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UNO=日昌晶

Author:UNO=日昌晶
日昌晶(ひよしあきら)
小説家にして作家デビュー請負人、ストーリーコミュニケーションコンサルタント
原稿執筆や講演・講義、オタクビジネス・マーケティングのコンサルティングまで幅広く活躍中!
 unokyokai@gmail.com

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スチームパンクっていいかも

スチームパンクというのは、サイバーパンクから派生した概念ということで
おおまかには産業革命後の特にヴィクトリア朝英国を背景としたSFデザインや設定を意味します。

具体的には電子機器はおろか電気もまだ未発達だけど蒸気機関が全盛だった頃に考えられていたような
蒸気機関をはじめ歯車とか銅色の外板とか、どこかレトロな感じの機械類が象徴的な世界観なのですが
欧米ではやたら人気があるようなんですよね。
ミニチュアゲームにおいてもウォーマシンやディストピアんウォーズとか完全にスチームパンクを踏襲していますし
ウォーハンマーについても40kはおろかファンタジーのほうもかなり濃厚にスチームパンクが入っています。
まあ、日本では大友克洋の映画『スチームボーイ』(2004)とかもありましたが
漫画やアニメ、ゲームにおいては軽くスチームパンクっぽい要素の入っている作品は多いのですが
これはスチームパンクだねっていうくらい認知されていないのが現状だったりします。

でも考えてみると、スチームパンクってメリットが多いんですよね。
私もずっとわかっていなかったのですが、スチームパンク的なデザインって風化しないんですよ!
元々が19世紀的な古めかしいデザインをベースとしているので、もう古くなりようがないんですね。
未来世界のデザインというのは、ともするとすぐ風化して陳腐なものになってしまうんです。
それはなぜかというと、そのときそのとき想定される未来感が変わってしまうからなんですね。
なので30年前のSF映画とかイラストなんかのメカデザインとかライフスタイルとか笑っちゃいますよね。

かつては腕時計型テレビ電話とか未来グッズの定番ですが、それが実現可能になった現代において
テレビ電話は必要性があまりないということであまり流行りませんでしたし、
腕時計型もないことはないのですが、かなりマイナーなガジェットでして必須アイテムにはなりそうもありません。
もちろん空飛ぶ車もなければ、透明チューブを走る高速列車もまだないし、可能になっても実現しそうにないですが
当時の人が想像だにしなかったネット関連については大いに発達しましたよね。

そういうわけで遠い未来を見通してデザインするのは難しいのですが、
すでに過ぎ去った時代を起点とした近未来なので、どうしてもデザインの幅は狭くなってしまいますが
時代を経ても陳腐にならないので、長いスパンでの商品展開が可能という利点があります。
それにどこかユーモラスにして優雅、グロテスクな面もあってなかなか意匠も興味深いなと思うんですよ。

というのを改めて考えたのは『屍者の帝国』を読んだこともあってなんですけどね。
この作品は厳格な意味でのスチームパンクではなくて、蒸気機関による産業革命がなく
電気的に屍体をロボットのように蘇生させて労働力や軍事力に従事させることで産業革命した世界です。
ちなみにこの作品のおもしろいところは19世紀末の実在の人物や架空の人物がつぎつぎに登場する点だったりします。
主人公は『シャーロック・ホームズ』の助手ワトソン博士の若かりし頃であり、相棒は実在の探検家バーナビー、
そして『カラマーゾフの兄弟』の三男アレクセイ、『ドラキュラ』のヴァン・ヘルシング教授、
『風とともに去りぬ』のレッド・バトラー、日本では実在の榎本武揚と錚々たる人物が関わってきます。
また物語の核心となるのは『フランケンシュタイン』でフランケンシュタイン青年に創造されるクリーチャーであり
このパラレルワールドが現実世界と異なった方向に進んだ原点ともなっています。
そのため歴史は愚か、この当時の小説作品にある程度親しんでいないとニヤリとできないので万人向きではないですね。

たとえば若きワトソンの属する秘密組織の上司Mが「弟が私立探偵をやっているけど依頼人がいなくて困ってる」
なんてセリフを言ってもおもしろく感じられないんですよね。
もちろんこの私立探偵というのは、ちょっとわかる人ならシャーロック・ホームズらしいということがわかるし
したがって上司のMの正体はマイクロフト・ホームズだななんてことがわかるわけです。
またMというのは『007』のジェイムズ・ボンドの上司が名乗る歴代の呼称でもあり、
この政府系秘密組織がやがて諜報機関MI6になるのではなんて想像ができてしまうわけですが、
上記2作品を知らない人にとっては、さらっと読み流してしまっておもしろみを感じられないんですね。
そこがパロディという読者の知識量に依存してしまう作品のデメリットでしょう。

閑話休題。スチームパンクの話に戻すと、ライトノベルだけでなく一般小説においても開拓の余地があるのが
スチームパンクの分野ではないかとちょっと思うわけです。
少年向けの場合だと男性読者は特殊世界観の理解とかめんどくさくて嫌いな人が多いので難しめですが
少女向けで目指している人だと以前から19世紀を舞台とした作品も多いことだし親和性も高いと思うんですけどね。
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