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UNO=日昌晶

Author:UNO=日昌晶
日昌晶(ひよしあきら)
小説家にして作家デビュー請負人、ストーリーコミュニケーションコンサルタント
原稿執筆や講演・講義、オタクビジネス・マーケティングのコンサルティングまで幅広く活躍中!
 unokyokai@gmail.com

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第2回日昌晶掌篇文学賞 11月期選考結果発表



【金賞(11月期月間賞)】
『愛に贈るラブレター』 KAIN

9月に銀賞、10月に金賞、そして11月も金賞を受賞となったKAINさんです。
最近の投稿者では頭ひとつ実力が飛び抜けているため当然の受賞となりました。
ライトノベル的ではないのですが、しっかりと読ませる人情物は、しっかり文学です。
ネタバレになってしまうので書きませんが、結末は予想どおりながら先を読めそうで読めない、
そんな絶妙さ加減は実力を感じさせてくれました。

【銀賞】
『好きこそものの上手なれ』 椿

こういう作品は個人的に好きです。アイデアもいいですね。
金賞に一歩およばず銀賞にとどまってしまったのが、もう少し前振りとオチに連携がほしかった。
主人公の「努力」を具体的に書いて「師」と絡められていたら、より作品が引き締まったでしょうね。


【佳作】
『かえがたいたから』 add.
『マナ識に浮かぶうなぎパイ』 葉月
(以上2作品、投稿順)

『かえがたいたから』はなかなかシュールでユニークな発想が光っていました。
字数制限があるのですが、もう少し物語として劇的に演出できていたら上の賞が狙えていたでしょう。
その発想力を大事にしてください。

『マナ識に浮かぶうなぎパイ』は序盤はいいアイデアなんですが、オチは微妙なんですよ。
ただし佳作に選んだのは、タイトルにやられました。わけがわからないんですよね。
でも妙におもしろいし、なんとなく作品にもマッチしているような気もする。
やはりタイトルも大事だということで佳作おめでとうございます。

《総評》
今回は13作品の応募でしたがパロディ的な作品が目立ってました。おもしろい傾向です。
ただしほとんどの作品が、まだパロディにはなっていないのが残念なところです。
パロディ作品というのは、元ネタを自分なりに消化しきって換骨奪胎しなければ
ただのマネ、パクリとなってしまいまうので注意してくださいね。
来月の作品も期待しています。


《受賞作品全文掲載》

愛に贈るラブレター KAIN

 家の改築に伴う引越しの準備をしていた際、偶然見つけたのは封筒に入った離婚届だった。
 親父からお袋に宛てたものだと分かったのは、封筒に書かれた文字からだ。
 しかし離婚届には、お袋の名前が記されているだけだった。
 封はすでに切られていた。

「また何か見つけた?」
 二人の遺影を見つめる私の背後から妻の声がした。
 私が離婚届を差し出すと妻は「あの時の……」と呟いた。
 妻の、予め知っていたかのような言葉に私は驚く。
「知ってたのか?」
 そう問いかけた私を遮ったのは娘だった。
「あー、またサボってるー」
 笑いながら妻の元へ駆け寄る。
 娘は今年小学生になったばかりだ。そんな娘にまさか離婚話を聞かせるわけにもいくまい。
 この話はそれきりになった。

「昼間のあれ――」
 ようやく話を切り出せたのは、娘が隣の部屋で寝息を立て始めた頃だった。
「うん、知ってた」
 それから妻は生前のお袋が語ったという、離婚届と私にまつわるこんな話をした。

 親父は出産を強硬に反対したという。
 出産は危険で、母子ともに命の保証はできない、と医者は警告していた。
「だから、お義母さん、
『私は死にません。子供も絶対に死なせません。産ませてくれないなら私一人で産みます』
 って離婚届を叩きつけたんだって」
 受け取った離婚届に封をして、親父がお袋に渡したのはその三日後だった。
「わかった」と一言だけ添えたという。
 そうして産まれたのが、私だった。

「これね、じつはラブレターだったんだなって」
 離婚届を手にした妻が微笑む。
「どういう意味だ」
「この離婚届はね、お義父さんが、お義母さんとあなたに贈った、命をつなぐラブレターなんだよ」
 妻の言葉に、私は何だかくすぐったい気分になった。
「だったら――」
 そう言って私は襖の方を振り返った。
「親父とお袋が、愛に贈ったラブレターだな」
 親父とお袋から命をつないだ娘は、二人から「愛」という名を贈られていた。
 少し開いた襖から、愛の安らかな寝顔が覗いていた。


好きこそものの上手なれ 椿

 俺には一生涯を通じて尊敬し、師と仰ぐ人物がいる。彼の人は勉学を積み、学問こそが人の価値を高めるのであると考えているのだが、その教えにいたく感動を覚えたのである。俺は価値とは目に見える成果であると考えている。学問は価値であるとする教えを知ってからはがむしゃらになって勉強するようになった。ただし、手当たり次第に知識を増やしてみたところで活用できなければいけない。俺が選んだのは生物学と数学の世界だった。それからの世界は一変した。今まで理解できなかった仕組みや謎が真実を携えてやって来たのである。俺は歓喜した。これまでのそう短くは無い人生の中でこれほどまでに努力した事は無かっただろう。勿論辛いと思う時もあったが、これで素晴らしい人生が待っているかもしれないと思えば頑張れた。師は俺の下らない人生を大きく変えてくれたのだ。
 そして今。今まで積み上げてきた努力の成果を発揮するべき時が迫っている。この戦いでは持てるすべての力を駆使した。誰よりも努力してきた自信もある。数分後には訪れるだろう未来の自分を思い浮かべる。師の写真を懐に抱え、胸を張って道の真ん中を歩んでいるに違いない―。

「なあにが『学問のススメ』だ、諭吉のバカヤロー!!」
 くたびれた格好をして、悲痛な声を上げている男が一人。右手には紙くずとなった馬券を握り、左手には軽くなった財布。仁王立ちで吼える男の声は、悲喜こもごもに反応を示す周囲の者たちの騒々しい声の中に紛れていった。

天高く馬肥ゆる季節、競馬場に広がる空は本日も快晴である。

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コメント

ありがとうございました!

from 葉月
こちらでは初めまして!
佳作いただきました葉月です。
見ていただきましてありがとうございました!

他の誰かに見ていただける、特にプロの方に見ていただけてご意見をいただけるなんてそんなにある事ではないので、凄く参考になりました!

また投稿したいと思います!

こちらでは初めまして!

from 葉月
佳作をいただきました葉月です。
今回は選んでいただきましてありがとうございました!

自分の文章を他の方に、特にプロの方に見ていただけて、さらにコメントまでいただけるなんて滅多にない機会なので、凄く参考になりました!ありがとうございました!

また投稿させていただきます!

(さっき書き込みさせていただいたのですが、反映されてないようなので再び書かせていただきました。)

Re: こちらでは初めまして!

from UNO=日昌晶
コメントありがとうございます!
これからもがんばってくださいね。

すみません……コメントは承認制なので反映に時間がかかることもあります。

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