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UNO=日昌晶

Author:UNO=日昌晶
日昌晶(ひよしあきら)
小説家にして作家デビュー請負人、ストーリーコミュニケーションコンサルタント
原稿執筆や講演・講義、オタクビジネス・マーケティングのコンサルティングまで幅広く活躍中!
 unokyokai@gmail.com

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ライトノベル創作教室ラノベりあん 中二病でも書けるライトノベル教室♪

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第2回日昌晶掌篇文学賞 12月期選考結果発表

【金賞(12月期月間賞)】
該当作なし

【銀賞】
『十二月に咲く向日葵』 KAIN

KAINさんの4ヶ月連続入賞となりました。
ただし金賞でないのは、当然ながら審査の目が厳しくなってしまうこともありますが
モノローグの文章にもう少しがんばってほしいなと思ったところと
ストーリー的にももうひとひねりさせるか、もう少し人間の心のひだを書いてほしいなという期待をこめて
今回は銀賞とさせてもらいました。

【佳作】

『逆転プラモ』雷都
『メリクリ魔女』摩璃唖
(以上2作品、投稿順)

『逆転プラモ』は発想はドラえもん的でおもしろいのですが、プラモである必要性とか
(操縦するならラジコンでは?)といったギミックにひと工夫ほしいところでした。
あとはプラモに対して主人公がどう思い入れがあるかなど書くと深みが増したでしょう。

『メリクリ魔女』は、これもアイデアがよかったですね。巧い感じです。
惜しいのは、もう少し文章を洗練させると、もっとすっきり読めたんじゃないですかね。
魔女の魅力を活かすように書いてもらえると、もっと評価も高くなったと思います。


《総評》
12月もKAINさんの入賞ということになりました。
人情モノを得意とするKAINさんはスタイル的にも堅調に作品を書けるので
どうしてもコミカルな作品で勝負するとなると、かなり思いきったものを書かないといけません。
ほとんどの人は着想時のアイデアはいいのですから、これを引き立てるストーリーと
ちょっと意外性のあるオチを用意してあげてください。
どうもアイデアを考えつくよりも、アイデアをまとめることに時間を割いたほうが効果的ですよ。


《受賞作品全文掲載》

十二月に咲く向日葵 KAIN

 十二月に咲く向日葵を見たのはね、息子が持ってきた三回目の手術の話を私が断ったことがきっかけだったの。
 いえね、断ったのは家族に邪魔者扱いされているとか、そういうのじゃないのよ。
 嫁は優しいし、孫も抱かせてくれたし。
 でも、私も来年は八十。
 長患いの挙句、これ以上迷惑かけるのもねぇ……。

 ところがね、孫がどこかで聞いたらしく、私の病室に来るや、
「お婆ちゃん、手術を受けてまた一緒に遊んでよ」
 って言うんですよ。
 その言葉にしみじみ思ったの。
 生きててよかったと……。
 でも、もう甘えちゃいけないってすぐに思い直して、
「もういいんだよ。皆のお蔭で充分幸せだったから」って。
 そう言うと孫がわんわん泣くんです。私、本当に困って、
「じゃあ十二月に向日葵を見せてくれたら、もう一回だけ頑張ろうかな」
 って……思わず。
 するとね、涙でくしゃくしゃになった顔で孫が言ってくれたんです。
「絶対に咲かせる」って。

 その日はね、クリスマスで、この冬初めての雪が降っていたの。
 朝早くに病室に飛び込んできた孫が、お婆ちゃん、外見て! って。
 なんだろうって窓から覗くと、孫と同じぐらいの歳の子が病院の中庭にいっぱい……。
 あれは学年中の子供たちが集まってくれていたんでしょうね。
 私が驚いて目を丸くしていると、子供たちが病院の中庭に大きくて綺麗な向日葵を咲かせてくれたんです。

 どんな手品かって?
 子供たちが手にしていた傘を一斉に広げて、向日葵を作ってくれたんですよ。
 真白な雪のなか、向日葵の花弁が次々と綻んでいくように、傘がぱあっと開いていったの。
 黄色の他に、赤や青、朱に紫に若草色。本当に鮮やかでいろんな色があったわ……。

 ――おかしいですよね。赤や青の混ざった向日葵なんて。
 でもね、傘の隙間から時折覗く、寒さで真赤になった子供たちの頬を見て、私にははっきりわかったの。
 これは間違いなく向日葵だって。
 孫と子供たちが、十二月に咲かせてくれた奇跡の花だって……。

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