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UNO=日昌晶

Author:UNO=日昌晶
日昌晶(ひよしあきら)
小説家にして作家デビュー請負人、ストーリーコミュニケーションコンサルタント
原稿執筆や講演・講義、オタクビジネス・マーケティングのコンサルティングまで幅広く活躍中!
 unokyokai@gmail.com

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読者対象別ヒーロー像考(少女向け作品編)

昨日のポストに引き続き、今日は少女向け作品にみるヒーロー像の考察です。

少年向けは「実は凄いんだぞ系」としましたが、少女向けは「俺を本気にさせるな系」とでも言いましょうか。
基本的には少年向けと同じようにずば抜けた能力を持っているわけですが、その扱われ方がちがうんですね。
少女向けにおいて読者が感情移入するのは等身大のヒロインであって、ヒーローは理想の男性像となりますから
その特異な能力というのは、周知の事実あるいは一部には高く評価されていることが前提となります。
もちろん美形であり容姿については完璧といっていいでしょう。

ですが能力の発揮という点では、やはり最初から出しきっていることは稀なんですね。
少年向けと同じく作中では能力は出し惜しみされていることが多くなっています。
少年向けがあくまでも潜在的な才能であり、努力や友情パワーを経て徐々に開花するのに対して
少女向けのヒーローは最初から才能は開花しきっていて、その世界の頂点を極めています。
これは理想の男性像としては最強であってほしいという願望を実現しているんでしょう。
才能はあるけど弱いヒーローがどんどん強くなってゆく姿に憧れる男の子とは別の心理となっています。
そこで少女向けヒーローは実力はありながらも、過去のトラウマ、呪い、自ら課した戒めなどにより
能力が封印されていて充分に発揮できない、あるいは敢えて発揮しない立場にいることが多いのです。

ご存じのように少年向けヒーローは長期連載によって戦闘力や必殺技のハイパーインフレが起きるのですが
少女向けは最初からヒーローが頂点に君臨していますから、インフレしにくい構造になっているんですね。
敵やライバル、問題の困難さに合わせて、能力を限定的に解除してゆくというスタイルが好まれているので
終生のライバルといえども、最初からヒーローの真の実力にはかなわないことになっています。

少年向けヒーローは能力を発揮しようにも自由自在に全力をだせないのに対して
少女向けヒーローは条件さえそろえば、自らの意志で全力をだすことができます。
何らかのリスクを背負うことになったとしても、少女向けヒーローは本気になろうと思えばできるところが
いつヒーローが本気になるかという葛藤といった感情面の盛りあげで読者を魅了してゆくのです
これは派手な必殺技の応酬などバトル要素が読者に求められていない少女向け作品としては当然の帰結です。

たとえば、往年の名作として名高い西部劇映画『シェーン』なんかはその典型ですね。
凄腕のガンマンながら、それを理由にこれまでのように町の人に怖がられて町を追い出されないよう
ごく普通の若者としての農場生活に徹するも、最後の最後では町の人のためにならず者たちを撃ち殺す。
そしてガンマンの正体を晒してしまったら、もう町にはいられないと独り町を去ってゆく。
「シェーン、カームバック!」という少年の叫びを背中にうけながら――
他にも高倉健主演の仁侠映画シリーズなどでも、この手法を採りいれて見せ場を作っていますから
この構図は男性向け作品でも問題なく通用するにはするのですが、少年向けとなると哀愁やら悲哀といった
複雑な負の感情が理解できなかったり、求められていなかったりするので作品的に少なくなっています。

上記のことから、少女向けヒーローの見せ場は、正体を現す、あるいは真の実力を発揮する際に
相応の対価やリスクが求められるため、普段は物静かだったり、無愛想だったり、飄々としていたりします。
ですが、ヒロインや誰かのピンチにおいては、自分が負うことになる多大な代償を顧みずに助けてくれる。
その奉仕の精神、自己犠牲の精神がクライマックスとして、女性読者をドキドキさせるのです。

結局は、命がけで自分(あるいは大勢の人)を守ってくれるような騎士道精神の男性こそが
古今東西、普遍的な女性の求めるヒーロー像となっているんですね、ということでまとめておきます。

それでは少年向け、少女向けと来たので、次回は大人向け作品について言及したいと思います。
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