青春小説とライトノベルの近くて遠い関係
はじまりは今夜のツイッターのつぶやきからだった。
大人になって青春小説が好きになってきた。
恋愛や仲間とのバカ騒ぎとかあるあるな郷愁を感じるからか。
ふと青春の思い出があまりない人はどうなんだろうかと思う。
最近の私の傾向として青春小説が無性に好きになってきました。
いいですよね、若さゆえの情熱や悩み、なにより愚かさが垣間見える青春小説って。
でも青春現役時代って、そんなに青春小説って好きじゃなかったんですよね。
なんというか等身大すぎて気恥ずかしいみたいなところがあって。
主人公が自分に似ていたりなんてすると共感しつつも抵抗感があるというかね。
まあ、いい歳になって、こういう同世代が抱く近親憎悪的な抵抗感がなくなると
本当にすんなりと昔の自分と対比でき、共感するよりも郷愁を感じるのです。
で、ここからが本題なのですが、実はこういう小説にあるような青春を送っていない層というのはあるのです。
特に目的もなくだらだらと仲間とつるんでは遊んだり、呑んだくれたりとか
誰かのことを好きになってみたり、逆に好かれてみたりとか、
そのほかいろいろな経験があまりないという人は少なくないんじゃないかなと思うわけです。
そういう人にとって、青春小説はおもしろいものなのでしょうか?
山田詠美の『ぼくは勉強ができない』なんて非モテ男子が読んだらトラウマものだと思うんです。
勉強ができてもモテない男には価値はないという絶対的な心理のうえで作品が構築されているからです。
そして青春小説というのは、はからずもそういう残酷さがあるのです。
どんな情けない主人公でも青春を謳歌するとき、その行動が無上の価値となるのです。
だからこそ、そういう行動を経験したことがない人にとっては、自分を否定されたような気分になりやすいのです。
恋愛をしたことのない人が「恋ってどんなことよりも素敵!」という作品を読んだとしたら
友達のいない人が「仲間との友情こそ最高の宝」なんて作品を読んだとしたら
自分が作品の中ではまったくの無価値な存在だと思わないわけにはいかないですよ。
それに対してライトノベルというのは青春小説とは対極に位置する作品ではないかと考えるのです。
内容こそ「恋愛」や「友情」を描いているので似た構造なのですが、まったく似て非なるものなんですよね。
どこがちがうのかというと、決定的な差は「ファンタジー」であるということです。
青春小説だって荒唐無稽な作品はたくさんありますが、ここでいうファンタジーとは異なります。
ライトノベルのファンタジーとは、端的に言ってしまえば「青春を謳歌できなかった人のイメージする青春」なのです。
そう、こういう彼女がいたらいいなとか、こんな仲間と遊びたかったなみたいな脳内の青春そもものなのです。
その舞台が異世界だろうとよくわからない部活だろうと関係ありません。
だからなのか、青春的なもので価値観を押しつけるような作品って少ないんですよね。
微妙に主題がずれていたり、あまり深く言及されていなかったりするわけです。
青春小説が実体験に基づく思い出や郷愁のうえに成り立っているのに対して、
ライトノベルはこうだったらいいのになという妄想のうえに成り立っているといってもいいでしょう。
これは決定的な差となっていると思います。とはいえ両者のあいだには線引きしにくい作品もあるし、
ライトノベルのような青春小説や青春小説のようなライトノベルもあるでしょう。
それでも青春小説とライトノベルの大きな差ではないでしょうか。
大人になって青春小説が好きになってきた。
恋愛や仲間とのバカ騒ぎとかあるあるな郷愁を感じるからか。
ふと青春の思い出があまりない人はどうなんだろうかと思う。
最近の私の傾向として青春小説が無性に好きになってきました。
いいですよね、若さゆえの情熱や悩み、なにより愚かさが垣間見える青春小説って。
でも青春現役時代って、そんなに青春小説って好きじゃなかったんですよね。
なんというか等身大すぎて気恥ずかしいみたいなところがあって。
主人公が自分に似ていたりなんてすると共感しつつも抵抗感があるというかね。
まあ、いい歳になって、こういう同世代が抱く近親憎悪的な抵抗感がなくなると
本当にすんなりと昔の自分と対比でき、共感するよりも郷愁を感じるのです。
で、ここからが本題なのですが、実はこういう小説にあるような青春を送っていない層というのはあるのです。
特に目的もなくだらだらと仲間とつるんでは遊んだり、呑んだくれたりとか
誰かのことを好きになってみたり、逆に好かれてみたりとか、
そのほかいろいろな経験があまりないという人は少なくないんじゃないかなと思うわけです。
そういう人にとって、青春小説はおもしろいものなのでしょうか?
山田詠美の『ぼくは勉強ができない』なんて非モテ男子が読んだらトラウマものだと思うんです。
勉強ができてもモテない男には価値はないという絶対的な心理のうえで作品が構築されているからです。
そして青春小説というのは、はからずもそういう残酷さがあるのです。
どんな情けない主人公でも青春を謳歌するとき、その行動が無上の価値となるのです。
だからこそ、そういう行動を経験したことがない人にとっては、自分を否定されたような気分になりやすいのです。
恋愛をしたことのない人が「恋ってどんなことよりも素敵!」という作品を読んだとしたら
友達のいない人が「仲間との友情こそ最高の宝」なんて作品を読んだとしたら
自分が作品の中ではまったくの無価値な存在だと思わないわけにはいかないですよ。
それに対してライトノベルというのは青春小説とは対極に位置する作品ではないかと考えるのです。
内容こそ「恋愛」や「友情」を描いているので似た構造なのですが、まったく似て非なるものなんですよね。
どこがちがうのかというと、決定的な差は「ファンタジー」であるということです。
青春小説だって荒唐無稽な作品はたくさんありますが、ここでいうファンタジーとは異なります。
ライトノベルのファンタジーとは、端的に言ってしまえば「青春を謳歌できなかった人のイメージする青春」なのです。
そう、こういう彼女がいたらいいなとか、こんな仲間と遊びたかったなみたいな脳内の青春そもものなのです。
その舞台が異世界だろうとよくわからない部活だろうと関係ありません。
だからなのか、青春的なもので価値観を押しつけるような作品って少ないんですよね。
微妙に主題がずれていたり、あまり深く言及されていなかったりするわけです。
青春小説が実体験に基づく思い出や郷愁のうえに成り立っているのに対して、
ライトノベルはこうだったらいいのになという妄想のうえに成り立っているといってもいいでしょう。
これは決定的な差となっていると思います。とはいえ両者のあいだには線引きしにくい作品もあるし、
ライトノベルのような青春小説や青春小説のようなライトノベルもあるでしょう。
それでも青春小説とライトノベルの大きな差ではないでしょうか。
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