕地域では世界的な規模で普遍的に見られた風習だが、アブラハムの神の教義(ユダヤ教、キリスト教、ユダヤ教)により衰退もしくは隠されていった。『デカメロン』『ロミオとジュリエット』『シラノ・ド・ベルジュラク』など古典文学にも夜這いシーンが多数見られる。
日本においては『古事記』に神々の代から夜這いが見られ、『源氏物語』や『土佐日記』などは夜這い文学そのものといえる。

【2】時代
経験者からの口から採録された夜這い話については、明治大正の頃は一部農村地域では、まだまだ盛んであり、かなり廃れたとはいえ終戦直後の話も見うけられた。江戸時代においては言うにおよばずである。明治政府により夜這いは姦通罪などで刑罰を課されるようになるも、あまり効果はなかった。
しかし昭和13年の津山事件(『八つ墓村』のモデルとなった30人大量殺人事件)の犯行動機に夜這いが密接に関わっていたことで、新聞各社が大々的に悪しき旧弊として撲滅キャンペーンを行ったことも衰退の原因となっているのかもしれない。

【3】分布地域
明治、大正の頃まで盛んだったのは、山深い山間部の村落が中心であり、当たり前のように行われていたものだった。貧しく他に娯楽がないということも理由だろうが、特別な理由があるわけでもなく古くから続いてきた因習であったにすぎない。また当時の人々も夜這いについて疑念を持ってはいなかったのは言うまでもない。

【4】システム
夜這いの管理は若者衆(現代の青年部に相当)により柔軟に管理され、「村の娘と後家(未亡人)は若者衆のもの」とも言われていた。男は16歳くらいになると若者衆に入り、結婚すると抜ける。ただし既婚者の夜這いも普通に盛んだった。女は早いと13、14歳(数え年なので満年齢だと最低11歳)くらいから夜這いの対象となった。また上は60過ぎの老婆(当時の感覚で)に対しても普通に行われていた。

夜這いの方法には大別して2通りあった。1つは日中に約束を取りつけて夜這いをかける方法と、もう1つはいきなり寝所に忍びこむ方法がある。どちらも半々くらいだったようで、成功率は前者は邪魔が入らなければ100%だが、後者は20~30%くらいだったらしい。
女の家に忍び込むには、戸を開けておくなど女の協力がないときは忍者のごとき秘術が尽くされたという。そのため夜這い初心者は夜這人(よばいと)と呼ばれるベテランに弟子入りして、見張りなどをやらされる見習い期間がある。夜這いではなく性体験自体については年上の女に手ほどきしてもらう場が用意されている地域もあった。

かつての農家の家屋は鍵などかかっていなかったが、戸の立て付けが悪かったり、床が軋むなど音を立てやすかった。また娘と両親は同じ部屋に並んで寝ていることが大半であり(よくて板障子一枚隔てる程度)、いかに親に気付かれないよう音を立てないかが肝心だった。
また親も夜這いに寛容な家もあれば、資産家や旧家など夜這い防止に戸締まりが厳重な家もあった。ただし見つかって現場を押さえられると、たいてい袋だたきにあうのが普通であり、ときには槍で刺し殺されたり、銃で撃たれたりした事件もあった。
もっとも重要なこととして、夜這いは屋内に月明かりさえ届かない真闇の中で行われていたということにつきる。これは現代人にはなかなか想像できないシチュエーションだろう。そのため準備手段として、明るいうちに娘の床の位置を確認しておき、現地では完全に手探りで行動することになる。そのため娘のつもりで母親や祖母に夜這いしてしまうことや、男に行ってしまう場合も多々あった。わざと一夜で母と娘の両方に夜這いをかける精力家も珍しいことではなかったらしい。

男は夜這い相手の女にいくばくかの土産を用意するのが一般的だった。わずかな金銭もしくは飴などの菓子類が多く、羽振りのよい者は白粉や化粧水を渡した。
男が女を選ぶ基準は美人かどうかが多いが、サービスがいいかどうか、また相手から誘われたかどうかでも大きく変わっていった。女同士の見栄もあって、だれも夜這いの来ないのは恥ずかしいという感覚もあり、また純粋に性欲の昂ぶりを隠すということがあまりなかったから、女から積極的に誘いをかける者も多かったという。
さらには肉欲の追求だけでなく、ゲーム感覚で親が厳重に夜這いを警戒している家にわざわざ挑戦する攻略を目的とする場合もあった。あたかも昔年のリアルなメタルギアソリッドである。
そして全国的ではないが女から男へ夜這いに行く村落も少数ながら点在していたようだ。さらに特定の男だけを受け容れる女もいれば、絶対に断らない女とがいて、後者のような女の場合、あぶれた非モテ男たちが多いときには十人以上が列をなしていたというが、女としては三人目くらいを相手にしているうちに寝てしまって意識はなかったらしい。このような400人以上(村の人口を考えると数世代に渡る男の村人全員だろう)の相手をしたとされる女は驚くほど健康で長生きであったとも言われる。

つづく


実際、リアルなファンタジー小説を書こうなんてことになると、このような事柄も含めないといけません。
モデルとなる中世ヨーロッパも実際には日本と変わらず夜這いが盛んだったわけですし。
たびたび教会が弾圧する魔女のサバトなども、この手の農民たちが古代から行ってきた
夜這いや乱交のことをさしているのは言うまでもないことでしょう。
特にキリスト教のような唯一神教ではなく多神教のファンタジー世界なら、この傾向は更に強くなります。
しかしながら青年読者層には刺激が強すぎるのと、読者の感覚と完全に乖離してしまっているので
ここまで描くことはないとは思いますが、架空の世界観に深みを与えるのに知っておくのは悪くないと思います。

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