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UNO=日昌晶

Author:UNO=日昌晶
日昌晶(ひよしあきら)
小説家にして作家デビュー請負人、ストーリーコミュニケーションコンサルタント
原稿執筆や講演・講義、オタクビジネス・マーケティングのコンサルティングまで幅広く活躍中!
 unokyokai@gmail.com

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なぜワンピースはあんなに人気があるのか?

言わずと知れた日本で最も売れている漫画『ONE PIECE』!
単行本は初版ウン百万部という、小説では村上春樹作品以外には絶対にありえない売れ行きですよね。
テレビアニメに映画化、さらには膨大なキャラグッズと、それはもう国民的作品といっていいでしょう。

でも作家志望のあなたや漫画通を自認するような人には、それほど評価されていなかったりもしませんか?
絵は個性的ではあるけど超絶的な技巧があるわけでもなく、ストーリーもベタな展開が多いのにとか思っていませんか?
たしかにおもしろいとは思うけど、なんであんなに売れているのかイマイチわからないという人も多いかと思います。
特に漫画やアニメにとどまらず小説や映画といった物語作品を膨大に消費している人にはなおさらでしょう。
そういう人にはワンピースはこれといって他作品と比較して人気の差ほどのちがいがあるようには思えないはずです。
実際、そうなんだと思います。
世の中にはたくさんおもしろい作品はあふれていますし、その中の一部はワンピースを超えているはずです。
とはいえ、ワンピースを超えているからといって売れるとは限りません。
その人気の差はどこから来るのかを考えてみたいと思います。

端的に言うと「より大きなニーズを掴んでる」からなんでしょうね。
たとえば『アンパンマン』という作品があります。
説明するまでもなく未就学児童には圧倒的人気を誇る人気作品であります。
しかし中年のおっさん世代に人気があるかといえば、ほとんどないですよね。
それは『アンパンマン』という作品がターゲットとしているのが幼児だからであり、
そこから大きくはずれるおっさんは対象外だからというのは別に言われなくてもわかっていると思います。

ワンピースもこれと同じなんですね。
基本的に少年ジャンプ連載ですから読者ターゲットは小学生(中高学年)の男子だったりします。
この層がどのような特徴があるかというと、だいたい漫画を読み始める年代なんですよね。
つまりワンピースははじめてストーリー漫画を読む層をターゲットにしています。
コロコロコミックなど低学年もカバーする漫画雑誌もありますが、これは単発ギャグが主体であって
冒険とか感動とかを与える作品に関しては、ほぼ初めての体験がワンピースなわけですよ。

「はじめて触れるストーリー漫画」としてのニーズに確実に応えているのがワンピースなんですね!
少し拡大解釈すれば、小学生でなくても、経験的にあまり物語作品に触れたことのない人たち
つまりはあまり漫画や小説など読書をしないし、映画やドラマもそれほどみないという人たち
いわゆるライト層みたいな人たちに対しても非常にウケがよくなるわけです。
だいたい大人でワンピースにハマってる人というのは幼少期のノスタルジーとして好きでないなら
ほとんどの人はワンピース以外に他の漫画を読んでいたりするのかというと、そうではなさそうです。
「ワンピース最高!」といっても、どの作品と較べてよりおもしろいかというよりも
知ってる作品がワンピース以外にあまりないという場合が多そうなんですよね。

はっきり言って読書経験の乏しい人におもしろくても難解なストーリーや表現を駆使しても理解してもらえません。
離乳食ではないですが消化にいいように噛みくだいた、わかりやすいストーリーや表現、俗にいう「ベタ」が求められるんです。
でも逆に読書経験が豊富だと、あまりに「ベタ」すぎると食傷気味になってしまうので
より新規性や斬新性を求めてちがう作風を求めてゆくのは当然のなりゆきでしょう。

そして、そういうマニアック路線へと進む人って、いつの時代も少数派でしかないんですね。
ほとんどの人は初級レベルからほとんど進歩しないまま止まってしまうものです。
だからこそ、この読書経験の浅い層にこそもっともたくさんの人がいるわけで
ここを独占的にがっちり鷲づかみしているのがワンピースなのです。
これは少年ジャンプの性質上のものとはいえ、それを理解しつくして本当にいいところを押さえてますよね。

かつて『世界の中心で愛を叫ぶ』という小説が大ヒットしたときも、やっぱりその人気を支えたのは
読書家ではなく、はじめて小説を読んだのが「セカチュー」でしたみたいな人たちでしたよね。
当時から読書家(評論家を含む)には、ベタすぎて従来恋愛作品の要素を詰めこんだだけと評価されませんでしたが
あまり小説を読んだことがなかった人には、どれもこれも斬新で感動的なんですよね。
そもそも「ベタ」というのは「定番」であり「はずさない鉄板ネタ」ですからね。
何度も見せられたら飽きもしますが、はじめてなら効果絶大ですよ。

そう考えてゆくと、ライトノベルというのも実はワンピースとあまり差のない読書経験の浅い人向けです。
ただしラノベばかり読みこんでいる読書家の層も厚いので、実質的な読者は両極端なんですよね……
この場合、どちらの読者層も両取りするというのは非常に難しいわけです。
どちらに軸足を置くのか、そして選んだほうの読書層に好まれるのはどんな要素なのか。
そういうことも考えてストーリーやキャラクターを考えていくことも必要でしょう。
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