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UNO=日昌晶

Author:UNO=日昌晶
日昌晶(ひよしあきら)
小説家にして作家デビュー請負人、ストーリーコミュニケーションコンサルタント
原稿執筆や講演・講義、オタクビジネス・マーケティングのコンサルティングまで幅広く活躍中!
 unokyokai@gmail.com

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世界観を自作する前に世界史を俯瞰してみようか

今回紹介する参考書はウィリアム・H・マクニールの『世界史』(全2巻)です。

学校で勉強する「世界史」というと、教科書に書かれたトピックごとに寸断されて習うことになるので
ヨーロッパ史と中国史が年代的にリンクしないなど弊害が多くて全体像をとらえにくいんですよね。
しかし古代文明がメソポタミア地方ではじまり、人や物や技術、知識といったあらゆるものが
エジプト、インド、中国と伝播し、さらに相互に作用することで歴史は作られてきたのは言うまでもありません。

本書はかなり昔の本ではありますが、それだけに30年以上も読み継がれているだけの価値があります。
人や物の移動を通して起こりうる歴史の必然性というものが教科書にはない切り口で説明されているので
歴史というものがどういうふうに”ひとつの世界”の中で動いていたかということがよくわかります。

たとえば中華帝国が騎馬民族を追い散らすことが原因でローマ帝国が滅亡してゆくことになるとか
それなのに途中にあるインド帝国はなぜに騎馬民族によって蹂躙されなかったのかとか
文明ごとの地域で区切ることなくユーラシア大陸全体を俯瞰して、それを論理的に解説しています。

そういうことだけでなくヒッタイトによる「鉄器」の発明は「青銅器」の武器よりも強力だったがゆえに
戦争に有利だったのではなくて、銅鉱石よりも鉄鉱石や砂鉄のほうが圧倒的に豊富であったがために
青銅製の武器のように貴族的戦士階級の装備から農民徴募兵も装備できるほど一般化したことが理由であるとか
日本的な常識とはちょっと違った観点からも書かれているところもおもしろいですね。

また著者は「白人」ですから、日本人ではない視点からの日本や有色人種への見解も知ることができます。
特に日本については19世紀まで閉鎖的で自己完結していた関係で、あまり記述は多くないのですが
それが妥当かどうかは置いておいて、欧米では日本はそのように見られているということを知ることは
たいへん貴重な経験になると思いますよ。

ライトノベルを書くにも異世界ファンタジーに挑戦したい人であるなら
作品にこの本に書かれたことを存分に活かそうとすることはありませんが
文章にはしない作者の見識という点で自分の作品の思想背景のひとつに加えてもらうと
コメディであっても地に足のついた深みのある作品になってくれるでしょうし
新たな視点をもって異世界を描けるかもしれません。
少なくとも従来作品をそれなりに真似ただけの「剣と魔法の世界」ではもはや通用はしません。
やっぱり確固たる裏付けなくしては読者を納得させることはできないと思いますよ。

ただ学生の学習本ではないので、すべての内容を理解するには
歴史だけでなく政治経済、倫理、地理を含めた社会科の一般教養が必要となってきます。
あと正直なところ日本訳にわかりにくい表現が少なからずあるので、そこは飛ばしてしまいましょう。
少しくらい意味がわからなくても、おおまかな世界史の流れがわかっていれば問題ありません。

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